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人生で初めて同人誌を作った時の話

色々あって人生で初めて同人誌を作って、人生で初めてサークル参加したので、その時の話を書きました。

注意① クソ長いです
注意② この記事に書いてあるのはあくまで自分の話です。もっといいやり方がいくらでもあると思うので、参考にはしないでください。あくまで読み物くらいに考えて頂ければ嬉しいです。

①【主な流れ】

東方にハマった

東方の大きなリアルイベント(例大祭)に一般参加するようになった

俺も同人誌を作ってみたくなった

作った(116ページ)

イベント(10月20日に開催された第11回秋例大祭)にサークル参加して頒布した

②【東方にハマるまで&同人誌製作決心まで】

ここは読み飛ばしても大丈夫です。
↓ここの「③【同人誌製作開始~完成】」ってところ押せば飛ばせます。



◆2023年頭

東方は殆ど知らない、STGは過去に辛い思い出があり、苦手を通り越して嫌いというレベル。

そんな状態でプレイしたとある東方二次創作ゲームがまさかのマイベストゲームの位置に君臨する。

この作品は原作のストーリーに独自の解釈を交えながら王道SRPGとして再構築したような構成となっており、必然的に「このゲームで描かれた物語は、原作ではどうなっていたんだろう?」という興味が湧いてきた。

でも、STGは来世になるまでやりたくない……

そこにこの悪魔のささやきだった。
謎の漬物に言われるがままに漫画作品に読み耽り、その中でもお気に入りになったのがこちらの東方三月精

いたずら好きの3人の妖精が織りなすコメディでキュートな物語だ。
そして運命のいたずらか、妖精のいたずらか。
書籍作品の中でこの東方三月精のみ、ここから派生して独立したSTG作品を持っていた。

流石に気になる……で、でもSTGは……俺は……!!

あ……あああああああああああ!!!!!!

その後は本当に色々あったものの、最終的にSTG作品はExtra(各作品に存在するラストステージ)をクリアするところまではプレイし、書籍作品や黄昏作品も網羅することになった。

二次創作ゲーム→原作漫画→原作STGという順に取り込まれていったわけで、東方Projectの間口の広さはスゴイナーというお話でした。

あ、東方原作STGはめっちゃ楽しかったです!
ほぼ食わず嫌いでした!

原作STGを一通りプレイした頃には東方の超大手リアルイベント「例大祭」にも毎回のように足を運ぶようになっており、現地でネット上の知り合いと出会ったりすることもあった。

とりわけ大きな契機となったのが今年2024年5月の春季例大祭での出来事。
ありがたいことに一緒に飲まんかとお声をかけてくださったサークル参加者(本とかグッズとか作って頒布する側の人たち)の方々がおり、その際に同人誌の製作のことについて色々とお話を伺った。
当然こういう人たちは他人を沼に沈めることしか考えていない(褒めてます)ので、当然の話の流れとして「貴様も描け」と足首を掴まれたが、正直、絵も描けない自分には難しい。
それでもと、以前から少しだけ考えていたことをその場を借りて相談させて頂いた。
「STGの超初心者から見た東方原作STGの感想をまとめた本を、同人誌にしたりはできるだろうか」と。
描くことはできなくとも、書くことはできるだろうかと。


足首に込められた力がひときわ強まった気がしたのは、飲み慣れないアルコールのせいではなさそうだった。

③【同人誌製作開始~完成】

『ゲーム内スクショの利用はOKなのか?』

そんな訳で、2024年の秋、10月20日に開かれる秋季例大祭のサークル参加に向けて、人生初となる同人誌、『東方原作巡礼記』の製作がスタートした。

実は、雛形は既に完成している。

以前ブログで書いた、東方原作作品の感想記事だ。
これをベースにしつつ1冊の本に移行していくように書いていけば大した労力はかからないだろうとこの時は思っていた。

しかし、ここでまず問題となるのが「同人誌の製作にゲーム内スクリーンショットを使っていいのか」という点だ
これに関しては東方Projectの緩めの二次創作ガイドラインに助けられており、公式ページに以下のような記載がある。

>禁止事項
(中略)
>スクリーンショット、プレイ動画以外のゲーム素材を使用、公開する行為

https://touhou-project.news/guideline/

逆に言えばスクリーンショットはOKということになり、実際、東方原作のスクリーンショットを使った攻略本という形の同人誌を製作している人はとても多いことを確認した。
付け加えるのであれば過去作品のマニュアルには以下のような記載がある。

東方星蓮船のマニュアルより

まとめると、「ゲーム内スクリーンショットは画像の縦横の比率を変えたり、騙すような加工さえしなければ二次創作で使用しても良い」とのことで、まことにありがたい話だった。

無事に前提条件をクリアしたところで、時系列を追いながら具体的にどのように製本に取り組んでいったのかを記していこうと思う。


2024年5月上旬『ツールはなにを使えばいいのか』

まず、ツールをどうするか。
調べてみると、同人誌を作ってくれる印刷所にはPDFという形でファイルを渡しても良いらしい。PSDとかいうのもあったけど意味不明なので忘れた。

使い慣れたツールでPDFで出力できるものを考えた時、とりあえずExcelが思い浮かんだ。
ただ、プライベートのPCにExcelは入っていなかった。
私用としてはそれまでOpenOffice Calcというフリーの表計算ソフトを利用していて、それで不自由はなかったからだ。
不自由がないならそれでいいかということで、フリーの表計算ソフトを使って初の同人誌に挑むことになったのだった。

これ以降はしばらくこのOpenOffice Calcを利用して製作作業を行うのだが、これは1ファイルが重くなってくると凄まじい勢いでクラッシュしまくる
Libre Office Calcという後継版?は動作が超安定しているので、どういう目的にせよこちらを利用したほうが良いと思われる。
1分に1回のクラッシュに堪忍袋の緒が切れてLibre Office Calcの存在を知ったのは製作も大詰めといったタイミングだったが、そこからでも乗り換えて良かったと思う。
それよりも2分に1回クラッシュするところまでは許容していたという事実に、涙が止まらない。

5月上旬『イラストの依頼』

この時点で完成系はおおよそイメージできており、必要なイラストも決まっていた。
リアル知人である絵師さんに描いて頂けないかお願いしたところ、非常にありがたいことに格安で引き受けて頂いた。
話し合った結果、依頼したイラストは18キャラのSDイラストで、期限は8月末までの約4ヵ月という話でまとまった。
いま思えば、この人数に対してこの期間は、短すぎたのだろうと思う。
親切心に甘えた、あまりにも傲慢なお願いだったのかもしれない。

5月上旬『実際に原稿を作っていこう』

Openoffice Calcを使っての同人誌製作、本格スタートである。

基本はExcelと変わらない。
まずはこの表計算ソフトでの1ページが、同人誌の実際の1ページとなるようにページサイズを設定した。

本はA5サイズにしようと思っていた。よく使うA4の半分だ。
調べてみると、A5サイズは縦14.8cm、横21.0cm。
じゃあそれをそのままページサイズにすればいいのかと言うと、それではダメらしい。
印刷の工程でタチキリとかいう謎の概念によって上下左右0.3cmは存在を消滅させられる可能性があるらしく、よくわからないがとりあえず上下左右に0.3cmの余裕を持たせろという話らしい。
なので左右それぞれで0.3cm、合計0.6cmを「幅」に、上下も同じく0.3cm×2の0.6cmを「高さ」に加える。

結果として、この幅15.40cm×高さ21.60cmという数値になり、これはネットで検索してもよく出てくる。
ここは問題ないと思う。
これに合わせてすべてのセルの列幅を0.77cm、行幅(高さ)を0.54cmに調整し、横20セル×縦40セルでちょうど1ページに収まるようにした。
こうしておかないと1ページに収まるセルの数がページごとに異なってしまうから、ページによって文章量がガタガタになる。
こっちはちょっと怪しい。横20とか縦40とかどこからきたのって感じだし。
でもこれで問題なかったから、きっと良かったんだろう……。

さて、このページのサイズやレイアウトを設定する画面。
実は最初に決めておかなければならなかった項目がもうひとつある。
「余白」である。

もし貴方が同じやり方で本を作るつもりなら、余白の意味や仕組みや重要性はよく考えた上で、最初にここの数値を決めたほうがいい
増やすにしても、減らすにしても、ここの数値は後から調整が効かない。
この記事の中で、これだけは真実だと思う。

特に大事なのが左右の余白。
本という媒体は、当然ながら内側が奥まっている

後述するが、これはプロトタイプ版。完成品ではない

余白について何も考えないと、このように本の内側の部分がとても見づらくなってしまうのだ。

それでも、左右の余白の合計が足りているなら問題はない。
例えば外側余白2cm、内側余白2cmとある状態でこのようになってしまったのであれば、外側余白1cm、内側余白3cmとするように、外側の余白を削って同じ分だけ内側の余白を追加することで、ページ内のレイアウトには影響を及ぼさずに内側の余白を広げられる。
外側の余白を削りすぎても本を支える指で文章が隠れてしまいがちになるが……。

問題は左右の余白の合計がそもそも足りてない場合だ
百科事典を想像して欲しい。大技林でも、広辞苑でもいい。
ページ数は増えれば増えるほど当然ながら厚みを増し、それだけ本の内側というものは奥まっていく。
つまり、確保しておくべき余白の長さが変わってくる(総ページが増えれば増えるほど必要な内側余白も長くなっていく)のだ。

後になって余白がもっと必要だった、となっても遅い。
余白を広げるということは本文のスペースを削るのと同義である以上、それまで書いてきた文章のレイアウトが崩壊するした。
だからと言って、最初に余白を広く取り過ぎていたから後からやっぱり削ろうと思っても、もちろん崩壊するだろう。

ページ数ごとに必要な内側の余白の目安は検索すると出てくる。
最終的に何ページになるかを考えつつ、予め調べておくといいだろう。

ちなみに自分の場合はどうだったかと言うと、なぜか最初に「余白?う~ん、余白は少ないほうがその分いっぱい文字書けるスペース増えるからそっちのほうがいいよね!」と考え、何故か左右の合計の余白を削っていた
いいわけねえだろ。
更に当初の予定を大きく超えたページ数も合わさり、3か月後くらいに顔面が蒼白になるのであるが、それはまた別の話。
こうはならないようにしよう。

ちょっと似た話で、まず最初にCtrl+Aで全セルを選択→セルの書式設定から「行頭及び行末の禁足文字のリストで禁則処理を行う」にチェックを入れておくと、折り返し文章表示のセル内で行頭に句読点とかが来るのを防げる。
これも最初に気付いておきたかった…。

5月中旬『コンビニで紙で印刷してみよう』

スタートすればあとは早かった。
ある程度作業が進み、原稿の完成が見えてきた。
バックアップを見ると5月20日の時点で当初の目標だった86ページまで既に書きあがっており、あとは殆どイラスト待ちの状態だった。

各作品の扉ページ。完成版とはレイアウトがちょっと違う。
このあたりの文章も完成版ではかなり修正している。
引いて見るとこんな感じ

イラストは、幻想人形演舞というゲームのフリー素材を仮置きで使っていた。

しかしこれは金銭に関わるものへの利用が禁止なので、同人誌を0円で頒布する予定でなければ使えない。
あくまで依頼した正式なイラストが完成するまでの仮置きとして、愛用させて頂いていた。

ちなみにこの時点で既にブログの感想記事とはほぼ無関係の何かになっており、全文章を最初から書き直している
やはりいくらでも自由に書き足せる状態と、1ページ内に区切りよく収めるという制約がある状態では、文章の書き方からして大きく違ってくる。

上手く流れに乗って早くもゴールが見えてきたといったところで、ずっと抱いていた懸念点とも向き合う必要が出てきた。

「これ、実際に印刷されたらちゃんと読めるんだろうか?」

本文の文字が小さすぎだったりしないだろうか?
特にゲームのスクショの台詞部分は画質の関係もあってかなり怪しいのではないだろうか?

かと言って、実際に本にしてみようという段階でもない。
少し考えて、試しにコンビニのネットプリントを使って印刷してみることにした。
A5サイズの原稿2ページ分をまとめて印刷すれば、コンビニで印刷できるA4サイズになるはずだ。
早速やってみた。

完成版は各作品の扉絵は必ず左側に来るようになってます!

こ、これは……
思ってたよりかなりいい感じなのではないだろうか?
っていうか、これ、もう本じゃないか?(?)
今回の経験の中で、一番最初にテンションが爆上がりした瞬間だった。

5月下旬『試しに本にしてみよう!』

当初予定していた内容は完成し、あとはイラストを待ちながら文章を推敲したり、レイアウトがおかしくなっている箇所を修正する段階に入っていた。
いよいよ作業の終わりも近づいてきたことで、1度テストとして1冊だけ実際の本を作ってみることにした。

調べてみたところ、PixivFactoryでは自作の本を1冊から注文できる
初めての入稿という作業に何度も躓きつつも、完成した自分の本を想像しながらなんとかやり遂げた。
そんな発注から約10日後、ついに届いた。

未完成版ゆえクソみたいなサブタイトルがついてますが気にしないでください。

今度こそ、本だ!

まだページ数が少なかった頃の目次

これ、本だ!!

文字や画像が見切れていたり、レイアウトがおかしいところは大量にある。
誤字脱字も多く、それとは別になんだかハナにつく文章だって散見される。
手直しの必要はまだまだ大量にあったものの、それでも、行ける。
これを作れるところまで来られたのなら、行ける!
そう強く確信した日だった。

6月『「余白」を考える』

1度試しに本という形で仕上げてみて得られたことは多かった。
その中のひとつに「余白のことを考えるようになった」というものがある。
そう、先ほど話した内側余白の件である。
ああ、確かにこりゃ読みづらいなと、実際に本として触れることで痛感したのだった。
このプロトタイプ版では左右の余白がそれぞれ1.5cmとなっていた
これを外側1.0cm、内側2.0cmという配分に分配し直そうと思ったのがこの頃だった。

しかしここで疑問点。
具体的にどうすりゃそういう設定ができるのか?
ページの余白の設定には内側も外側もない。
あるのは左側と右側だけだ。

やりたいことは簡単だ。
奇数ページは右側の余白を2cmに、偶数ページは左側の余白を2cmにすれば、本として出来上がった時に内側の余白が2cmになる。
……で、実際にどういう手順を取れば可能な限り簡単にそれが実現できるのだろうか?
これからも何度も手直しを繰り返していくことが想定される以上、ページレイアウトを設定し直して1ページ目をPDFとして出力、また設定を変えて2ページ目を出力、を数十回も繰り返すわけにはいかない。

おそらくもっと参考にすべきやり方はいくらでもあると思われるが、自分の方法はこうだ。
まず、全体の設定として左側の余白を1cm、右側の余白を2cmにする。
右側が内側になる、つまり奇数ページ用の設定だ。
この状態で、完成しているページを全て1つのPDFとして出力してしまう。
その際のファイル名は「奇数.pdf」とでもしておく。
これを、「PDFsam」という超使いやすくて軽いフリーのPDF編集ソフトでページごとに分割する。

ページ数の分だけPDFファイルが出力されるが、これらは全て奇数ページ用の余白設定になっている。
つまり、偶数ページのものは要らないから削除したい
では、どうやって偶数ページだけを選択すればよいか。
これは簡単で、フォルダを2列だけ表示できるサイズまで縮めればOK。

これで偶数ページだけを消せる。
なんと知的なやり方だろうか……自分の才能が怖い。
たぶん今、製本に詳しい人は涙が出るくらい笑いながら読んでると思う。

上手く奇数ページを抽出できたら次は偶数ページについても同じことを行う。
今度は全体の余白設定を偶数ページ用(左側を2cm、右側1cm)にしてから再びすべてのページを1つのPDFとして出力、その後同じように「PDFsam」で1ページごとのPDFに分割し、出力されたPDFのうち、今回は奇数ページのファイルだけを削除する。

これで「奇数ページ用の余白設定(=右側の余白が大きい)の奇数ページPDF」「偶数ページ用の余白設定(=左側の余白が大きい)の偶数ページPDF」が確保できたことになる。
これらをひとつのフォルダにまとめてしまう。

これらを全て「PDFsam」で結合すれば、完成だ。

順番がおかしくなるので、1ページ目のPDFファイルを掴んでドロップすること。

結合して出来た完成品をPDFビューワーの見開きモードで見てみると、ちゃんと内側の余白が大きくなっていることを確認できる。
うん、満足!

こちらは完成版。本全体のレイアウトも大きく変わっており、扉絵が必ず左側に来るようにページ調整用のコラムが増えていたりする。早苗とにとりのページもさっきと違って左側に来ている。

最後に、各ページにページ数の番号(ノンブルって言うらしい)を追加する。
ノンブルを付与するのには「pdf_as」というフリーソフトが便利だった。

追加したノンブルが本文に被ってないか確認しよう

ページ数が書いてあると、ぐっと本らしくなる。
完成に向けてより本格的な作業を行ったことで、大きく前進できた実感が湧いてきたのであった。

8月末『イラスト、1枚もできていなかった』

順風満帆な原稿作業だったが、ここで気になってくるのがイラストの件だ。
この件に関しては様々な事情から多くを語りたくないので結論だけ言おう。
依頼したイラストは8月27日の時点で1枚も仕上がっていなかったので、とりあえず依頼のことは忘れてくださって結構です、とお伝えした。

自分も依頼の件は忘れて、ここで3つの選択肢があった。

ひとつ目は仮置きだった幻想人形演舞の素材を正式に使い、0円で頒布する。
おそらく何も無かったらこれを選んでいただろう。
数万くらい自腹を切っても全然構わないと言えば構わなかった。
ただ、金銭的なこと以上に「自分の」同人誌から遠ざかってしまうことは、できれば避けたかった。

ふたつ目は自分で描く。
絵なんて描いたことはロクにない。
それでも、いくら笑われようがやり切ってやるというモチベーション自体はあった。
でも、時間が無い。
せめてもう少しはやく、真実を知りたかった。
間に合いそうになかったら早めに教えて欲しいって、それだけ守ってくれれば大丈夫って、俺は、何度も、伝えたんだ……。

みっつ目は他の誰かに依頼することだ。
「すみません、たぶんあと猶予1ヵ月もないんですが今から俺だけのことを考えて18キャラくらい描いてくれませんか?w」
俺が絵師だったらブロックする。これは無い。

これは無い、はずだった。

8月末『絶望の淵に舞い降りし救世主その名はYasai』

窮地を察したとある絵師のフォロワーが「自分が描きましょうか」と連絡をくださったのだ。

かの者の名はYasaiさん(X URL:https://x.com/Yax13 アカウントにはR-18要素を含みます)。
ありがたさに咽び泣きながらお願いし、快く引き受けてくださった。
その際に具体的な今後必要になるやり取りなどを含めて詳細に話し合わせて頂いたのだが、これもyasaiさん主導だった。
この人はすごく理詰めというか、行動理念や自分の立ち回り方がとてもハッキリしている印象だったんだけど、今回の件で感謝と同時にそのことをより一層強く感じるようになった。

また、Yasaiさんの他にも心配して声をかけてくださった絵師兼ゲーム製作者の方がいらっしゃって、本当に自分は恵まれた立場にいることを痛感させられた。
感謝の念が絶えないとはこういう心境のことなのかと思うばかりであった。

9月上旬『ここにきて約20ページの加筆へ』

もう、自分が作れる中で最高の同人誌にしたい。できることはすべてやりたい。
yasaiさんや、誤字脱字、誤情報のチェックを引き受けてくださったフォロワーの支援を受けて、モチベーションはここにきて最高潮に達していた。

とりあえず、今まで追加するかどうか悩んでいたページは全て追加することにした。

この時点では、本書『原作巡礼記』はほぼSTG作品についてしか触れていなかった。
だが冒頭で触れた通り、東方の原作はSTGだけではない
漫画もあれば、格闘ゲームもある。アクションゲームだってある。
「原作巡礼記」を謳う以上、これらを語らないのはダメではないかとずっと悩んでいた。
それに、STG作品についても外伝的作品(いわゆる小数点作品)に関しては大きく触れていなかったが、これもちゃんと1作1作、丁寧に感想を書き足したかった。

本全体のレイアウトを見直した。
既存のページの順番も変わり、先ほどちょろっと書いたけど各作品の扉絵のページが必ず左に来るようにしていたので調整のためのコラムページも増えた。
想定される必要な加筆は約20ページ。
文章は問題ない。いくらでも書ける。書きたいことならいくらでもある。
スペースが足りないくらいだ。

問題はイラストだった。

9月中旬『窮地にて覚醒する神絵師その名は俺』

ページを大幅に増やした都合、イラストも更に多くのものが必要になった。
特に漫画・小説作品についても詳しく取り扱うことにした影響が大きい

当初は可能ならこれらの作品の表紙の写真を添付しようかと思っていたのだが、当然ながら写真はゲーム内スクリーンショットではない
出版社も絡んでくる以上、東方Projectの二次創作ガイドラインをそのまま適用するのもたぶんダメだろう。

そこでガイドラインとは別に様々な類例や法律、意見を調べてみたのだが、セーフになるかどうかは相当に怪しかった。
著作権法32条(引用)によると「作品を評論する上で必要な引用なら法律上問題ない」みたいな話らしく、確かに自分も漫画やアニメネタを取り扱ってるYoutubeチャンネルがこれを提示しているのを見たことがある。
しかし、自分がやろうとしていることは「表紙の引用は本当に評論に必要なのか」という点で、どうも危なすぎる橋になるらしい。

東方Projectの懐の深さによりここまで完全クリーンでやってこられている以上、最後までこのままのスタンスで行きたかった。
しかし、画像無しでただ淡々と書籍作品について述べていくのではあまりにも華がない
かと言って、既に他の誰かにイラストを依頼できるような時期ではない。

選択肢はひとつだった。
枯れ木も山の賑わいという言葉を信じて、自分でイラストを描いてみることを決意した
猛スピードでイラストを仕上げて下さっているyasaiさんに報いるためにも!

いくぞおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお


死んだほうがいいのかもしれない……。

泣きながらずっと頑張ってたらとりあえず「これが誰なのかは分かってもらえるレベル」にはなった。
マイクロソフトペイントが俺の想いに答えてくれたのかもしれない。
せんきゅービル。

なんだこの女、髪どうなってんだ……宇宙か?

髪がどうなってるかとかそういうことを言える次元に達しているとでも思っていたのか?

まあええやろ……。

ここでクイズ!この2人は誰でしょうか?

正解は森近霖之助とチャーリーブラウンでした!

まあ、でも、なんだかんだでこうして描いてると

腕組みを描くのに冗談抜きで8時間かかった

まあ、自分なりに、結構楽しかった。

この本を手に取ってくれる人からしたらイラストが途中でこうなるのは詐欺通り越して罠みたいな感じになってしまったかもしれないけど、何も描かないよりは、描いてずっと良かったと思った

あと漫画作品は原作で描写がいっぱいある分、ポーズとか参考にしやすくてそこは強いなって思った。
トレスとかは一切してないというかやり方が分からないというか多分マイクロソフトペイントじゃそもそも出来ないけど、手元に置いた本と見比べながら描いたり、描いてみたいポーズの描き方講座のサイトとかガン見しながら描いたりはした。
ChatGPTに「こんなポーズの女の子を書いてみて」と頼んで出力されたものを参考にしたりもした。
これが倫理的にいいやり方なのかは分からないけど、それでもすごく大変だった。
なぜ存在しているのか分からない線の一本の有無だけで、ぜんぜん印象が変わることなんて、しょっちゅうで。
省略していい要素はどこか、絶対に描かなければならないのはどこか…どこがどう作用しているのか、すべて手探りだった。

普段からイラスト描いてる人たちってマジで凄いんだなって思った。
服の皺ひとつに至るまで、すべて技術なんだなって思った。
絵に釣られて文章まで小学生みたいになってるなって思った。

まあこんな感じで色んなトラブルや紆余曲折を経て、最終的に作りたいものを100%の形で仕上げることができた
最終的なページ数は116P。
全ての出会いと切っ掛けに深く感謝である。

色々あって、色々ふえた

そうこうしているうちに、すぐそこまで近づいていた10月20日、秋例大祭の足音。
いよいよ向き合わなければならない工程を意識せざるを得ない段階に入っていた。

印刷会社への申し込み、入稿だ。

④【印刷会社への申し込み】

『お世話になったのは「ねこのしっぽ」』

自分が依頼した印刷会社は「ねこのしっぽ」さん。
理由は価格表の場所が分かりやすかったからです。

あと価格的にもだいぶ安い…気がするが他のサイトと詳しく比較できなかったのでそこは不明。
マジで他のサイトだと価格表に辿り着けなかった。

ねこのしっぽは例大祭(秋例大祭)を優遇イベントとしていて、早めに入稿(PDFとかPNGの形式で必要なファイルをアップロードすること)すると2割引きになるし、出来上がった同人誌は直接イベント会場(今回なら東京ビッグサイト)の自分のスペースの場所まで直接運んでくれる

優遇イベントだとなにかを優遇してくれるらしい
早めに入稿すれば2割引き。2割はでかくないか

ただし、早期入稿割引の期限が公開されるのはイメージより結構遅かった。
10月20日がイベント当日で、「10月2日までに入稿すれば2割引きだよ!」という上記のスケジュール表が公開されたのが9月上旬~中旬くらいだったかな。

ちょっと慌てつつ早割期限ギリギリまで加筆や修正を行い、9月末にアップロード。
これで晴れて入稿完了!お疲れさまでした!
と思いきや、ここからまた一波乱だった。

『実際に入稿(アップロード)! 表紙編』

「ねこのしっぽ」では表紙と本文をそれぞれ別にアップロードする。

表紙については、自分は「表紙と背表紙(側面のタイトルが書いてあるところ)と裏表紙が繋がって1枚になっているPDFファイル」をアップロードした。

うん?こんな変な形でアップロードするの?
って思われるかもしれないけど、実際こういう形式でいいらしい。

ファイル名は入稿例に従い「Hyousi4_SeHyousi_Hyousi1.pdf」とした。
裏表紙のことを表紙4と言うらしい。
なお、この「Hyousi4_SeHyousi_Hyousi1.pdf」「1ページを高さ21.6cm、幅31.07cm」にし、その1ページ内に収まるようにデザインした。

高さ21.6cmは、A5の縦の長さ21.0cmに、上下の0.3cmのタチキリを加算した数値。これは本文と変わらない。
幅31.07cmは、まずA5の横の長さが14.8cm、これが表紙と裏表紙で2枚分あるので×2して29.60cm。
ここでタチキリ分をどう計算するかだが、ここはこの1枚全体で見て左右それぞれ0.3cm分あればいいと考え、0.6cmの加算とした。これで30.20cm。
(実際、「216mm 302mm」で計算するとA5の原稿の表紙はこのサイズにしてくださいと言った旨が書かれている印刷所のサイトが出てくる)

最後に表紙と裏表紙の間に挟まる背表紙、上記画像で言うところのタイトル縦書きの部分だが、もちろんここの幅は本の厚みによって変わってくる
ねこのしっぽ内に背幅計算フォームがあるのでこれで調べる。

上質紙ってなんだろう?と思いながら適当に計算して出てきた値を用いて表紙を作成。
これで使用できる用紙は上質紙135kgと上質紙110kgに固定された。非常に賢くない。

これで出てきた0.88cmを更に30.20cmに加算することで、合計横のサイズは31.08cmとなる。
あれ、なんか設定されてた値と0.01cm違うな……まあ誤差だよ。たぶん……。

『実際に入稿(アップロード)! 本文編』

本文のほうは「114ページを含むPDFファイル1つ」をそのままアップロードした(114個のPDFファイルをアップロードしたわけではない)。
ファイル名は「Hyousi2_Honbun001_Honbun112_Hyousi3.pdf」。
Hyousi2は表紙の裏面のこと、hyousi3は裏表紙の裏面のことで、何も書かない(書けない)白紙のページのこと。
Honbun001_Honbun112の部分は本文112ページ分のことを指したつもりだった。
PDFのファイルとしては1ページ目にHyousi2、その後112ページ分の本文、ラスト114ページ目にHyousi3があり、本文の内容を空白のページでサンドイッチするような形になっている。
ファイル名は、この構成を示したつもりだった。
これらと表紙と合わせて116ページとなる

こういった書き方でねこのしっぽさんに伝わるのかちょっと不安だったが、これらのファイル名に関しては特に問題はなかったようだ

ご指摘を受けたのは、同人誌の作りの部分についてだった。

『入稿後、ねこのしっぽさんから受けたご指摘』

メールの内容を晒すのは行儀が悪いが、ねこのしっぽさんにして頂いたことを一切の誤解なく伝えたかった。

なんと、1ピクセルの線が含まれているといった発見するのも難しそうな問題点を、具体的なページ数まで添えて教えてくれたのだ。
また、キャラクターが何故か透けているなど、チェックされた方が怪しいと思った箇所も知らせてくれる。
つまり、メチャクチャ丁寧に実際に読んでチェックしている……!
依頼された全部の同人誌でこれをやってるとするなら、何人体勢なんだ…!?

この丁寧なチェックが印刷所さんのデフォルトなのかどうかは分からない。
ただ、Pixiv Factoryを利用した際は「印刷所の名前がねこのしっぽになってるから直してください」とあまりにも失礼極まりない最低な大ミスについてご指摘を受けただけだったし、そもそも印刷所さん側に、印刷の行程に支障が生じない範囲でのミスを指摘する責任は無いのではないだろうか。

恐れ多く、そしてそれ以上にありがたく思いながら再アップロードしたところ、後日、今度はお電話が直接かかってきた。
再アップしてもなお修正し忘れている箇所があるとのことで、本当に申し訳なく思った。

そしてこのお電話の中で、衝撃的な事実を教えて頂いた。
どうも、自分が同人誌作成に使用したツール、Libre office Calcで出力したPDFは、そのままだと印刷できないらしい(正確には文字化けの恐れがある)。

PDFファイルには使用されているフォントが中に組み込まれている。
しかしLibre office calcではPDFを出力する際、このフォントの組み込み方が「ビルトイン」という形式?えんこーでぃんぐ?になっており、よく分からないがこれでは文字化けしてしまうということらしかった。
ではビルトイン以外のえんこーでぃんぐでPDFを出力するにはどうしたらいいのかと尋ねてみると、他のツールを経由するか、PNG形式にしてしまうといいですよとのことだった。
おそらくこの件の相談がお電話をしてくださった理由なのだろう。
確かに口頭でなければこの問題は解決できなかったと思う。

頭を抱えながら色々な方法を試みたが、結局はPDFファイルをPNG形式に変換してアップロードし直すことにした
…のだが、その方法も中々見つからない。
「PDFに含まれている全ページを劣化無しでPNGに変換くん」なんてツールはこの世のどこにもなかった。

最終的にはGIMPというフリーツールを使用した。
まずGIMPをインストールし、次にこちらのページに従って「Export Layers」というプラグインをGIMPにインストール。

続いてGIMPを起動。

このメイン画面に、作成した本文PDF「Hyousi2_Honbun001_Honbun112_Hyousi3.pdf」をドロップする。
するとこんな画面が表示されるので、「ページの展開方法」は「レイヤー」のままに、「解像度」はデフォルトで300になっているところを「350」に上げる

ここで解像度を350にし忘れたことで、ねこのしっぽさんから更にもう1度「解像度300だと画質低くなりますぜ」とご指摘を頂いている。本当にお手数をおかけいたしました……

これで本文PDFに含まれていた114枚のページがレイヤーとして読み込まれる
レイヤーが具体的に何かは謎。
続けてウィンドウ左上の[ファイル]から「Export Layers…」を選択する。
無かったらプラグインの導入に失敗している。

こんな感じでOKで良さそう……?

成功すれば、レイヤーとして読み込んだ114枚のページが全て高画質のPNGとして出力される

ただ、これでは名前がよろしくない。
ここまでそうしてきたように、ねこのしっぽでは分かりやすいファイル名で入稿する決まりがある。
しかし1個1個手直しするのも手間。
ここでオススメなのが「fRename」というフリーツール。
世界一簡単にファイル名を弄りつつ連番を付けられる。

桁数の関係でデフォルトの名前順ソートだと順番がおかしくなってしまうので、作成日時順でソートすると良い。

こんな感じになる。
1.pngと114.pngは最初と最後の空白ページ、つまりhyousi2とhyousi3なのでそのように名前を変える。
終わったらこれらをまとめてねこのしっぽの本文の欄にアップロード!
結局114個のファイルをアップロードにすることになってしまった……。
上げる側としては一括で上げられるので負担ではないけど、ねこのしっぽさんは大変だったかもしれない。
こういう形でアップロードする人少なそうだしなあ……。

という訳で、これでついに入稿完了のお知らせを頂いた
本当に最初から最後までお世話になりました。
ねこのしっぽ様、本当にありがとうございました……!

……と、綺麗に終わろうかとも思ったのだけど。

『発注する部数はどうするか』

最後にお金に関する話もしておこう。
すなわち発注部数についてだ。
結論から入ると、部数は50とした。

本の値段がワンコイン(500円)なのは最初から決めていた。
自分のプランでは50部の発注にかかる金額が約30000円なので、これが早期割引で2割引になれば25000円。
50部捌ければちょうどトントンであることに気付き、なんとなくそのまま発注。

語呂合わせに近い直感で決めたこの50という数、有識者によると「ヤバい」とのことで、内心、非常に焦る。
赤字になるのは全然構わないが、秋例大祭が終わってから48冊くらいカバンに詰め込んで電車に乗る自分の姿を想像したら、正直泣きそうになった。
流石にこの状況になって、買ってくれた2人の人に感謝!となれるほど自分のメンタルは強くない。

だからこそ、今からでもできることは全てやろうと決心した。

⑤【秋例大祭直前に準備したもの】

原稿の作業はすべて終え、具体的に秋例大祭に向けて色々と準備をした。
その中で多くの方からアドバイスを頂きながら、自分が用意したものを紹介していこう。

あくまで自分が用意したものであって、必ずしも正解ではないし、ましてや正解がすべて揃っているわけでもないのはご了承ください。

①布
テーブルにかけてなんとなくオシャレに見えるようにするもの。
↓の写真は当日の様子。

片づける時に軽く引っ張ったら何故かビリビリに千切れた。たぶんこれ布じゃない。

場所によっては防炎仕様じゃないとダメってなってる場合もあるらしい。
秋例大祭の会場であるビッグサイトについては「防炎対象物品以外の展示会装飾品についても、努めて防炎性能を有するものを使用していただきます。」らしい。
防炎仕様じゃなければセリアに普通に十分な大きさのものがある。
サイズは適当に切って調整するなり、折りたたむなり。

②名札
少なくともネット上の知り合いと接する可能性があるなら超重要アイテム
相手からすると、これがぶら下がってる相手には非常に話しかけやすい。
セリアで購入可能。

こんなのでも無いより1000倍マシ!

詳しくは後述するけど首からぶら下げるタイプだといつの間にか裏面が前に来てたりするから、気にするならピンで服に止めるやつとかのほうがいいのかも?
どうなんだろ?

中に入れる名札本体は、セブンイレブンのネットプリントで「フォト用紙L」で印刷したものを使った。これであの写真でよく使われる固めで綺麗な紙質の紙で印刷される。
パソコンで画像を作る→スマホに画像を送る→スマホでセブンのネットプリントアプリを落としてそこからアップロード→セブンで印刷
という流れ。簡単だよ。

ただ、いまいち縮尺というか実際に印刷されるとどのくらいのサイズになるのか分からなかったので最初はかなり悲惨だった。

スカスカ頭の暗喩のような光景

でも1枚40円で印刷できるので、何度も試せばいいと思う。

ちゃんと解説サイトに書いてある通りにすればたぶん1発で成功するからこうはならないぞ!

③お金の受け渡しの時に使う皿

少しくぼんだ平たいお皿みたいなの。
御時勢とかとは関係なく、お金を受け取る時に軽くすっと差し出すことで、金銭の受け渡しがスムーズになる。
セリア。

④お釣りとか入れる箱
コインケース。セリア。

これはコインケースではない気がするけどまあお金入ればなんでもいいだろ多分…

ちなみに自分は1冊500円だからお釣りは対1000円札用の500円玉だけ用意しておけばOKなのは楽だった。
500の倍数の値段だとこういうアドあるんだなと思った。
万札出されたら詰み。

⑤本とか立てるやつ
イーゼルって言うらしい。

後ろの三角形のやつ
こんな感じで簡単に本を立てて飾れる

専門的な道具だからちゃんとしたの通販で買わないといけないのかな~って思ってたけどセリアに普通にあった。なんでもあるなセリア。

⑥ポスター
フリー素材サイトを漁りながらマイクロソフトペイントで頑張って作る!
どのようなポスターを作ってどのような役割を持たせるのかは人それぞれだと思うけど、とりあえず作ったほうがいいとは思った。

サイズはA3にした。いつものA4を横に2枚並べたサイズなので大きい。印刷はやはりセブンイレブンのネットプリントで、1枚100円。

イベント当日、通りがかる時にまず咄嗟に目に入るポスターをじっと読もうとしてくれる人が多くて、それはつまり興味を持ってくれたということなので、精神的にも「(さっきのイーゼルの画像のやつを指しながら)サンプルもありますので良かったらドゾ~」ってすごい声かけやすかった。

自分にとってはポスターとはそういう目を引く役割かなと思ったので、説明するための文章は最小限の、ただの画像置き場みたいなデザインにした。
このあたりの感覚は今までゲーム感想記事とか書き続けて培ってきた経験が活きてる気がした(画像は興味が無かった人に興味を持たせる力があり、文章は興味を持ってくれた人が読む、という認識がある)。

すべてはYasaiさんのイラストの可愛さがあってこそなのは忘れてはならない。

⑦ポスタースタンド
ポスターを飾るやつ。
こういうのが欲しかった。

これは卓上用。地面に置いて使う超巨大ポスタースタンドもあるので必要ならそちらも。

ただ残念ながらこれだけはセリアに無かったので、代わりにイーゼルを2つ買って、そのうちの1つをバラバラにして組み立ててオリジナルポスタースタンドを作った

攻城兵器っぽい
予算200円で城を堕とせ

バリスタ式ポスタースタンドは予想以上に使いやすく、駆動する主柱の部分を適度に倒すことでポスターに角度を付けられるのは利点だった。
ちなみに下側にテープで張り付けてある横棒はポスターの丸まってしまった部分を支えており、これがないとものすごく悲惨な光景になる
イベント当日に慌ててDIYして付け足した。

完全に意味不明な形となったものの、どうせポスターで隠れるので裏側からしか真実は見えない。
水面をたゆたう白鳥もこんな気持ちなのだろうか。
みんなはちゃんとしたポスタースタンドを買おう!!!

ポスター入れ
賞状とか入れる筒みたいなやつが欲しかったんだけどセリアには無かったから代わりにお料理コーナーのパスタ入れを買った。
想像以上に合理的な形状で、名前も酷似している事に強い必然性を感じる。
ガラスではなくプラスチックなので安心。

透明で中が見えるのも良いかも。

難点として、どうしてもポスターが丸まってクセがついてしまう
そこからさっきの話に繋がるんだけど、これ他の人はどうしてるんだろ?
実は隠れて見えなかっただけでみんなバリスタ式使ってる?

⑨養生テープ
建築中の現場とかでも大活躍するすぐ剥がせる軽めのガムテみたいなやつ。

もちろんセリア

会場のテーブルに被せた布を止める時とかに使う。
俺のは布じゃなかったっぽいが……。
こういう場面で普通のガムテとか使っちゃうと、粘着力が強力すぎてテーブルに跡が残ってしまう。
他にも色々気軽に止めたりと、養生テープはなにかと便利。

⑩両面テープ
裏も表も接着可能なテープ。これもセリアブル。

テーブルの上(の布の上)に何かを固定しておきたい時とかに使う。
あとサイズが小さくて接着力が強いのでバリスタの作成の時に重宝した。
イベント当日に思いついた使い方として、首からぶら下げた名札がくるくる回って裏になったり表になったりで面倒だったので、裏面に両面テープ張りまくって服に張り付けた。
総じて場所替えの杖くらいの存在感があるので持っておいて損はない。

⑪なんかかっこいいメモ札
付箋よりもビシっと決めたいな~って時に使いたかった。セリア。

なんでもいいと思うけどこれは10枚入りで1枚1枚が結構硬いやつ
イーゼルのお供などに
後先考えずに生きてきた人生の縮図のような文字

⑫メモ帳と筆記用具
使わないってこたないでしょたぶん……。
イベント当日は残りの部数をメモったり、取り置き希望の人のリストを確認するのに使ったり。

⑬戦友
自分にとってとても大切なキャラクター……をモチーフにした……何か。

イベント当日は瓶底を両面テープでがっちり固定してテーブルの上で一緒に店番してた。

正直、結構心強かった。

ちなみに準備とは少し違うが、こんなものも利用させて頂いた。

ここで申請しておくと、秋例大祭のイベント当日、会場の巨大モニターで自分のサークルが宣伝されるらしかった。
告知用の画像を作って、さっそく申請。
できることはぜんぶやっておきたかった。

⑥【秋例大祭、当日】

自分が住んでいる場所は例大祭が行われる東京ビッグサイトからはちょっとだけ遠い。電車で3~4時間くらい。
なので今回に限らず前日のうちに東京に行って、例大祭当日までネカフェで過ごしている。
東京にはお気に入りのネカフェがあり、ここは駅から歩いて2分、しかもこの駅から10分くらいで東京ビッグサイトがある国際展示場駅に行けてとても便利(でも東京だと普通なのかな?)。
今回もお世話になり、翌日のイメージトレーニングをしながらソフトクリームを貪った。

そして夜は明け10月20日、第11回秋例大祭当日。

予定通り東京ビッグサイトに到着し、まずはサークル参加者として入場。
例大祭のスタッフさんたちはこのあたりのノウハウが凄くてとても誘導がスムーズ。いつもと立場が違う身として、今回は更にそのことを実感できた。

そうして辿り着いた会場。
自分のテーブルの上には、既にねこのしっぽさんからの荷物が!

ここで初めて完成版と対面!流石にテンション上がった……!

そして設営。
事前にイメージしていた通りに色々配置。

予想外に丸まりまくるポスターなどのトラブルがあったものの、準備時間は長めに用意されていたので余裕をもって設営できた。
この時間にいつもお世話になってる人が新刊の交換にきてくださって、自分の同人誌を手渡しながら、なんだかすごく遠い世界に来てしまった感覚がふつふつと湧いてきた。

そしてついに第11回秋例大祭が開始。
流れ込む一般参加者の方々。

あとはただひたすら、前を通り過ぎる人に軽く会釈したり、目が合ったら軽く挨拶したり、繰り返しになるけど興味持ってくれた人に良かったらサンプルどうでしょうかって声かけてみたりした。
なんとなくスマホとかは極力弄らないようにした。
意識したのはこれくらい……?
やたらめったらに挨拶する不審者みたいに思われてたかもしれない。
でも、存在を認識されないよりは良かったかな……。挨拶は大事だしな。
まあでもやらないほうがいいかも……わかんない……。

Twitterのフォロワーから、そうじゃない人まで、色んな人がきてくれた。
1冊1冊が売れるたびに泣きそうなくらい嬉しかった。
8歳くらい?の親子連れの女の子がサンプル丁寧に読んでこれ欲しいって言ってくれた時はマジで涙堪えるのに必死だった。
漢字、大丈夫だったかなあ…?

そして秋例大祭開始から2時間……

おかげ様でなんとか50部完売!

50という数字が多いのか少ないのかは分からない。
でも、ここに至るまで星の数ほどの切っ掛けと出会いがあって、その中のひとつでも欠けていたらきっとこうはならなかったと思う。

公式・非公式問わず東方Projectに関わる全ての方々や、イベント参加や製本についてアドバイスをくださった人たち、事前に本書の誤字、脱字、誤情報のチェックをしてくださったお二方、大きなトラブルに直面して絶望していた中でお声をかけてくださり、光の速さで神クォリティのSD絵を仕上げてくださったyasai様、そして当日、自分のスペースに立ち寄ってくれた方、購入してくれた方、その全てに感謝……!

⑦【終わりに】

今回の経験を一生忘れないと思います。
本当に、自分に関わってくれたすべての人に、ありがとう。

本書「東方原作巡礼記」はこちらで委託販売されております。
受注性のためお手元に届くまでお時間がかかるかと思いますが、もし興味があれば覗いてみて頂けると嬉しいです。
また、ねこのしっぽさんに依頼した時と使用している紙が異なるので、厚みなどが当記事の写真とは少し差があるかと思います
ご了承頂けると幸いです。
あとだいぶ高いんだけどサイトの仕様上、これより安く出来なかった……。

受注性だとどうしても高くなっちゃうのかな~……。


あと最後に、「東方はよく分からない」って人はこちらの記事を読んでみてください

冒頭でも張ったやつですが、ヤバいゲームです。ヤバすぎるゲームです。
この記事に掲載されている画像だけでもいいので見てください。
自分はこのゲームを「東方はよく分からない」という状態でプレイしたんですが、気が付いたらこうなってました。

マジで「東方知らない人向けの東方二次創作ゲーム」として色んな意味でヤバすぎる火力を持ってます
SRPGがメチャクチャ苦手で触れた瞬間爆発して死ぬって人でなければプレイしてください。
絶対に損はしません。
そして同人誌を書け(?)。
なお東方知っててももちろん死ぬほど面白いです。無敵かよ……。

また、同じくらい強い影響を受けた二次創作作品が他に2本ほどあり、合わせて紹介させて頂きます。

「とうほう夜雀食堂」
・Switch版

・PC版

②「ヨイヤミドリーマー」
・Switch版

・PC版

どの作品も原作をロクに知らない頃にプレイしましたが、本当に面白かったです。
この3本のうち、どれか1つとでも出会えていなかったら今の自分はなかったと思います。

それでは、ここまで読んで頂きありがとうございました!!

【補足】

当記事を投下してから約1日、予想の500倍多くの方に読んで頂けているようで、恐縮ながらも心から嬉しく思います。

色々なお言葉をかけて頂いておりますが、まず第一に、自分の場合は本当に多くの人に支えられたからこそ同人誌を完成させられて、イベントも無事に終えることができたということは、自分も含めて決して忘れてはならないと思います。
本当に凄いのは、先駆者たちも含め、自分がお世話になった人たちです。
Openoffice CalcやWindows付属のペイントソフトしか使えないことが、偉いことであるはずはないのです。

他の人はもっと沢山の苦労をしてきたはずですし、しているはずです。
だからもし貴方がこの記事を読んで称賛の念を抱いてくださったのであれば、その気持ちは自分以外のこの記事の登場人物の方々や、いま貴方の周りで創作活動を行っている方、そして20年以上続いている東方Projectを、これまでずっと盛り上げてくれていたファンや公式の人たち、そして何より原作者であるZUNさんに向けてあげてください。
自分はただ東方の原作や二次創作ゲームがすごく楽しかったから、なにかをしてみたかっただけです。

それでも「サークル参加する際の参考にします」というお言葉も頂いている以上、少々書き足したいことも出て参りました。
どれだけ力になれるかは分かりませんが、最後に2点ほど、自分が同人誌製作の過程で疑問を抱いた箇所について追記させて頂こうと思います。

『選んだプランについて』

ねこのしっぽさんの料金表のページを開くと、色んなプランが出てくる。

なんか、いっぱいあって、よく分からない……。
とりあえず自分が選んだのは一番上の「本文オンデマンド1色刷の本」というプラン。

で、こういう条件。
このプランは利点は、たぶん、安いこと。
あとこの条件なら最低限、自分が作ったものと似たようなものにはなる
後ろに動画を載せておくので良かったら参考にしてみて欲しい。

そもそもこのページで書かれてるオフセットだのオンデマンドだのなんだよって話だけど、知らん…
なんかオフセットになると急にアホみたいに高くなるみたいだけど、オンデマンドってやつも普通にめっちゃ綺麗だから、少なくとも文字メインだとこっちで全然問題なさそう。っていうか、問題なかった。
まあちゃんと調べたほうがいいよ!

『表紙や本文の用紙について』

ねこのしっぽでの入稿時には、表紙や本文の用紙の種類を選ぶ必要がある。

??????????????????????????????????????????

(選択してください)じゃないんだが……。

当然知ってるよな?みたいに列挙されても困るんだけど……。
サンプルとかへのリンクも無いし、自分で調べる感じ……?
ってか、調べてもなんかよくわかんないし……。
なに、プラチナスノーって。スペカ?
なんでここだけこんな突き放してくるの……?

ええと、とりあえず自分が選んだのは以下の通り。
表紙用紙:上質紙135kg(+0円)
本文用紙:上質紙110kg(+1300円)

上質紙ってやつを選んだ理由のひとつは、なんとなくこれが一番普通のやつっぽかったから。

わざわざ追加料金を出してまで本文用紙を上質紙90kgではなく上質紙110kgにしたのは、こっちのほうが紙が厚いらしいから(と言うよりは、さっきの背幅計算ツールで背表紙の幅を調べる際に一番厚みが大きくなる上質紙110kgを選んでそれに合わせて表紙を作った以上、この場面で選べるのも自動的に上質紙110kgだけだった、みたいな流れ)。
なんで厚くしたかったのかと言うと、まあ、厚いほうが持った時楽しくなりそうじゃない?

動画にして伝わるようなものでもないかもしれないけど、一応こんな感じ。

これが、「A5サイズ」「116ページ」「表紙フルカラー」「本文オンデマンド1色刷」「無線綴じ」「表紙用紙:上質紙135kg」「本文用紙:上質紙110kg」の本
漠然としたイメージだけでも伝われば嬉しい。
まあ要するに、この無料or安い上質紙ってやつでも全然ちゃんとしてるというか、ペラペラのA4プリンタ用紙みたいな感触の表紙になったりはしない。
ちゃんと他の同人誌とかと変わんない持ち応え?だった。

という訳で上質紙ってやつでも全然不満はなかったけど、他のやつとか選んでたらかっこよくなってたのかな?でも怖くて選べないよ。

プラン(オフセットとオンデマンドの違い)についてもそうだけど、このへんはなんというか気にするなら最初にちゃんと調べておいたほうがいいと思う。
正直よくわかんない。

んじゃあ、もしこれ見て頑張ろうって思った人がいるなら、頑張れー!

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