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世田谷246ハーフマラソン、ランニングクリニックを終えて

先日、世田谷246ハーフマラソンのランニングクリニックにて講師を務めさせていただきました。
全4回のプログラムの中で第2回目を担当し、体幹トレーニング、インターバル走をテーマにした練習会を行いました。
子供、大人クラスと分かれての練習会で、総勢80名弱の方々がご参加されました。
最初は子供の部からスタートし、小学5年生から中学3年生までの7名で行いました。まずはみんなでウォーミングアップからスタートし、体幹トレーニングへと移ります。

1つ年齢が違うだけで体力レベルにも差が出るので、参加者の様子を見ながらウォーミングアップのペースも決めていく必要がありました。このくらいなら大丈夫だろうと自分勝手に決めるわけにはいきません。
駒澤大学駅伝部の学生が後ろや横へと補助についてくれたので助かりました。


そして、翌週の1600mのタイムトライアルを見越した、本日のメイン練習となる300mのインターバル走を行います。
それぞれの走力がこちらも事前には分からないので4分サイクルを用いました。(一本目がスタートして4分後に2本目をスタート)
1本目を気合が入りすぎて飛ばした子もいれば、周りの勢いにつられてペースを上げてしまった子、遅れたくない一心で頑張る子など状況は様々です。自分のペースを守って走れれば一番ですが、まずは自分のペースを見つける、理解することが先決です。また自分のペースを理解してるから正しく実行できるのかは長年経験を積んだランナーでも難しく、特に初めての人と走るこのような練習会では自分のペースを乱しうる要因、焦り、不安、緊張、興奮などの感情が絡んできます。
3本目くらいになると暑さも影響して全体的に疲れが見え始めました。ちょっと前半に頑張りすぎて無理をした子は失速の傾向が、逆に周りの疲れを逆手にペースを上げる子も見受けられました。バスケットボール部だという中学生の女の子は、上手に自分のペース守っていたため、もしかすると他競技の戦略を応用してるのではと考えたり、いや単に個人の性格なのかな、など見て感じることがあり面白かったです。
5本目を終えると全員疲れ切った様子で芝生に、座り込んだり、倒れ込んだりします。
苦しげにも、どこかやり抜いた満足げな表情もありました。
最後にみんなで芝生ないを1周回って終了となります。
終わった後に翌週のタイムトライアルに向けてアドバイスを求める子もいました。
タイムや順位など結果への一点張りの指導は良くないと思いつつも、目標を設定して自分の成長を促すことは競技の面白さでもあり、バランスをどこでとるのかがジュニア選手の指導には大事なのかなと感じています。

少し休憩を挟ん高校生以上の部が始まりました。全体的な流れは中学生以下の部と同じですが、2時間の時間枠があるため(中学生以下は1時間)、ウォーミングアップ、体幹トレーニング時には理論的な説明を少し加えながら行いました。
いかに相手に分かりやすく、かつ大事な要点を逃すことなく簡潔に伝えることができるかが大事だということを頭に置いて行いました。この点は普段の指導の場でも意識していますが、実践の難しさを感じています。
1つテーマとして行ったのは「身体の重心を足の中心上に置き、3点加重(母指球、小指球、踵)を意識して、正しく立つ」ことです。
姿勢の崩れ、怪我による患部を庇う動作に癖などの影響を受け、思った以上に正しく片足立ちをすることが難しく感じる人もいます。人間の動作のほとんどが片足になることを考えれば基礎であり、大事なポイントでもあります。

メイン練習は翌週の5km,10kmタイムトライアルに向けた1000m×5本のインターバル走です。
グループを3つに分けて行いました。
1番速いグループは3分30秒前後で走ります。参加者の皆さんで「1周何秒で行く」など声をかけて即席ながらも個人の目的を達成できるようにお互いに協力しながら行う姿は流石だと思いました。



B,Cチームになると人数も増え、走力の差も大きくなります。グループ内で走力の差が大きいと、周りの影響で自分のペースを保つのが難しい点があります。惑わされずに淡々と自身のペースを刻むように心がける必要もありますが、1人になるよりも少しペースは速いけど集団の力を借りて走ることもできます。周りに惑わされすぎてはいけませんが、ある程度は流れに合わせるなど、バランスの取り方が重要になると感じました。
予想よりも暑さが生じて、思ったペースでいけなかったり、逆にこの環境下でもしっかり走れたなど、練習を終えた後の感想は様々でした。
練習を終えた後の皆さんの表情は清々しく、多くの方の笑顔が見受けられました。
最後は全員でクールダウンを行い、クリニックの締めとなりました。
中学生以下の部と同じように終了後に練習の相談、普段の悩みなどを相談に来られる方もいました。少しに会話でしたが年齢を重ねても、自身の趣味に熱心になれる姿は魅力的だと感じ、私自身もそのような姿勢をいつまでも保てるようにしたいと思える時間でもありました。


集団が大きくなると予想外な出来事も生じて、臨機応変の対応が必要となり、予定した通りにはいかないことはしばしばありました。サポートに来てくれた駒沢大学駅伝部の生徒には予定とは違う急な要望出したりと大変だったと思いますが、うまく対応してくれて非常に助かりました。
また開始前には世田谷区スポーツ振興財団の係の方々が前回のフィードバックなどを伝えて頂き、前もって何を意識する必要があるのかを予め知って上で望めたのも大きな助けとなりました。

大人数をリードすることは初めてで、日が近づくにつれ務めを果たすことができるのか不安が募り始めました。というのも私自身、人前に出るのは苦手で、ましてや話したりリードしたりするなんてもってのほか、というのが正直なところです。つい最近までは3,4人の前で話すことさえ緊張してたくらいです。実際に人前で自分の意見を述べることの恐怖から仕事を逃げ出した過去もあります。
これを聞くとなんて頼りない講師だ、と思われても仕方がないのかなとさえ思います。
ではなぜ引き受けたのかというと、心拍数の上がる緊張感のある事に挑戦したくなる、チャレンジ精神を要する事に踏み込んでみたくなることが定期的に生じるからでしょうか。それとプレゼンなど、人前で話すことから逃げた日から自分が成長できたのかどうかを自分自身へ清算するためでもあったのかもしれません。
すごく矛盾しているようで自分でもこんな事をやるたびに不思議に思います。何かを行う上でそれを「やりたいかどうか」は大事な基準です。しかし時にやりたいかと聞かれると答えるのは難しいですが、「今の自分にこの課題は対応できるかどうか」に興味が出ることもあります。
陸上競技を通して、あえて苦手な距離(種目)に挑戦してみるといった、今回と似たような感覚を経験したことがありました。
またこのような事を行うのかは未定ですが、今回のクリニックを通して、「あえて苦手に取り組んでみることで学べることは大きい」事を感じました。


日常からの学び、ランニング情報を伝えていきたいと思います。次の活動を広げるためにいいなと思った方サポートいただけるとありがたいです。。