
今日も夜はふける(2020/11/23)
・三連休っていいな、完全に心が休みモードだ。勤労に感謝。
・しかし、連休中にやったことを思い返せば、米作ったり、ハイラルを厄災から救ったり。ほぼほぼゲームしかしてねぇ。。
・いや、その他にやったことあるか。ここ最近、あるまゐさんという方のミラティブ配信にお邪魔しているのだが、そこで少し面白い発見をしたので、備忘録をば残すぜよ。
◇ ◇ ◇
ファルファーレ溢れ返り事件
ミラティブにて、あるまゐさんが絶賛配信中の「【みんはや】暗記アプリを駆使してクイズ王への道を歩む【Anki】」
確定ポイント(スラッシュ)が付いたみんはや問題を、暗記アプリ「Anki」でひたすらに覚える、という内容である。
少なくとも2ヶ月は続いており、徐々にクイズ王に近づいている。継続は力なりけり(感動の助動詞)。
(ちなみに、「あるまゐさんはクイズ王」ですか?と尋ねたら、「クイズ王は周りからクイズ王だと思われればクイズ王なので、その質問が出る時点で自分はクイズ王ではない」とのこと。にゃる。)
んで、入室するとたまに、「この問題、どうなんですかね?」と意見を求められることがあり、先日、こんなことを聞かれた。
ファル「ファ~レ」が答えだけど、ファル「ファッレ」じゃないの?ということらしい。
さもありなん。という感じだ。
自分はどこで知っただろうかと思い返すと、おゆうぎ会でクリスマスリースを作ったときの材料に使ったのが初見だとは思うが、この単語を知ったのは多分クイズ由来だろう。
試しに過去問を調べると、永田本とabc7thで出されていた。
にゃる。さもありなん。
んで、あるまゐさん。「ファルファッレという言い方が一般的だ」という理由で問題修正をあげたいが如何せん?とのことだった。
いやいや根拠が主観だけじゃ弱いのろ、、それ根拠じゃなく主張やし、、とのことで、配信中に少し探ることにした。
果たして、ファル「ファーレ」なのか?ファル「ファッレ」なのか?
いざ!!確かめるぜよ(> <)
◯元々の発音を確かめよう!
先ず、元の言語であるイタリア語ではどんな発音か確かめてみよう。ルーツをたどれば、きっと答えはみえるはず。
ということで、「farfalle イタリア語」でグーグル先生に聞いてみた。
(スピーカーのアイコンを押す。ポチっ!)
グーグル先生「ファルファーッレ」
・・・。
・・・どっちやねん。
途方に暮れていると、視界の外側に気になる点を発見した。Wikipediaの記事名が「ファルファーレ」になっているのだ。
そう、ウィキペディアでは「ファルファーレ」なのだ。
他にも、発音記号を探す中で(結局みつからなかったが)、レシピサイトや、パスタ販売企業のページなどが目に入ったのだが、いずれもファルファーレとファルファッレが混在している状態だった。カオス。一体、何が正しいのだろう?
(日清製粉のマ・マーのページ「パスタぺディア」から)
◯意外な犯人
一方、あるまゐさん。
みんはやの問題履歴からWikipediaのページにとんで、何かに気がついた。
「これ、ウィキペディアからそのまま作ったんじゃない?」
ふむ。該当の記事を確認してみる。↓
にゃる。さもありなん、という感じだ。併せて文章から何か違和感を感じる。
「幾つかの種類がある」、「それらは」、「知られている」、「異なった種類」があり、、
・・・こいつは翻訳調だッ!
「英語では"butterflies"の意味である。」の一文で確信した。日本語の記事なのに、ナンセンスにも程がある。
すかさず、履歴を確認する。
ーあった😆!!
en:Farfalle(2011年8月12日22:15:48(UTC))より適当に翻訳
適当って・・・。
んで、一方の「ファルファッレ」の履歴をみてみると、、
2012年4月20日(金)12:42 ←ファルファーレへのリダイレクト
なんと、これひとつだけしかない。リダイレクト(勝手に該当の記事にとばされる)を作って終わり。
にゃる。いろいろと謎が解けてきたのろ!!
◯事件の真相
謎はすべて解けた。
おそらくファルファーレ溢れ返り事件の真相は、こうだ。
事件は先ず、真夏の夜に起きた。
2011年8月12日、時刻は22時15分と48秒。
英語版Wikipediaから適当に翻訳される形で「ファルファーレ」の記事が作られた。
そして、「ファルファーレ」が検索エンジンに定着し終えた半年後の、翌年2012年4月20日。
何も知らずファルファッレの記事を作りに来た「ライムとレモン」氏が加害者に仕立て上げられる。
氏は、ファルファーレのある程度まとまった記事をみて、新たな記事は必要ない、リダイレクトを貼れば十分だと認識し編集を終える。
これにより、Wikipedia上のファルファッレの検索結果はすべてファルファーレに向かうようになった。完全犯罪の完成である。
時を経て、個人ブログやキュレーションサイトの時代が到来する。
人々がネットで記事をつくる際に参考にするのは、書籍ではなく、お手軽なネットの情報、ウィキペディアだ。
ウィキペディアの翻訳調のおかしな文章がそのまま使われているサイトを幾つも確認できたのが、その証左だ。
ここ何年かでグーグル先生がWikipediaを引用して検索結果を出すようになったのも、かなり大きい。
結果、ファルファーレはネット上に広まる。
それを元に紙の書籍が発売され、さらに広まる。
こうして、ファルファーレは無批判にどこまでも広がり、人々のミームを汚染し感染していく。いつのまにか既成事実となる、、おそろしやおそろしや。
今回のみんはや問の一件は、その氷山の一角だったというわけだ。にゃる。
裏とりと後学のために書店に足を運び、イタリア料理系の本やイタリア語辞書を確認してみた。
結果、料理本については、入門書的なものでは「ファルファーレ」の表記が多くみられたのに対し、「プロのためのパスタ辞典」など、イタリアンのシェフが監修するものは総じて「ファルファッレ」であった。
どちらが市井に広まるかを考えると、既に「ファルファーレ」は広まってしまったのかもしれない。おそろしや。
また、辞書のほうだが、発音が掲載されているものが少なく、『プリーモ伊和辞書』(あともうひとつあったが失念)では、「ファルファッレ」と記載されていたため、ファルファッレが正解なのだと思うところだ。
◯Wikipedian探偵よだれねこ
以上が私が推理した事件の顛末だが、まだ事件は終わっていない。
ミーム汚染元の該当記事がある限り、第三、第四の犠牲者が出つづけてしまう。速攻で記事を修正する。手慣れたものだ。
もしかしたら、自分は大きな事故を取り返しがつかなくなる前に防いだのかもしれない。
そう思うと、この三連休はとても有意義だったのかもなと思うのであった。
(*´ー`*)(終)
いいなと思ったら応援しよう!
