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トレーナーズ コアエッセンシャルVol.1 【エネルギーシステムに基づいたトレーニング設計 】
はじめに
今回から不定期ですが新しいシリーズを始めます。
題して「トレーナーズ コアエッセンシャル」
まず最初になぜこのタイトルにしたのか?
そしてなぜこのシリーズを始めようと思ったのか?をお話しします。
「コアエッセンシャル(Core Essentials)」とは、「本質的に欠かせない要素」を意味します。
このシリーズでは、トレーナーにとって「知っていて当たり前」だけれど、意外と抜け落ちがちな重要な基礎知識を整理し、本当に必要なものだけを厳選して伝えます。
トレーナーとして活動していると、つい最新のトレンドや新しい技術に目が行きがちです。
しかし、どれだけ知識を増やしても、基礎が揺らいでいると説得力のある指導はできません。
クライアントの信頼を得るためには、「トレーナーとして最低限押さえておくべき本質」を、しっかり理解し、説明できることが重要 です。
このシリーズは、「わかっているつもり」になっている部分を見直し、トレーナーとしての指導の質を高めるための学び直し を目的としています。
初心者だけでなく、経験者にとっても価値のある内容を届けるために、「トレーナーズ・コアエッセンシャル」 という名前を選びました。
このシリーズではトレーナーのみなさんから「これが知りたい!」「勉強したけれど、ここがあやふやなので再確認したい!」と言ったテーマについて募集しています。
ぜひコメントでリクエストをください!
そこでその初回では
「エネルギーシステムに基づいたトレーニング設計」と題して運動生理学の視点から見る無酸素・有酸素トレーニングのバランスについて書きます。
人間の身体は、運動の強度・持続時間に応じて 3つの主要なエネルギーシステム を使い分けています。
トレーニングプログラムを設計する際には、これらのエネルギー供給システムを理解し、目的に応じて適切な負荷を与える ことが重要です。
こういう基礎的なことがしっかり理解できていると新しいトレンドに振り回されることなく、本当に効果のあるトレーニング指導の実践につながるものです。
ぜひ最後までお読みください!
1. エネルギーシステムの分類
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2. エネルギーシステムごとのトレーニングプロトコル
2.1 ATP-CP系(ホスファゲン系)のトレーニングプロトコル
目的:最大出力を発揮するための瞬発力・スピード・パワー向上
主なエクササイズ:
100%のスプリント(10秒以内)
ウエイトリフティング(1〜5RM)
プライオメトリクストレーニング(ボックスジャンプ、メディシンボールスロー)
最大加速の短時間ドリル(10m〜30mダッシュ)
プロトコル:
セット数:3〜6セット
持続時間:5〜10秒
回復時間:完全回復(2〜5分)
頻度:週2〜3回
補足:
回復時間が短すぎるとATP-CPの再合成が不十分になり、解糖系に依存してしまうため、十分なレストを確保することが重要。
2.2 解糖系(乳酸系)のトレーニングプロトコル
目的:短時間で高強度のエネルギーを発揮し、持続させる能力を向上
主なエクササイズ:
HIIT(高強度インターバルトレーニング)(例:20秒全力→40秒休憩 × 6セット)
中〜高レップのウェイトトレーニング(8〜15RM、レスト30〜60秒)
400mスプリント(最大努力で60〜90秒以内)
キックボクシングやMMAの連続コンビネーション(30秒〜1分の高強度打撃)
プロトコル:
セット数:4〜8セット
持続時間:20秒〜90秒
回復時間:部分回復(30秒〜2分)
頻度:週2〜4回
補足:
持続時間が短すぎるとATP-CP系に依存し、長すぎると有酸素系に移行するため、エネルギー供給のバランスを意識して設計する。
2.3 有酸素系(酸化系)のトレーニングプロトコル
目的:持久力向上、脂肪燃焼、回復促進
主なエクササイズ:
ロングスローディスタンストレーニング(LSD)(心拍数60〜70%で30〜90分)
テンポランニング(心拍数80〜85%で20〜40分)
ミドルインターバル(心拍数85%超で3〜5分 → 休憩1〜3分 × 4セット)
ミックスモード(ロウイング・バイク・スイミング)
プロトコル:
セット数:持続運動 or 3〜6セット(インターバル)
持続時間:20分〜2時間
回復時間:低〜中強度のため、短時間回復可能(30秒〜1分)
頻度:週3〜5回
補足:
低強度のLSDは回復促進 にも有効。有酸素能力が高いほど解糖系でのエネルギー供給の効率も向上するため、スプリント系アスリートも一定量の有酸素トレーニングを取り入れることが有効。
3. 無酸素・有酸素トレーニングのバランス
目的に応じてエネルギーシステムを最適に活用することが重要です。
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4. 筋トレと有酸素運動の効果的な組み合わせ
エネルギーシステムを考慮しながら、筋トレと有酸素運動を組み合わせることで、効率的なプログラムを作成できます。
プログラム例
筋力・パワー重視(ATP-CP系)
筋トレ(高重量・低回数)
充分なレスト
週1〜2回の短時間スプリント
筋持久力・無酸素系強化(解糖系)
HIITトレーニング
ウェイトトレーニング(8〜15RM、短めのレスト)
400mインターバル
持久力向上(有酸素系)
LSD(60〜90分)
有酸素インターバル
低強度筋トレ(サーキット形式)
5. まとめ
🔹 エネルギーシステムを理解することで、適切なトレーニング設計が可能。
🔹 目的に応じて、ATP-CP系・解糖系・有酸素系のバランスを調整。
🔹 筋トレと有酸素運動を適切に組み合わせることで、パフォーマンスを最大化。
トレーニングの目的に応じて、最適なエネルギー供給システムを活用し、実践的なプログラムを構築 しましょう!
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