
ピーター・ドイグ展 東京国立近代美術館 2/26〜10/11
一度はあきらめたピータードイグ展に行けてとてもうれしい!
連休は混むと読んで早めに行ってきた。
日曜の午後だけどそんなに混んでなくてラッキー。
ピータードイグを初めて見たのは数年前にここでやってた「現代美術のハードコアがなんちゃらかんちゃら」という企画展だった。
そのときもとても心に残ったが、今回も同じようにとてもよかった。
展示は大まかに初期と現在に分かれている。
初期と現在では結構違う。
気分や環境、年齢もあるし、何十年も同じ画風で生きて行くのは至難の業なんだろう。
<天の川>
天の川なんてロマンチックな題名がついているが、水面は微動だにせず、風もなく、孤独で隔絶された場所のように感じられ、天の川とのギャップがすごい。
<ブロッター>
現代アートと古典絵画が狂気と冷静がミックスされたような斬新な作品。
初期は結構な確率で水面に反射されたものが描かれており、作者や登場人物の心情が反映されているのだろう。
この作品も氷の上にいる男性の心情が表面に現れているようだった。
<カヌー=湖>
この作品で生まれて初めてピータードイグを知った。
サッと見ると色見やカヌーにいる人がおどろおどろしく見えるが、川の流れの絶妙なボケ感に虜になり、スッと引かれたカヌーに清々しさを覚える、なんとも奇妙な気持ちになる。
下方に配置された黒の塊がまた何とも言えなく、作品を引き締めている気がする。いろいろ気になる作品。
<オーリン Mk IV Part 2>
空が気持ちいい。すべてがぼけていて、夢のようなさわやかな作品で好きだった。空には細かな白が吹き付けられていて宇宙すら感じさせる。
こんなに本当に空を見上げるように、絵の空を見上げたことはないかも。
<ガストホーフ・ツァ・ムルデンタールシュペレ>
解説を読んでみると、この絵の凄さがより一層わかる。
手前の厚塗り
上方のうす塗り
道の湾曲
入江の入口
ぼかしによるスクリーン効果
立体感と遠近感、計算されつくした技法が超奥行きをつくっている。
PCの画像ではわからない、現物の良さがとてもわかる。
ずっと見ていたくなる、包まれた世界観を味わえるだろう。
作品はすべて大きく、見応えがある。
初期の作品が好きだったので初期しか紹介してないが、人によって違うのでぜひご確認を。
すごく充実した一日だった。
ひさしぶりに図録買った。