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読書感想文(伊沢拓司『クイズ思考の解体』:コラム3 クイズ王と学歴(P.378~P.373))
前回のノートはこちらから↓
以下、読むのと同時進行で殴り書きしたメモ。(2021/10/23)
◇ ◇ ◇
・よく槍玉にあがる話がきました。クイズと学歴。
・正直なところ、どうでもいい。食傷ぎみだったりする。
・なんでそんな話ばかりするのかねぃ、それを話して何が得られるの?といった場面をよく目にするからだ。
・「やっぱクイズは学歴がある頭のいい人たちがやるものなんだ。」と言う人々は、続く言葉で「だからクイズなんて嫌だ。」とか、「だから自分には関係ない。」とか、「だけどもっと大事なものがあるんじゃない、クイズなんかで遊んでないでさ。」などなどと悲しみの言葉を続ける。悲しみが深い。
・なので、それらの主張の前提となる「クイズと学歴は強い結びつきをもっている。」というのを肯定してしまうと、そこから導かれる悲しい結論も受け入れてしまうように思えて、(あるいは、その推論のつながりを否定するのが面倒いので、)「クイズと学歴は強い結びつきを持たない」と否定したくもなるのだろう。(カリーのパラドックス)
・そんなやりとりばかり続いて、平行線になるので、この話題は食傷ぎみなのだ。仮に「クイズの強さ」とやらに関する解像度を上げて議論が進むなら、前向きに議論は終焉するのだろうが、そういったことは当然にない。
◇ ◇ ◇
・こういった言論の問いかけは、ちゃんと書きあらわすとこうなる。
Q.クイズが強いことと、学歴の高さとは、強い結びつきがあるか?
・この問い立てには突っ込むところが多くあるが、意図としてはわかる。「要はクイズって頭のいい人たちがやるもんでしょ」と言いたい思いがあるのだ。あるいは、「どうせ、頭がよくなきゃ、クイズは楽しめないのね。」なんて思いかもしれない。
・これに対して、「いやそんなことないよ。そんなもん跳ね飛ばせるぜ。」と大上段に構えても、考えを変えるには弱い。
・「学歴ないけど、俺は楽しんでるよ」と援護射撃してくれる方々もいるのだが、何というのだろうか、むかし徳久さんが言っていたように、「クイズは、まともな人がやるようなものじゃない」的な感想を抱させてしまうのが、正直、現状なのではないか。
・クイズをしていると色々な方々をお見かけするのだが、学歴コンプを抱えているのかクイズの場で聞いてもいないのに専門知識を甲高い声でひけらかす人、クイズをやりすぎて大学を留年して中退する人、社会に出たけど周囲と上手くできず精神を病んで退職しアルバイトや派遣社員で生計を立てている人など、それで本人が納得していて端からみていても幸せそうに見えるなら何もないんだけど、何というか不満が言動からにじみ出ているというか、哀愁を漂わせているというか、何というか救われていない、クイズに寄りかかっている人が、そういう層が一定数いる気がするのだ。そして、その人達ほど声が大きかったりする。どうしても一部の人が目立つので、ノイジーマイノリティなバイアスがかかった見方なんだろうけど。
・学歴を持ちだして中の人から発信しようとすると、フレンドファイアがおこりうる。そうした声は外向きにはクイズ界隈として認知されてしまうので、そんな様を目にして、「これは健全なあそびなのだろうか?」と、これからクイズを始めようとする人々を不安にさせてしまうのではないかと思う(自分は昔、ちょっと不安に思った)。
・なんだろう、上手く言えないんだけど。うん、いや、枝葉の部分だな。話の方向が怪しい方向に反れた。
・一通り読んでみたが、伊沢氏も「そんなもん跳ね飛ばせるぜ」とは書いていても、「学歴がなくたってクイズはできる」ということを示す、具体的な事例や方法は言及しておらず、「そういう風にありたいよね。」のとこで終わっている。伊沢氏自身も「半ば精神論」で、現実の事例のように「客観的なものではない」と書いている。
・ここらへんがエッセイだなあ、とは思う。(というか、伊沢氏の言い訳のための文章だ。これ。)
・学歴の高さは、クイズの強さと正の相関があるし、進学校とか名門大学といわれるところほど、OB、OG含め、強力な組織・下地があるのは事実である。
◇ ◇ ◇
・これを科学的に向き合うとしたら、次のようにわけうるだろうか。
① Know What?
Q.「クイズに強い」とは、どういうことか?
↓
② Know Why?
Q.「クイズの強さ」に関わる要因は何か?どのように作用するか?
↓
③ Know How?
Q.「クイズの強さ」の要因を上げるにはどうするか?
・伊沢氏が言いたいのは、こうだろう。
「クイズの強さ」と「学歴の高さ」とは、見せかけの相関関係(疑似相関)であり、「学歴の高さ」が伴わなくても、「クイズの強さ」に関わってくる要素を、ちゃんと用意すれば、学歴に関係なく、クイズに強くなれるよ。と。
・現状では、TV(クイズノックも含めてだが)の宣伝効果もあり、「学歴」がクイズの強さの代替変数であるかのように扱われている。だけど、そうすると「学歴」がない人々が「クイズを楽しめない」と思ってしまうから、そんな悲劇は避けたいよね!という話。Quizologyでいうところの、クイズコミュニティ論の議論である。
・んで、方向性は2つ。
[1]「クイズの強さ(①)」と「学歴」とに見せかけの相関を作る元となっている要素を特定する(②)。そして、その要素を上げる方法を考える(③)。
[2]「クイズの強さ(①)」そのものに直接影響してくる要因をさぐり(②)、その要素を上げる方法を考える(③)。
・一番の本質は、[2]だ。極論、ここさえ示せればよい。
・んで、それを伝える過程で、学歴とのみせかけの相関とが邪魔をしてくるから、[1]でみせかけの相関であることを説明して誤解を解いてもらえばよい。
・方向性は決まったとはいえ、分析をすすめてみたら、結局学歴の元となる要素や、学歴の高さの先に生じている色んな要素が、「クイズの強さ」を覆いつくしてました、実はとてつもなく強力な代替変数で、「学歴」がクイズに強いという要素を示すにとても経済的な指標でしたよ!なんてことにもなるかもしれない。どうなっていくんでしょうね。
・伊沢氏は、「学歴はクイズの適性を示すためのひとつの手段でしかない。ということを折に触れて伝えていきたい」ようだが、伝える者が東大卒の高学歴という、難しい立ち位置にいる。
・ここは、精神論は推進力として大事だが、東大卒らしくスマートに科学的に伝えてほしいと思う。
・物事には段階があり、先のことを伝えるにも、いきなりは伝えられない。本当はどうすればよいか案があるけれど、あえて出していないのだと思う。さすが、伊沢拓司。
・前の、、、でなかった、この先の章で、「選抜的な要素」以外のクイズの楽しさもあり、それもありのまま発信していくことが、クイズの暴力性の超克につながる、みたいなことを書いていたので、クイズノックなどなどで、この先、示していってくれるのだろう。
・さて、この後19:00からは、遂に「クイズ研究はここから始まる―『クイズ思考の解体』刊行記念」だ!!
・前回と同じく、いつも使っているニコ生で視聴予約完了!!シラスの配信を、ニコ生でやってくれるのは、ありがたい!あちこちでアカウント登録をすると管理が面倒なのよね、何かクレジットカード登録とか、最小限にしたいのだ。
・質問したいこともたくさんあるけど、あまり多く送っても大変だろうから、取り上げられやすそうな、要点を絞った、答えやすい、テーマに沿った球を投げねばな。とりあえず、次の2つを送ってみよう。
①コラム4のP.427で「クイズの「選抜する方式」以外の性質について、強くクイズ界の外へとよりアピールするべきである。」と改めてクイズプレイヤーに向けて提案していますが、伊沢さんが具体に思う。例えば、こんなことができるのではないかといった事例はありますか?クイズノックのおススメ企画でも大丈夫です。
②適切な問いを設定することは、適切な答えを導くことや、新たな問いを生むことにつながると思います。クイズ研究の地平を拓くにあたり、どのような問い方があると思いますか?登壇者の皆様の考えが楽しみです。
・何回かエラーで送れずに同じものを送ってしまった。グーグルフォームって自分で何を送ったか確認できないのね。
・一体どのような回答がくるんのだろうか、質問が読まれるといいなぁ。この後、登壇者の方々の意見が楽しみである。(終)
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