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剱岳長次郎谷

剱岳に数あるバリエーションの中で最初に登って欲しいクラシックルート。映画「剱岳 点の記」の舞台となったルートとしても有名。

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八ッ峰主稜と源次郎尾根に挟まれた素晴らしいロケーション。長い雪渓を登り切ったら北方稜線を辿って山頂へ。その合理的で弱点を付いたラインは岩と雪を存分に味わえる剱岳の魅力が詰まったルートと言えよう。

八ッ峰やチンネなどのアプローチとなる谷でもあるが、山頂までのルートとしても様々なエッセンスが詰まっている。長い雪渓登り、残雪状況を見ながらクラックやシュルントを回避したり、岩へ高巻きしたり、ガレ場を登ったり、登山時期によってかなり状況に変化がある。

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一般に販売されている登山地図には破線ルートとして長次郎谷と平蔵谷が登山道の如く記載されているが、決して登山道とは考えられないと断言できる。初めて踏み込む登山者には、踏み跡が無ければ、どこをどう登って良いのは解らないはずだ。本来の地形、残雪の薄い箇所と厚い箇所、大きな滝の位置などを把握して、残雪の谷に入るべきであり、経験者か剱岳に慣れたガイドとの同行をお勧めしたい。

通常の行程は、室堂から剱御前小屋を越えて、剱沢を下り、平蔵谷出合を過ぎて、長次郎谷出合から登る事になる。

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写真は剱沢を下降中。尖った八ツ峰マイナーピークが高くなると平蔵谷が近い。

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