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池上彰のやさしい経済学しくみがわかる 日経ビジネス人文庫
2022読書の秋のキャンペーン。早速、本題から入りたい。
このキャンぺーン「今こそ読んで欲しい、この本」とある。
しかし、特に縛りらしいものはないようなので、読者側からあえて、逆提案させていただく。「(著者、出版社に)今こそ読み直してほしい、この本、この箇所」と言うテーマで書きたいと思う。
そこで、日経ビジネス文庫「池上彰の1しくみがわかるやさしい経済学」である。10月16日に書店で購入し読み始めた。早速、著者および出版社に問うてみたい。
一点目、「お金」について
国家がきちんとしていてお金ですよという保証をしてくれている、だから私たちもお金だと思っている、そこでお金はお金として通用するということになります。お金というのは共同幻想。(以下略)
という説明をされています。
翻ってイングランド銀行の説明は、これとは異なる見解を示しています。
Money in the modern economy is just a special form of IOU, or in the language of economic accounts, a financial asset.
現代の経済における貨幣は、借用証書のまさに特別な形態であるか、または経済の会計用語で言う所の金融資産である。
どっちが正しいのでしょうか?
二点目、「銀行の役割」について。
この時、皆さんが銀行に預けたお金を貸すわけです。皆さんからお金を預かり、それをきちんと安全に保管をし、必ず返してくれそうな人にそのお金を貸す、という仕事をしている。
という説明をしています。しかし、イングランド銀行は、ここでも異なる見解を示しています。
Whenever a bank makes a loan, it simultaneously creates a matching deposit in the borrower’s bank account, thereby creating new money.
銀行が貸出を行う都度、それと同時に匹敵する預金を借り手の銀行口座内に創造し、それによって、新規の貨幣を創造する。
つまり、「又貸しなどしていない」と言っています。
どちらが正しいのでしょうか?
この記事を読んだ皆さんは、どのようにお考えになるか?
英文は、イングランド銀行からの引用です。
その邦訳は、
から引用させていただきました。