火の消えた恋
来ない電話を待っているほど長い時間はない
今夜もやはり、彼の車のエンジン音はしないし、電話もならない
つらく、とても苦しい
でも決して、さみしいとは言いたくない
それはあまりにむなしすぎる…わたしの気持ちがかわいそう
彼は今、なにをしているのだろう
彼は今、なにを考え、誰を想い、どこにいるのか
わたしと一緒でないことだけは確か…
別に悲劇のヒロインになりたいわけじゃない
でも、彼がまだ、わたしを想っていると信じたい
叶わないと知っていても…
煙草に火をつける…むせる…
煙草をテーブルに立て、燃える様子をじっと見る
蛇玉みたい…
髪を切ってみた…紙に包んで庭に埋めた
恋の終わりを弔うように
涙は出ない
現実として受け入れていないから
最後に彼に会った夜、彼はわたしを嘘つきだといった
いい加減な女だと罵った
素直な女でいたかった、かわいい女になりたかった
素直になろうとすればするほど自分がみじめになった
かわいい女になれない自分はたくさん嘘をまとった
嫌われたくなかった、だから取り繕うことをした
愛されたかった、だから強がった
やめられなくなった、そしていやな女になった、結果嫌われた
好きな人に、見栄を張ることはなかった
好きな人に、カッコつけなくてもよかった
好きな人に、好きと言えばよかった
男の人って女より過敏で繊細なのね
でも女は、態度じゃなく言葉で示してほしい時がある
女は単純だけど、簡単じゃない
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いつもお読みいただきありがとうございます
とにかく今は、やり遂げることを目標にしています
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