無職人間歴、1年
2023年8月、勤めていた会社を辞めた。
あの日から、もう1年が経つ。
会社員歴4年5か月を経て、無職歴1年。
300日間は失業手当が少しばかりあったけど、今はそれもない。
「〇〇って会社で、△△って仕事をしてて…」という自己紹介は、ずっとできていない。
無職で、無色な、私。
しいて言えば、今の私はコンビニ人間ならぬ、無職人間だ。
無職という属性が、一つのアイデンティティになった。
思えば、社会人1年目の私は、何者でもない量産型社会人に自分がなってしまったことをぼんやりと憂いていた。
「自分で安定的にお金を稼ぎ、生活を維持できるようになること=自立」と思い、それができるまでは半人前。
早く一人前の自立した大人にならなくてはと思っていた。
そのために、大学に入学して、気づけば大学院にも入学して、大手企業に内定をもらい、卒業して、就職したはずだ。
「普通でいい」と、思っていたけど、気が付けば、「普通がいい」と固執して、普通にしがみついていたように思う。
しかも、そこに私の意志はなかったんだろうな。
いろんな呪縛から逃れるように、選択を積み重ねていた。
優等生をやめたくて
仕事を辞める前後から、自分の中で1つテーマにしていたことが、「脱優等生性」、つまり「優等生っぽい行動をすることを辞めること」だ。
カウンセラーさんと話す中で、このテーマにぶつかった。
「優等生性」とは、いい成績をとること、よい評価を受けることではない。
例えば、人の顔色や機嫌を伺って、迎合するように行動すること。
「〇〇すべき」という呪縛を、だれに頼まれずとも自分にかけること。
「なんでもそつなくこなしている」ように取り繕うこと。
おそらく幼少期の、両親や祖父母からの教育による弊害だ。
優等生として生きないと、自分が認めてもらえない、愛してもらえないと思っていた。
さみしくて、怖かった。
優等生になろうとしてるな、と気づいたら、「待て待て、私は本当はどうしたい?」と自分に聞いてみる。
抑圧しかけた素直な自分、そっぽを向いた自分に話しかけに行く。
優等生を辞めるために、ちょっと頑張って、いろんなことをしてみた。
イヤなことをされたら、イヤだと言った。
しんどい気持ちを感じたら、休んだり、逃げたりした。
キライな人にはキライだと、言った。
もっと、愛想よく、やわらかい調子で、「イヤ」や「キライ」を伝えられたらいいのかなと考えたりした。
これもきっと「優等生性」なんだろう。
日頃の感謝とか、相手への理解は添えたうえで、謹んで伝えたいことを伝えてみた。
でもそうすると、相手をもっと追い詰めてしまった。
自己主張も1年目だった。
まあでもこれは、伝え方がうまくなること以上に、伝えて無理だったら今は諦めるということを体得したほうがいいのかもしれないな、とも思った。
無職と脱優等生性
優等生をやめる第一歩は、私が今まで必死で守ってきた、崩れかけのハリボテの積み木の城から離れて、それが崩れるのを見守ることだった。
今まで自分が必死に維持しようとした、家族関係、学歴・社歴、恋人関係、友人関係…。
特に、両親と離れられない一番の理由は、突き詰めると「愛されているとちゃんと実感したい、まだちゃんと一人の人間として尊重してもらっていない」と「結婚の時には、両家の顔合わせがあるし、結婚式には親がいないのは相手の家族も、参列してくれる人も変だと思うだろう」という理由だった。
だから、必死に親に歩み寄って、なんとか健全っぽい関係を築こうとした。
けれど、なんかもう無理そうなんだよな、と認めて辞めた。
仕事も「自活して奨学金も返さなきゃ」「周りの女の子の友達も、バリバリ働いて自立してるしな…」「今後、家を買ったり、子供を育てることを考えたら、そのあたりのフォローがしっかりしている会社に勤め続けないと…」と思って辞められなかった。
今思えば、仕事の問題は親や身近な人間関係、自分のアイデンティティの問題に比べれば、大した問題じゃなかったけど、私はとにかくメンタルのキャパオーバーだなと思ったから、いったん手放すことにした。
積み木の城が崩れる夢を見た。
ずっとぎりぎりの状態だったから、あっけなくてっぺんから一番下まで全部崩れた。
ショックが大きすぎて、硬直した。
心の中には更地がひろがっていた。
なにもない、荒地だった。
それを見て、夢の中でも、現実でも、涙を流した。
そのまま泣きつかれて、大きく腫れすぎたまぶたが重くて、なにもしたくなくて寝ていた日もあったなぁ。
更地に新しい家を建てる
最近になってようやく、自分の更地の土いじりをするようになった。
更地に心の中でナスの苗を植えている。
かわいい実がついてきた。
更地をずっと見ていたら、「ここって、私がなんでも作っていいのか。それはそれでおもしろいな」と思うようになった。
次に家を建てるなら、大きなお城はもういらない。
どの部屋にも本棚を置いて、好きに本が読める家がいい。
壁一面の本棚がある書斎もほしい。
家はそんなに大きくなくていいから、隣に畑を作ろう。
野菜をたくさん作って、とれたての野菜を食べて暮らしたい。
実は、量産型社会人から無職人間になって、私の中の中二病の部分が、ちょっと安堵した。
馬鹿な話だけど、「無職である」ことで、量産型から希少性を得たような、普通の社会人とは一線を画した気がした。
でもね、私。
もう、何者かになってもいいけど、別にならなくてもいいんだよ。
まあでも、友達に久しぶりに会うときに、「最近は〇〇するのが楽しいよ」って話ができたらいいなと思う。
自分が好きで、やりたくてやっていることで、自分を表現したいし、それで幸せだと伝えたい。
無職だ、仕事がないとか、「〇〇がない」っていう否定形のアイデンティティじゃなくて、「〇〇が好き」「〇〇がある」「〇〇してる」っていう肯定形のアイデンティティで自分を表現できるようになること。
これが無職人間2年目の豊富である。
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