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『Balatro』『Ballionaire』『Ring of Pain』感想
なんとなくローグライト作品やりたい期が続いたこの頃にプレイした3作品の感想をまとめて書いていきます。
『Balatro』
フォロワー全員が綴りを間違っているゲームこと『Baratlo』。
たぶん2024年を代表するインディーゲームのうちの1本だと思う。
インディーゲームってのが何なのかは最近もうよく分からないけど。
たぶんインディーゲームだろう。たぶん。
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一言で言えばポーカーっぽい何か。
ローグライト特有の上振れた時のぶっ壊れを前提としたようなスコアの跳ね上がり方をしていき、一定以上のスコアに到達すればステージクリア。
要求されるスコアが徐々に高まる中で、これを最後まで繰り返すゲームとなっている。
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間違いなく楽しいゲームで、実際比較的シンプルなゲームなのに55時間もプレイしてやりこみ要素も終わらせてしまった。
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ただ、本作の恐ろしいところはその中毒性にあると思う。
今日はもう満足だな、というかもうこのゲーム自体もういいかな、そう思った次の瞬間にまた起動している。
1つ1つのステージが、1回1回のプレイが凄まじく快適であるのに加え、運要素の強さとプレイヤーに与えられた選択の余地がかなりギリギリなバランスで「あと1回やってみようかな」を促してくる。
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トランプを使ったゲームでデッキ圧縮をするな。
正直、心から絶賛するほど楽しめたという訳ではない。不満点も多い。
個人的にその1つとして挙げたいのは手持ちのアイテムの効果によりスコアが複雑怪奇な計算の果てに導き出されるゲームなのに、ポーカーの役を提出するその瞬間までスコアが不明という点。
結果として要求されるスコアに届いていません、あなたの負けですさようならが頻発する。
確率発動のアイテムもあるので実装が難しかった、あるいは意図されたゲーム性の一環だとしても、この負け方をするときは中々に理不尽感があった。
また、この手のゲームらしく1回クリアするごとに難易度が1つ上のゲームモードが順番に解禁されていくのだが、ただひたすらプレイヤーに課せられた枷が増えていくだけとなっており、お約束や定番を通り越してもはや呪いと言ってもいい気がする。
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同様に、欲しくもないアイテムがどんどんアンロックされてプールが汚染されていくのも同様にこの手のゲームで毎回気になってしまう。
特に本作ではアイテム同士のシナジーというかコンボ性が高いゲームなので、余計にカスみたいなアイテムをアンロックする弊害が大きいように感じる。
アイテムをアンロックすること自体がメリットとなっていて、どんどんアンロックしていきたくなるような仕組み(数に応じて新たなゲームモードが解禁される、シナリオが進む、アンロック数に応じて明確に強いアイテムが解禁される、そもそもアンロックできるアイテムが全体的に明らかに強いなど)があればゲームプレイ良い目標にもなるとずっと思っているけど、そんなに数は多くない気がする。
オンオフできるのもあんまり好きじゃないかも。
アンロックした要素全部活かして楽しむだけじゃなくて苦しんだりもしたいが、ゲームを進める上でそれを行う理由が欲しい、みたいな。わがまま?
…ちょっと話題が逸れたものの、『Balatro』はこのゲームそのものが空前絶後の楽しさを持つゲームではないとは思う。
なのに、なんか、やってしまう。
「中毒性」という言葉がこれほど相応しいゲームもない。
ギャンブルの怖さの一端を垣間見るような、そんな希有な体験ができたゲームだった。
強くオススメする訳ではないものの、話題になるのも納得の良作であることに疑いの余地はないと思う。
『Ballionaire』
つい先日リリースされたローグライト作品。
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一言で言えばパチンコっぽい何か。
またかよ!
ボードのあちこちにアイテムを設置し、ピンボールのように上から落としたボールがアイテムに当たるとスコアが加算されたり、ボールが分裂したりする。
手に入るアイテム同士のシナジーが重要なあたりは、かなり実直にローグライトしている。
こちらもステージごとに要求されたスコアを越え続けることでゲームクリアとなっている。
Ballionaire、ワールドフリッパー勢向けのゲームか……? pic.twitter.com/TPEQqysM1H
— JAKE (@guiltyjake) December 13, 2024
その独特なゲーム性から他作品で得た経験値が通用しにくいゲームで、本作特有のコツを見つける必要がある。
それが楽しくもあり、苦しくもありと言ったところ。
攻略法を見つけられれば楽しいが、そうでなければ非常に苦しいゲームになりそうな気がした。
このゲームのやり始めの時期は最低難易度すら中々突破できず、かと言ってなにをどうすれば状況が改善されるのか分からなかった。
手あたり次第に使わないアイテムを試してみては撃沈、を繰り返していた時期は中々にしんどかった。
成長の仕方が分かりにくいという点で、実は結構硬派というか手厳しい作品のようにも思えた。
一方でとあるギミックを見つけてからは、その後その発想に工夫を加えることなく一瞬で最高難易度クリアまで到達してしまった。
Ballionaire、結局最高難易度クリアまでやってしまった。
— JAKE (@guiltyjake) December 14, 2024
ほうきアンカー屋の罠システムがあまりにも強すぎた。
値段的にはかなり満足 pic.twitter.com/gF4rLxrMKy
う~ん、極端。
というわけで9時間かからずクリアして満足。
間違いなく楽しい作品であったが、見た目に反して割と人は選ぶかもしれない。
『Ring of Pain』
面白かった!
この記事の3作品の中では一番好き。
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ローグライトであり、ローグライクでもある。
割と乱暴に言わせてもらえば、マップが円環状になっている不思議のダンジョンゲーとでも言うべきか。
1ライン性バトルのローグライト作品は稀に見るが、輪の形になっているものは本作しか知らない。
ビジュアル的にもシステム的にも「Ring」がゲームコンセプトとして一貫して活かされており、構造的な美しさがあるのはとても良かった。
序盤は大人しく、後半はもうメチャクチャというメリハリが効いたゲームバランスは次のプレイへの意欲を搔き立てる。
アイテムの総数も多い。
周回を前提とするローグライトととしても秀逸な作品だと思う。
数少ない不満点としては、そんなアイテムの総数に対してボスが少ないこと。
システム的には一生遊べそうなのに、プレイする導線がちょっともの足りないように感じた。
とは言え、それでも15時間遊べれば満足。
セールの時は70%OFFくらいになるので、気軽かつ熱中して遊べるローグライト作品をやりたい気分の時はかなりオススメしたい。
ちなみにホラーチックな見た目だがストアページのサムネが一番怖い。
あと、ゲーム中でこいつが登場するシーンもちょっと怖い。
あとはモンスターがちょっと気持ち悪いかな、程度なのでよほど怖い雰囲気が苦手でなければ大丈夫だと思う。