私の推しは、制服が似合う高校生。
あらすじ
片山みやこ(27歳)は都内の下着メーカー勤務。153cmで愛らしい容姿だが、性格は勝気で、同期から恐れられている。
毎朝7:30に私鉄沿線の駅の6両目に乗車し、小柄なみやこは連結部前の比較的空いたスペースを定位置にしている。
そこには山田健太郎(高校三年)の姿が。
山田は他校の生徒に騒がれるほどの容姿の持ち主だが、常に無関心。
2人が同車両の同スペースに乗り合わせてから3年、会釈をする程度だったが、その朝、電車が緊急停止した際に体勢を崩したみやこが倒れそうになり、山田が抱きかかえたため、二人は図らずも密着することに。
混雑し乗客がざわめく停止車両の中で、身動きの取れない二人の体と心はかつてないほど接近していく。
2話(全3話)
〇電車内・朝
みやこ「高校生に、こんな、すみません!」
みやこが謝ったタイミングで、隣駅にようやく電車が到着する。
ほとんどの乗客がそのターミナル駅で降車するため、車内の人口が一気に減る。
ようやく身動きが取れる状態になった車両で、みやこがまず屈みこんで板に挟まった靴をなんとか外す。が、しゃがんだ際に強調されるヒップラインが、高校生の山田には刺激が強い。
山田(わ、刺激がまた・・・)
山田、勃起を治めたい一心で、元素記号を高速で脳内再生して気を逸らす。
そして靴を履いて直立したみやこが山田に向かって言う。
みやこ「・・・降りたら、私、交番に行きます」
山田「はっ?!」
みやこ「私、あなたに痴漢しました。ごめんなさい」
山田に深々と頭を下げて謝罪するみやこ。
ずっと頭を下げたまま、みやこは顔を上げない。
みやこ(朝、同じ車両に乗るのが、好きだった。この子は、いつもただ普通に会釈してくれた。そんな、なんでもない時間が好きだった。のに、私が汚してしまった)
〇回想・毎朝の通勤風景
連結車両部分の手前でそれぞれ左右に立っているみやこと山田。
〇電車内・朝
唇の端を噛んで、情けなさでいっぱいの表情を浮かべるみやこ。
山田が焦ってみやこに声を上げる。
山田「ちょ、ちょ、待ってください! なら俺も行きます、交番!」
みやこがその発言を聞いて驚いて顔を上げる。
みやこ「え?」
山田「だって俺もお尻触ったんだから、同罪です!」
同罪を必死で主張する山田に戸惑うみやこ。
みやこ「いや、あれは不可抗力だし。こんなことで未成年の未来を奪うなんてことは」
そう言いながら、車両から降りるみやこ。
2人とも、このターミナル駅を利用している。
〇ターミナル駅のホーム・朝
慌ててみやこの後を追いながら声をかける山田。
山田「・・・俺だって! お詫びされたいわけじゃ!」
と、必死でみやこの警察行きを阻止しようとする山田。
そこへ、みやこのスマホが着信し、しつこく振動する。
画面には『ナミ 製品開発部』の表示。
みやこ、一瞬ためらってから、山田に会釈で詫びると「はい」と電話に出る。
ナミの声『電車、遅延だって? 会議、間に合う?』
みやこ「あ! 急ぐ! ごめん!」
電話を切ると、山田に振り返り、バッグから自分の名刺を取り出すみやこ。
名刺には社名と住所、部署名とみやこのフルネームである『片山みやこ』と書いてある。
みやこに両手で差し出された名刺を、ぎこちなく受け取る山田。
みやこ「私、片山といいます。今朝、どうしても遅れられない会議がありますが、終わったら必ず警察に出向くので、」
そこまで言って息を吸い、山田の目を見つめるみやこ。
みやこ「私のさっきの不適切な行為を、そこでちゃんと伝えて、改めてあなたにお詫びします。そして、あなたの学校か、ご家族にも謝罪に伺います」
そう言うみやこの表情は真剣そのもの。
その真剣さに呑まれ、言葉に詰まる山田。
再び、山田に深々と頭を下げるみやこ。
みやこ「必ず、お詫びに伺います。本当に、すみませんでした・・・」
みやこ、そこから急ぎ足で改札へと駆けだす。
声をかけようとするも、みやこに掛ける言葉が見つからず、やるせない表情で弓道ケースをホームに下ろし、立ち尽くす山田。
みやこの後ろ姿を視線で追いながら、名刺を大事そうに握りしめる山田。
〇オフィスの廊下・みやこの勤務先
会議室から出てくるみやこ。その表情は暗い。
その肩に後ろから話しかける同僚のナミ。
ナミ「なんか暗くない、今日?」
振り返るみやこ。
みやこ「・・・、うん、ちょっと」
ナミ「元気ないとこ悪いけど、さっきの会議で出た修正案、今日中に欲しくて。できそう?」
みやこが資料を見返しながら、立ち止まる。
〇回想
駅のホームで山田に詫びているみやこ。
みやこ「終わったら必ず警察に出向くので 」
〇オフィスの廊下・みやこの勤務先
みやこ、大きく頭を左右に振ってからナミに応える。
みやこ「やる」
ナミ「ありがとう~! すごい助かる!」
ナミに微笑むと、自席に向かって歩き出すみやこ。
みやこ(未成年に体押し付けたら、何罪? そして親御さんになんてお詫びしたら・・・?)
今朝の一件の反省と後悔が頭をめぐり、みやこの心は仕事にまったく集中できない。
と、一旦立ち止まり、目を閉じて深呼吸するみやこ。
みやこ、閉じていた眼を見開き、覚悟を決める。
みやこ(自分のやったこと、誠心誠意詫びるしかない)
再び歩き出すと、みやこはまずトイレに向かう。
みやこ(とりあえず、下着を替えよう・・・!)
〇オフィスの廊下フロア・みやこのデスク
自席に戻って資料の修正を猛然と始める。
その様子を遠くから眺めているナミ。
普段と様子が違うみやこを気遣う。
ナミ(Tバックショーツの試作品、イマイチだった・・・?)
〇オフィスエントランス・みやこの勤務先・夜
疲れ切った表情でエレベーターから降りてくるみやこ。
身分証をバッグにしまいながら、エントランスの自動ドアに近づく。
と、ビルの前の花壇脇のベンチに弓道着姿の山田が座っている。
通りを歩く女性たちが「学生?」「え、袴?」「かっこよくない?」と小声で話している。
と、顔を上げた山田がみやこの姿に気付く。
今朝の醜態を思い出し、一瞬フリーズするみやこ。
が、次の瞬間、走って山田に駆け寄る。
みやこ「すみません! 今日仕事が終わるの遅くて! でも逃げないんで安心してください。これから交番に行きます。そのあとご自宅までご一緒してお詫びに・・・」
山田、懸命に話しかけるみやこを慌てて制する。
山田「あの! ま、待ってください! 今朝のこと、」
みやこ、山田の言葉を待つ。
みやこ「はい?」
山田、俯きながら話し始める。
山田「あ、そちらが会社出る時間が分からなくて、名刺の住所に部活からそのまま来たんで・・・、こんな格好ですみません!」
会社の前で待っていたことを詫びる山田は、申し訳なさでいっぱいの表情をしている。
みやこ「いや、それは全然構いません! もしかして、ずっと待ってましたか? ごめんなさい、まず急いで警察に・・・」
急いで最寄りの交番に向かおうとするみやこの腕を、思わず掴んで止める山田。
が、無許可でみやこに触れたことに自分で気づき、パッと手を放し小声で詫びる。
山田の表情は、どう話を切り出したらよいかの逡巡でうろたえてる。
山田「交番じゃなくて、あの・・・」
みやこ「はい」
お詫びに満ちた真剣な面持ちで、山田を見上げるみやこ。
みやこを見つめ、まず名を名乗り始める山田。
山田「俺、△△高校の山田って言います。」
みやこ「はい」
みやこ(知ってる。鞄に名字書いてあるし)
山田「それで、あの・・・」
みやき「はい?」
深呼吸をして、山田が体を直角に折り曲げながら言う。
山田「・・・ずっと、好きでした!!」
突然の告白に硬直するみやこ。
山田は体を折り曲げたままなので、表情は見えない。
みやこ「ーえ?」
と、体を起こした山田が慌てて訂正する。
山田「や、違う! でした、じゃなくて、好きです!」
みやこ(えー-------ーっ??!!)
みやこ、呆然と立ち尽くす。
からかわれているのかと、疑いの眼差しで山田を見つめるが、山田の表情は真剣そのもので、ふざけている様子はない。
みやこ「いや、でも」
山田「山田健太郎、って言います。先週、18歳になりました。なので、もう未成年じゃありません! それに俺はあなたのことが好きなので、警察に行く必要も、学校に謝罪に行く必要もありません!」
山田が真っ赤になって告白しているのを、行き交う人たちがじろじろと見ている。
みやこ(~~?!)
ただただ、うろたえるみやこ。
山田、外野の視線をまったく意に介さず、みやこをまっすぐと見つめて告白を続ける。
山田「最初は・・・中学の時、俺も身長同じぐらいだったから、通勤ラッシュがキツいだろうなって、それであの場所に呼んだだけだったんですけど、毎日会うようになって、ずっと気になってて」
黙って真剣に聞くみやこ。
山田「でもこんな年下だし、彼氏と電車も乗ってたし、俺の出る幕ないと思って、ずっと言わないままで終わろうと思ってたんですけど・・・」
〇回想・電車内
男性と電車に乗りこんで来たみやこを目で追う山田。
〇オフィルビル前の歩道・夜
山田が一瞬息を飲んで、再び顔を赤くして謝る。
山田「でも、今日、お姉さん・・・、じゃない、片山さんが転びそうで、最初はただ助けたいって思ったのに」
その後を言いづらそうにうつむく山田。
〇回想・電車内・朝
不可抗力の密着状態で勃起している事をみやこに気づかれて、必死で腰を引こうとしている山田。
〇オフィルビル前の歩道・夜
山田「逆にむしろ・・・俺が痴漢してますよね? だから、警察行くならむしろ俺の方です! 」
俯きつつ、一気に言い終わると再び申し訳なさそうな表情でみやこを見つめる山田。
みやこ、いたたまれない顔で山田に言う。
みやこ「そんな、ことないです。お詫びするのは、私の方で・・・」
終わらないお詫びの応酬に、徐々に外野が足を止め始める。
と、そこに退勤したナミが偶然通りがかる。
ナミ(ん? みやこ? と、学生?!)
ナミの目が点になっている。
お互いが通行人の好奇の目に晒されていることに気付き、みやこが耐えかねて山田を誘導して駅へ向かう道へと一緒に歩き始める。
その背中に、そっと親指を立てて見送るナミ。
ナミ(あした聞く。絶対)
〇駅近くの歩道・夜
歩きながら、互いを見つめる二人。
みやこ(『好き』って、さっき言った? 幻聴?)
山田(やっぱだめだ、恥ずかしすぎる)
みやこ「あの、私こそ、今朝は本当にすみませんでした」
山田「それはもう、お互いさまで勘弁してください。思い出すと、本当に消えたくなるんで」
みやこ「でも! 私、・・・胸押し付けちゃったし」
言いながら恥ずかしさで両手で顔を覆うみやこ。
と、みやこ、はっと我に返り、告白にうかれる自分を諫めるように、真剣な表情で山田に言う。
みやこ「あと私、・・・童顔ですが、27歳なんです」
ぴた、と山田が立ち止まる。
その顔は明らかに「嘘だろ」という戸惑いの表情。
みやこ(やっぱり3、4歳上ぐらいだと思ってたよね・・・)
みやこ「9歳も、上なんです。」
みやこ、言いづらそうに切り出すと、早口で続ける。
みやこ「年が近いと思ってたかも、ですが・・・その、年齢差がかなりあるんで、勘違いだった、で忘れてくださって大丈夫なんで」
年齢差を強調して、山田の恋心を大人的にやんわり諫めようと、みやこが営業スマイルで山田を見つめると、絶句した表情で山田がみやこを凝視してる。
みやこ(9歳上って、そりゃ引くよね・・・。)
自分でツッコミながらも、みやこの胸はチクリと痛む。
山田「・・・9歳?」
呆然と立ち尽くす山田を見つめながら、みやこが想像してみる。
それは、9歳差のみやこと山田が抱き合う姿。
〇妄想・屋内のベッド
スーツ姿のみやこが、制服姿の山田をベッドに押し倒している。めくれ上がったスカートから、尻があらわになっていて、今朝穿いていたタイプのTバックショーツが見える。
それを見た山田が息を飲む。
みやこ、山田の熱っぽい視線に気づくと、たくらみ顔で笑って耳元で話しかける。
みやこ「脱がせていいよ、でも手は使ったら駄目」
山田が頷き、焦がれるようにベッドサイドに跪くと、片足を立てたみやこのTバックショーツの細い紐に甘く噛みつき、それを歯と舌で慎重に下にずらしていく。
股に密着した山田の口から漏れるため息が肌にかかるたびに、びくんと大きく反応するみやこ。
山田「・・・、脱げたから、もういい?」
みやこの目を見つめて懇願する山田。
うるんだ眼差しで頷くみやこ。
みやこを支えながらベッドに寝かせる山田。
その腕には脱がせたソングが絡みついている。そのまま、みやこの秘所に舌を差し込む山田。
粘着質な音が響く。その音に恥ずかしがるみやこ。
だが、羞恥心に反比例して秘所の蜜はあふれていく。
山田「ん、おいし」
山田の舌が、すべてを絡め取る勢いで動く。
みやこ「や、それ、」
恥じるみやこを凝視しながら、山田が秘所に指を添えてゆっくりとクリトリスを剥いていく。
みやこ「!」
強すぎる刺激に、みやこの体がのけぞる。
みやこが声を堪えようと、手で口を押さえる。
山田、いじわるそうに笑って言う。
山田「声、まだ我慢する?」
みやこ、自分の手の甲を噛みながら涙目で山田を見つめる。
山田「手、噛むと赤くなるよ」
山田がそう言うと、みやこの手を取り、赤くなった甲の部分に口づけする。と同時に、みやこの秘所の奥まで突然、深く挿入する。
みやこ「待っ、て!」
腰を大きく震わせてのち、すぐにみやこの動きが止まる。だが腿の内側だけは、ふるふると痙攣している。
山田、ソングのクロッチ部分を口にくわえて味わう。
山田「こんなすごい下着履いてるのは知らなかったけど、いまイったのは分かった」
奥を突きながら、みやこの頭をやさしくなでる山田。
みやこ、悔しそうに顔を横に向ける。
山田「ごめん、違ってた? じゃあイったって言うまで、するね」
再び山田の腰の動きが早くなる。
みやこ「ダメ! いま動かしたら・・・!」
山田「動かしたら?」
みやこ「~~~!」
みやこ、悔しさと切なさの入り混じった顔で山田を見つめる。
山田が得意げに、みやこの両足を折りたたむと、みやこのさらに奥の部分へと侵入してくる。
山田「これなら、当たる?」
みやこ「や、これ! 深い」
反抗するみやこの唇を山田が唇でふさぐと、切なそうにため息を漏らす。
山田「俺も、も、ダメかも」
眉間にしわを寄せる山田の顔には汗が浮かんでいる。
みやこ「まだ、やだ、イってない」
山田「じゃあ2回しよ」
山田がみやこの胸を両手で包みながら、腰の動きを一層早める。
みやこ「待って・・・ 、も、イく」
山田「俺も」
動きがガクンと止まり、脱力する二人。
山田の体が、裸のみやこを隠すように覆いかかる。
〇駅近くの歩道・夜
みやこ(やっぱり、ダメ! これ、犯罪!)
自分の不埒な妄想を恥じつつ、変えようのない年齢差を前に、「付き合う」という希望的選択肢を捨て去るみやこ。
と、直立不動だった山田が口を開く。
山田「・・・ですか?」
みやこ「え?」
山田、悔しそうにみやこを見据える。
山田「何歳差なら、いいんですか?」
みやこ、意外な山田の質問に戸惑う。
みやこ「いや、何歳ならっていうんじゃなくて」
みやこが具体的な年齢差を口に出せない様子を見て、山田が続ける。
山田「今日、その、・・・体の一部が反応してしまったことは、すみませんでした! でも」
夜の街に立つ紺の道着姿の山田は、背筋が伸びていて佇まいが美しい。
山田「3年間、ずっと片思いしてて、やっと初めて今日名前知って、告白して、それで・・・!」
みやこ、山田の真剣さにたじろぐ。
山田「『性格が合わない』とかなら諦めもつくと思うんですけど、今日初めてこうして話せて」
そう話す山田の目が赤くなっていることにみやこが気付く。
山田「・・・年齢だけでアウト宣告は、すみません、辛いです」
言い終えた山田が、悔しそうに俯く。
〇回想・電車内・朝
満員電車の中で小柄なみやこが、もみくちゃになっている。目が合って思わず手招きする中学生の山田。
〇回想・電車内・朝
高身長な男性と電車に乗り込むみやこ。ぱっと見て、とっさに視線を逸らす山田。
〇回想・山田の通う高校・昼
学校で友人に「今日〇〇女子高と合コン行かねぇ? 山田連れてきてって頼まれてて」と誘われるも、「行かない」と不機嫌に即答する山田。
〇回想・電車内・朝
真剣な顔でマーケティングの本を読んでいるみやこを、参考書越しに羨望の眼差しで見つめる山田。
〇回想・電車内・朝
今朝の電車で体勢を崩したみやこを思わず支える山田。
みやこ「す、すみませんっ!」
〇駅近くの歩道・夜
山田のあまりにも真剣なまなざしに、撃たれるみやこ。
年上女性に密着されて高校生がその気になったような、安易な気持ちではないことにようやく気付く。
みやこ「ごめんなさい。年齢差だけで山田さんが引くなんて勝手な決めつけ、確かに私が失礼でした」
山田「いや! こっちこそ、・・・気持ち悪いですよね。3年も片思いしてるとか言われたら」
自嘲気味に笑って目を逸らす山田。
その表情を見て、余計に胸が締め付けられるみやこ。
〇回想・電車内・朝
山田に寄りかかってしまい、詫びるみやこに笑いをこらえて返事をする山田。
山田「焦ってるお姉さん、なんか普段と違って、可愛くて」
〇駅近くの歩道・夜
山田、俯いて続ける。
「あの、自分、電車の時間変えるんで、片山さんは今まで通り、乗ってくださ・・・」
みやこ、深呼吸をして立ち止まる。
みやこ「私も! ・・・朝、同じ電車に乗りたくて、毎朝がんばって起きてました」
山田「・・・え?」
みやこ「その・・・、いま、お付き合いはできないけど、卒業するまで、待ってもいいですか? 」
山田「へ?」
みやこがふざけているのかが分からず、その顔をまじまじと見つめる山田。
しかし、みやこの表情はいたって真剣。
みやこ「なので、まずは今日ご家族に遅くなったお詫びを」
山田「いや、いいっす、それは! ていうか・・・」
みやこ「はい?」
山田「ーこれ、夢ですか?」
みやこ、山田の発言の愛らしさに思わず微笑む。
みやこ「今朝は、夢だったらいいのに、って思いました。けど、いまは夢じゃなきゃいいな、って思ってます」
照れながらそう話すみやこの顔を食い入るように見つめる山田。
次の瞬間、山田の目から涙がこぼれる。
みやこ「ど、どうしました?!」
山田、両手で顔を覆って、地面にしゃがみこむ。
山田「明日から、もう一生会えないって覚悟してたから・・・」
そのひたむきさが、再びみやこの胸を撃つ。
みやこ「・・・!」
みやこ、しゃがんでいる山田に思わずハグをする。
山田(え?!)
みやこ「会えます! 明日も」
山田、目を閉じて感に堪えない表情で頷く。
山田「はい・・・!」