パーソナルでマリッジブルーを克服し、真の美しさに目覚めた女性(後編) パーソナル クライアント ファイル③
はじめに
今回のnoteは前回の続きです。
前回のnote、まだの方はぜひお読みください。
前回では自分の容姿に急にコンプレックスを抱き始めた、結婚式を控えた「ハルカさん」がまだ始めるべきでない「カロリー減少」をしながら、呼吸による体幹のアクティベーションでウエストが細くなり少し心境の変化が起こるきっかけになったところまで書きました。
そこから話を進めます。
ぜひ最後までお読みください。
心境に変化が・・・
ハルカさんは結婚が決まってから急にご自分の容姿に自信が持てなくなり、美容整形も考えるようになっていました。
ただ実際にハルカさんの不安やコンプレックスの根本原因は「容姿」そのものではないのではないか?
そんな風に僕は推察していました。
ですから何かきっかけがあれば心境に変化が現れると考えたのです。
僕自信がそのきっかけを見失わないよう、セッションの時にはハルカさんに表情、一挙手一投足に注目していました。
その中でまず最初のきっかけになったのはブレーシングと言う呼吸と体幹のアクティベーションを連動させるエクササイズ。
四つん這いで背骨を「屈曲・伸展」「側屈」「回旋」の方向に動かす3種類のエクササイズとブレーシングを同時に行います。
これを毎日繰り返すと呼吸筋である腹横筋とそれを覆う腹筋群を含む胴部の筋肉が中央に向かって収縮する感覚が強まります。
その感覚が日常的に姿勢を保つことにつながれば、その胴部全体の筋緊張により常にお腹を凹ませる状態になり、当然ウエストは細くなるわけです。
ただハルカさんは肩こり・首こりにも悩んでいたのですが、それは普段のお仕事中の座り姿勢の悪さから来ていたので、この体幹のアクティベーションと共に、椅子とデスクの関係などについてもアドバイスをしました。
エクササイズによる筋緊張の感覚と、日常的な姿勢の変化。
さらに良い姿勢を保てるような環境の改善。
これらの複合効果により、肩こり・首こりも明らかに少なくなりました。
ハルカさんは自分が感じていた不快感や痛みについて、具体的な原因を知り、それに一つ一つ対処する方法を理解して実行すれば、改善できることを実感し、さらにそれによってカロリーを極端に減らさなくてもウエストが細くなったことで、容姿にのみ囚われていた意識が変化するのを感じていました。
それは「根拠のない自信」を持つことではなく、知識と行動の積み重ねが本当の自己効力感に繋がることそのものでした。
自己効力感と容姿へのコンプレックス
その後の数回のパーソナルセッションで、エクササイズを通して自分の体の感覚が敏感になり、コントロールして自在に動くことができるようになっていったハルカさん。
しかも動けるようになることで、日常でも姿勢や動きが改善されたのを実感し、通勤で歩くことや、日常動作も楽になり、活発に動くようになったようです。
しかも緩んで働かなくなっていた筋肉への感覚が高まったことで容姿も変化することを実感していました。
それによってセッション中もただ痩せること、見た目がキレイになることだけではなく、「動けること」「自分の体を支えられること」「自分の心と体の状態を知り、受け入れること」にフォーカスするようになりました。
ですから僕も指導において、毎回「スモールステップ」で小さなチャレンジを加え、「できないことができるようになる」面白さを取り入れるように心がけました。
最初のセッションの2ヶ月後、どんどん表情や言動も変化してきたことを感じ取り、何気ない会話からハルカさんの今の心境について聞いたところ、「話したかった!」とばかりに過去から現在までのエピソードと現在の心境について話してくれました。
ハルカさんの心境とは?
もともと仕事もできて自らの力でキャリアを積み重ねてきたハルカさん。
その中で結婚が決まり、幸せなのと同時に、自分で努力することで成果を上げることができた仕事とは違う、相手からの「愛情」に自分の未来を委ねることの漠然とした不安から、それが「容姿へのコンプレックス」と言う形で現出したわけです。
そのために単に「痩せたい」「きれいになりたい」とQuestでのパーソナルを希望されたわけです。
それが実際にパーソナルを経験すると「痩せる」「きれいになる」ために重要なのは「カロリーを減らせば良い」わけでも、「糖質制限すれば良い」わけでも、「プロテインを飲めば良い」わけでもなく、「バーベルを担いでスクワットすれば良い」わけでもないことに気づいたのです。
重要なのは自分の心と体の状態を明確に知ること。
それを受け入れ、寄り添い、認め、仲良くすること。
そうすればするほど、思うがままに体を動かせるようになり、
トレーニングが楽しくなってきた。
そして気づくとどんどん体も変わってきたし、そんな自分が好きになっていった。
そんな心境の変化を嬉しそうに語ってくれました。
ハルカさんはトレーニングを通して自分の体と初めて向き合いました。
さまざまなエクササイズを学ぶ中で、少しづつ自由に動けるようになり、心と体がつながっていることを実感しました。
それはハルカさんにとってまるで「マインドフルネス瞑想」のような作業だったのです。
彼女はあるがままの自分の深層に触れ、自分自身をコントロールしている実感を得ることで外見への囚われから解放されていきました。
そして内心考えていた「美容整形しようか?」という思いも当然無くなっていったのですが・・・
婚約者からの言葉で・・・
そんな心境の変化をハルカさんは婚約者の男性に話したそうです。
「実はなんだかわからない呪縛がかかっちゃって」と。
「でもエクササイズに夢中になっているうちに自信が持てて楽しくなって」
「体重はそれほど変わらないけど、見た目もサイズも変わってきたし」
彼はそれを嬉しそうに聞いてくれていたそうです。
その流れでハルカさんは
「実はもう少し二重をくっきりしたいとか思っちゃって」と
笑い話のように美容整形までしようとした話を彼にしたのです。
すると彼はそれを聞いて本当に悲しそうな顔になり
「僕が大好きになったハルカは今のこのハルカなのに」と
「もう2度とそんな風に思っちゃだけだ」と
真剣に怒られたそうです。
「その彼からの言葉で完全に目が覚めました」
「今考えたらそんなことで愛情が得られるわけないのに、なんでこだわってたんだろ?と思う」
「でもやっぱりきれいにウエディングドレスは着たいからトレーニングは頑張ります!」
このお話とハルカさんの晴れやかな表情で、僕もホッと胸を撫で下ろしました。
最高の花嫁姿
その後、約3ヶ月後に結婚式を挙げたハルカさん。
その時のウエディングドレス姿の画像を何枚も送ってくださいました。
そこには引き締まり、美しい姿勢でドレスを着こなす笑顔のハルカさんと婚約者の方の姿が・・・
トレーナーとしてこんなに嬉しいことはありません。
そんなハルカさんはご結婚直後にご主人の転勤先にお引越しをされ、Questは卒業。
今では転勤先にある僕の知り合いのパーソナルジムに通ってくださっています。
最後に
人にはさまざまな価値観があり、事情があります。
ですから僕も美容整形そのものやそれを受けている方を否定するつもりは全くありません。
ただ自分に自信を持つ方法、そして自分の本当の思いがどこにあるかを理解する方法は一つではないと言うことをお伝えしたかったのです。
大切なのは「本当の自分と向き合うこと」
今、毎日が慌ただしく過ぎていき、深く考える時間がなく、答えが求められる時代だからこそ、時には立ち止まり、目を閉じ、深呼吸をして「本当の自分と向き合う」
そんな時間を持ってほしい。