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読書感想文(伊沢拓司『クイズ思考の解体』第五章(P.455~P.433))

前回のノートはこちらから↓

以下、読むのと同時進行で殴り書きしたメモ。(2021/10/20)

  ◇  ◇  ◇

■CHAPTER5 クイズ思考と「クイズを伝えること」(P.455~P.433)

・さすがに、あの解説を読んだ後となると、あとがきを早速よむのは、心が退けてきた。ここは、全5章を、5、4、3、2、1、序と読み進めていき、最後に金字の直筆サインを眺めて、あとがきで締めることにしよう。たぶん、それがいい。とても綺麗なはずだ。

・さて、この章に隠されたQとAは何だろうか?探っていこう。

・「Q.なぜ、早押しクイズの思考過程を表すのは難しいのか?」から入ってるねぃ。んで、大胆にも「複雑系」に該当するから、という風に置いてきたか、ほぅ。

・となると、複雑系研究で得られた武器を使って、明晰に解析できるよ!やったね!!

・...と進むようではないみたいだ。むぅ。雲行きがあやしい。

・あぁ、どうやら、続く......じゃなかった、前の1章~4章で、要素還元的なアプローチで、クイズを解く際の思考(たぶん、プレイヤー論だ。)を解説してきたのだろう。
・まぁ、至極当然だ。レゴブロックのお城を組み上げるのに、個々のパーツとその組み合わせ方と、そのふるまいを理解しておくのは大前提である。それは、既に出来上がったレゴの怪獣をみて同じように作ろうとする時だって同じだ。

・Quizologyでいうところの「正解率算出モデル」の派生バージョンをしようとしているのかしら?変数として、問い読みの抑揚、参加者のプロフィール、対戦相手の総知識量などを入れるか。ここだけ聞くと、ちょっと雑で、おすすめできる戦略じゃないな。

・「初期値鋭敏性」か。クイズ論を語りたい人は、OR(オペレーションズリサーチ)とか、意思決定論を学べば、色々と明晰に見えてきて幸せになれると思います。
・これ、「Q.なぜ、勝者は一定ではないのか?」と「Q.なぜ、勝者は一定なのか?」という問題で遊んでたときに、ある程度の答えが出てるやつだわさ。

・カオスとか複雑系の話がながいな...。なにか洗練されてない、無駄が多い。実はあまり詳しくない?仮にも経済学部だったなら、かじっていそうなものだが。
・いや、一般向けに言葉を尽くそうとしてるんだな、これ。

・あぁ、解説を読んでた時に察したけど、これ、「クイズは複雑でわかんないから、この本で言ったことは令和の毛沢東語録じゃないよ」と言っているのか。なるほど、うまくやったものだ。
・だが、ここで単に「わからない」で終わると、ファッション哲学者である。果たして、この男はどうだろうか?あるものとないものを見極めて、一歩一歩積み上げられる男だろうか?

・複雑系である主な要因として、3つ変数を持ってきたか。

・これ、あれよね。達人の研究のお話。ボトムアップとトップダウン、どっちが達人っぽいアプローチ?というお話ですね。
・ある課題にぶち当たったとき、ひとつひとつの要素を調べあげ、最適な経路はどれかを探るやり方(ボトムアップ)と、自分の中にストックしたパターンを使って、そこから修正していくやり方(トップダウン)。素人はボトムアップしか出来ないけど、玄人はトップダウンを使うというやつ。

・複雑すぎる問題に対し、素人はランダム要素とシナジー効果を含む組み合わせ爆発を前にオーダーが足りず計算が追い付かないけど、達人は洗練されたパターンを当てはめて、スパーン!とヒューリスティックに片付けるというお話。

  ◇  ◇  ◇

・早押しのゾーンとか、ギア4thとギア5thも、この話題に類するお話で、一回学習を経て、無意識が先に動いて後から感知するほどの馴化、エキスパート化の結果なのよね。認知心理学の知見ぜよ。

・いいねぃ。ゆれるねぃ。というか、揺らしてるねぃ。本当は先の答えを用意できてるけど、言わないんでしょ?さては?影響力が強すぎるから。

・お!モデルとかフレームの話だ!経済学っぽくなってきたぜよ!
・そうなんよ、このモデルこそが達人が持つ「パタン」であり、周囲に伝達できる言語なんよ。経済学の10の武器のひとつが、この抽象化してモデル化して操作する能力なのよ。さすが、東大の経済学部卒である。

・有用なら有用。実にプラグマティズム的な考え方で、THE経済学徒である!
・そう、そして叩き台、批判はモックから始まるのだ!モックがなければ叩いて改良できない。先ずは作る。マシュマロチャレンジで、ゼロベース思考で、おち◯ち◯メソッドなのだ!
・よし!意義ある研究!よし!そうよ!複雑だからと諦めず、メタパタンを見ることが大事なのよ!

・ないものをない、と諦めるのではなく、できないものを見極めて、できることから、こつこつと重ね合わせて探していく。これしかないのだ。

・4章は、早押しの意思決定論の話かな?判断のフレームワーク。いいね!楽しみだ!

  ◇  ◇  ◇

・うん。実に、ちゃんとしている。
・これが「科学」である。「科学的思考」。
・有用なフレームは偶々で、実はストーリーテリングでしかないのではないか?とな!
・盛り上がってまいりました!

「それは明確な因果ではない。」
「結果論の側面も無視できない程度に介在するのである。」

・筆者はこれをもって、早押しクイズを統一的に語り、いつだって当てはめられるような理論は存在し得ない。と現時点の考えを述べる。

・うん、大丈夫。実はわかっているはずだ。
・QUIZJAPAN全書のときも、砂漠化したとか言っていたけど、見えたじゃない。新しい地平が。確かな因果が、ここに技術としてあるのよ。正しく探せばちゃんと見つかるから、頑張ッ!!

・伊沢拓司は、進化する。
・今は見つけられなくても、足元をみて、正しい方向へとちゃんと進んでいくのだから。この男の進化が楽しみでならない。

・そして凄いのが、ちゃんと、道をたどる途中の過程を書いているのだ。一般に、何か思索するときは、書けば書く程にその先が見えてくる。そのため、外部に公表したものは大抵は過去に考えきった通過点でしかなく、その前の進んだお話というのは、その人は大抵わかっているものだ。
・なにか違和感あるなぁ~と思うと、途端に外部に向けて書けなくなってしまう。
・だけど、あえて、叩き台として割りきって出したのだろう。この志が素晴らしい。

・この男は、考えることを諦めない。分析も諦めない。そう、「偶然を認める誠実さと、モデルを信じるふてぶてしさを両立させるつもり」なのだ!そうでなきゃ!人間は!欲しいものを諦めるなんてとんでもない。生きているなら、考えられる頭がまだ冴えているなら、動ける手足があるなら、両方を救う。どっちかじゃない、どっちもだ。

・Quizologyの領域を見つけきるのも、時間の問題だ。黄金の精神は、いずれ目的地へとたどり着くのだから。

  ◇  ◇  ◇

「大切なのはこの「行き来」、往復することである。」

あわわわ。。。

これは、絶対にわかっている。
確信犯だ。ジーニーは、この男に宿っていたのだ。

準備をしておこう。

界隈が再び砂漠となったその時、何かできるように。多分、そのために一回、離れて本業に戻らねばなるまい。クイズ論2000で描いた世界に現実が迫ろうとしているぜよ。

  ◇  ◇  ◇

・ということで、お城とか怪物を作り上げる前に、そもそもレゴブロックすら充分に扱えていない状況のクイズ界で、今後、どうなっていくか楽しみぜよ。あと、5年程だろう。その先はどうなるだろうな。

・ただ疑え!の一点ばりで実践も思想もないファッション科学者やファッション哲学者がいる中、彼は実践を地で行く、超越し、クイズ超人たらんとする男なのだ。(終)


◯SUPPLEMENT(p.454~p.453)

・忘れていた。補足のページがあったな。

・実際の温度感として、多くのクイズプレイヤーはクイズの思考過程は「複雑系」というイメージ、、、なのか??

・たしかに、舞台に魔物が棲むというのはあるが、あまりピンと来ない。そんなに雑雑としてるかな?

・ゾーン状態に入るコツは、引き算、邪念を取り払う、余計なものがないことだそうだ。(ここらへんの話は、『身体的生活:医師が教える身体感覚の高め方』が超オススメ。ミハイチクセントミハイのフロー概念を要点を抑えて伝えてくれる。)
・ゾーン状態に入れるよう意識してるので、なので、複数の要素がランダムに影響しあう系とは思わなかったのだろう。3◯2✕の一対一でやる、でゎでゎ、お手会わせ願います、いざ!も、集中に入るルーティンの一種である。3◯2✕は展開が無駄なく漏れなく起こりうるので、ちょうど良いのだ。

・話が反れた。
・そういうわけで、たしかに、ゾーンとかプロとかの意識がなく環境や内部刺激にふりまわっされぱなしの騒がしい状態なら、複雑系かも、という発想が出てくるのだろう。
・ましてや、舞台の上、テレビカメラの前となると、殊更にそういったことを考えざるを得ない機会があるのだろう。なるほど。

・「アクティブ」と「パッシブ」か。なるほど、これも「認知度、限定力、想起度」次元の関係性や、「適合度とは何であるか?」あたりを深めてないと先は見えないやつだけど、分析のとっかかりとしては面白い。

・「正解した」と「知っている」は対応しないの話だ。
・お!「知識は無意味」←「知能が大事」までを紋切り型と言い放ち、その先の批判してるぞ!
・間をちょっと判りにくく書いてるけど、要は「知能を使うに知識がないとあかんでしょ。」というお話ね。最初、スッと頭に入ってこなかったのは、「知能が大事」という人は暗黙に「知能による操作の対象である知識が必要」なことは大前提としていると思い込んでいたからである。
・「いや、そんなやつおらんやろ、知識なんかなくていいから、知能だけあればええなんて言うやつ」とか思ったけど、たしかに、知識・知能・知恵の概念の区別もつかずに、必要もないのに知識を蔑み、知能を称賛する残念な方はいそうではある。知識と知能は共にドベネックの知恵の泉を取り囲む板材なのである。
・「一の知識は何らかの力や偶然によって二や三の正解に結びつける。」概ねそうである。ただ、何らかの力や偶然というところが気になる。偶然か必然かの区別がつかずに自分の手柄とする者をチクチクする言葉としては使えるが、知識を正解に結びつける技術が明確に見えている者からみたら、こやつ無知か?と思われかねない。多分、彼は違うと思うけど。わからんけど。

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澤木恭介
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