「スキル獲得の脳科学的アプローチ」⑩ 冷静に反復する


はじめに

「スキルの獲得」と言う目標を達成するためにはスポーツにおける技術習得に代表されるように「反復練習」は非常に重要。
でもどんなことでも「形骸化」と言う言葉があるように「反復練習」が重要だから何でも「1000回やると決めたらやる!」になってしまうと「目的」と「手段」がごっちゃになってただ時間とエネルギーを無駄に消費することにもなりかねません。

そうならないためにも大切なのは「冷静な反復」です。
今回は「冷静な反復」とは何でどうすれば良いのか?について書きます。

前頭前野を司令塔に

この「スキル獲得の脳科学的アプローチ」シリーズの記事ではこれまで「前頭前野」と「言語化」は2大キーワードでした。
この「冷静な反復」でもこの2大キーワードは健在です。

まずは前頭前野という人だからこそ発達している高次脳をフル回転させましょう。

「冷静な反復」のための前頭前野の働き

冷静な反復とは、前頭前野が適切な戦略を立て、計画的に反復練習を行うことを意味します。
感情的な要因に左右されず、効果的な学習をサポートするのが前頭前野の役割です。
冷静な反復を実践することで、スキルの獲得のクオリティとスピードは格段に向上します。

1.計画と組織

反復練習をする前にはその「練習計画」が必要です。
前頭前野は、反復練習のセッションを計画し、そこでやるべきこと=「タスク」を順序立てて構成するのに役立ちます。
どの部分を重点的に練習すべきか、どのようなスケジュールで練習を行うべきかを考えるのに前頭前野の能力が必要です。

2.エラーの修正

反復練習中にはエラーが発生することがあります。
前頭前野は、エラーを検出し、その原因を分析し、次の試行で修正を試みるのに役立ちます。

3.集中力の維持

反復練習は繰り返しの作業であり、集中力を維持することが難しいことがあります。
前頭前野は、注意力をコントロールし、目標に向かって集中するのに役立ちます。

4.自己モニタリング

前頭前野は、自己評価とモニタリングを行うのに重要です。
進捗状況を評価し、どのように改善できるかを考えるのに前頭前野の働きが必要です。

全ては「言語化」から

上記の4つの前頭前野の働きを読めば、その1.2.4.はすべて「言語化」しない限り難しいことがわかるはずです。

前頭前野は高次脳として「現実からかけ離れた妄想や空想」を担う部分でもあります。
だからこそその前頭前野を「妄想や空想」がさまようことなく、司令塔として最高の働きをさせるためには、その前頭前野に「具体的な言語化」というツールを持たせることが重要です。

どんな風に反復をするのか?

「冷静な反復」で重要なのは「セルフ フィードバック」です。
つまり1回1回自分で「今の1回の反復」について検証し反省し改善点を見出し、それを次の1回に活かすような反復をします。

それには膨大な時間がかかるかもしれませんが、1000回闇雲に反復するなら100回の「冷静な反復」の方がスキルの獲得には遥かに効果が高いことはこれを読んでいる方にはもうわかっていただけ得るのではないでしょうか?

では100回の方が1000回より正解??

高次脳を駆使して、膨大なエネルギーと時間を費やす「冷静な反復」
きっと脳も体も疲労するでしょう。
だから100回の「冷静な反復」が1000回の「闇雲な反復」の方が良いですよ、という結論にしたいところですが・・・

ただあなたがそのもし「一流のスキル」を身につけたいなら・・・
もしくは「超一流のスキル」を持った人に対抗しなければならないなら。

やはり100回の「冷静な反復」より1000回の「冷静な反復」こそが正解です。

朗報があります

1000回の「冷静な反復」ができるようになれば、誰でももっと簡単に楽に「高度なスキル」を身につけられるようになる。
それは「脳科学的」に考えれば当たり前のことなのですが。

次回、やればやるほど簡単になる「スキルの獲得」について書きます。

ぜひ僕のnoteをフォローして続きをお読みください。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?