見出し画像

おもいでの味

わたしがまだ自分でオムレツが作れなかった学生の頃、好んで通ったオムレツ屋さんがありました。オムレツ屋さんですから、menuはオムレツしかありませんでしたが、それでも通ったのはとっても美味しかったから

プレーンオムレツは当たり前ですが、わたしが好きだったのは「キノコのオムレツ」でした
その他スパゲティのように豊富なラインナップではありましたが、わたしはプレーンオムレツとキノコのオムレツしか食べなかったので、ほかのmenuを覚えていません

お店の名前もまた、わたし好みのFANTASYな店名で、内装も飾り付けてある小物も素敵だったから、それはそれは気に入って週2で通っていたのですが、わりと呆気なく潰れてしまいました

店内に飾られていた月と太陽のオブジェが特にお気に入りで、あちこちのお店を探して似たようなものを買い漁っていた記憶もあります
店が潰れていちばん残念だったのは、オムレツが食べられなくなることではなく、あのオブジェは捨てられてしまったのか、誰かの持ち物になっただろうかということでした。どうせ潰れるなら、あの飾りを「飽きたらください」とでも言っておくんだったと後悔するくらいには気に入っていたから

しばらくオムレツなんて作ってないなぁと、ちょっと消費期限が切れそうなたまごを見て思い出したのでした

大好きだったキノコのオムレツ、中はトロトロだったかな?

今は片栗粉でとろみを付けることを覚えた
苦労しなくても巻けるようになった
ちょっと不格好だったり失敗もするけどね
ケチャップ文字も描けるようになったよ

最近旦那さまの財布の紐が固いので、悪戯心で描いてみた。そしたら、
「なんだ? 金払えって言うのか」と言われた
いや。そうじゃなくてさ、
「普通に欲しいものを描いたんだよ」と答えた
払ってくれるならそれに越したことはない
「いくらですか?」と聞けばよかった

娘にコレを見せると、
「わたしにはなにを描いてくれるの?」と聞かれましたが思いつかず、
「自分で描きな」と答えた
加えて、
「子どもじゃないんだから」と言いましたが、はて、旦那さまは?と
いや「money」は欲しいわけだからと言い訳しつつ、自分がいちばん子どもじゃねーかと反省
でも、欲しいものは欲しいんですよ

さて、たまごの黄身を制限されている食べられないわたしのオムレツはというと、そりゃ白身だけで作るわけだけど、白身だけを溶こうと思うと泡だらけになるので、溶かずにそのまま流し込み卵焼きにしてから餡をかけた

なかなかのできばえ

お気に入りのお店のオムレツは「いくらでも食べられる」やさしいお味だったけれど、正直どんな味だったかは忘れちゃった。けど、とにかくバターが濃厚なオムレツだったことだけは憶えている





いいなと思ったら応援しよう!

たゆ・たうひと
いつもお読みいただきありがとうございます とにかく今は、やり遂げることを目標にしています ご意見、ご感想などいただけましたら幸いです