原口孝徳

ランニングコーチ | コンディションコーチ。 コーチング、ランニングからの観点を軸に色々と書いてます。 https://run-conditioning.com/

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マガジン

  • エッセイ

    ランニングについての考えを記載してます

  • シドニーマラソン2024

    約6年ぶりのフルマラソンをシドニーで走りました。マラソンの準備の難しさ、その後のシドニーでのひとときについて書いてます。

  • オーストラリアを走る 2023

    オーストラリアでのランニング日記です。

  • バンクーバーを走る

    2024年7月に9年ぶりに訪れたカナダ・バンクーバー。 現地で走った経験、走るについて考えたことを書いています。

  • ランニングクラブ日記

    練習会の様子、内容についての記録を綴っています。

最近の記事

スタートとやる気

長くランニングを続けていると、またランニング指導を行う上でもモチベーションの維持について聞かれることは少なくありません。 モチベーション、ここでは「やる気」と同じように考えてもらって大丈夫です。 私の場合、同じランニングでも気持ちをすっきりさせるため、友人や仲間と過ごす時間のため、そしてトレーニングとして取り組む時があり、目的はその時によって異なります。 いずれにしてもその日のランニングのスタートを切る時にモチベーションが高まっている状態、いわばやる気満々の状態というのはほ

    • 他人に教えること

      村上春樹さんのエッセイを読んでいると上記の言葉がありました。トライアスロンに向けた水泳のフォーム改良のため、水泳コーチ探しに四苦八苦された経験による気づきのようです。 まさにランニング、身体のコンディショニング指導をする自分としては深く考えさせられる一文でもありました。 インターネット、SNSと色んな情報が溢れる時代になり、ランニングにも〇〇のために〇〇をやる、のように「何をやる」が先行して出回っているように感じます。多くのものが、ある特定の部分だけを切り抜いた場合、何事も

      • シドニーマラソン④ ゆっくりの大切さ

        最終日はエドと会う約束になっている。が本当に会えるかは未定。 彼と会う場合は確実性を求めないことが大事だ。まぁ会えたら会えたでくらいの感覚でいるほうがいい。 最新のメッセージには「昼ぐらいにSoul athletic clubで練習やるから」 曖昧な時間と聞いたこともない場所が書かれている。 まあ今の時代、場所に関しては携帯のマップ機能を使えば簡単に特定できる。 問題は昼ぐらいの認識が自分とエドでどのくらい違うかだ。 こ前中はフラーがサポートしてもらっているジムのオーナー

        • シドニーマラソン③ 受け入れてもらえる喜び 

          夕食後にひとみさんとフラーの怪我の話になる。故障に関しては絶対にこうすればという対処策はない。 自分がこれまでやってきたコンディショニングの観点について話をしてみるとフラーにもやって欲しいとのこと。フラーも乗り気だったため簡単にバランスを中心としたコンディショニングをやってみることに。 トラブルも右に出やすく、走りの動きも右の方が少し膝がうちに入るなどの傾向はある。見ただけの段階では「傾向がある」程度に知っておくぐらいで「これが問題だ」と決めつけることはしない。 いざ動きを見

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        記事

          シドニーマラソン② ブルーマウンテンズを歩く

          クーパー家の父、グレッグがリビングで待っていてくれた。 足を引きずりながら帰ってきた姿を見たのか心配そうに声をかけてくれる。グレッグも今回のシドニーマラソンに向けて準備をしていたそうだが、故障により出場を断念。 今朝はスタート地点まで朝早くから送迎をしてくれ、捨てていい上着まで与えてくれた。 彼のサポートなしではまた別の苦労を伴っていたことを考えると本当に感謝でしかない。 少し話をしていると、どこでギブアップしたのかなど聞かれる。最初はニュアンスの違いなのかと、ペース

          シドニーマラソン② ブルーマウンテンズを歩く

          シドニーマラソン① マラソンの準備は難しい

          マラソンは難しい。改めてそう感じた9回目のフルマラソン。 シドニーマラソン出場を決めたのは4月初旬。シドニーを選んだ理由は今年もシドニー旅行を考えていたのでせっかくならマラソンも一緒にできればというもの。 2020年から頻繁に起きる左アキレス腱のトラブルやコーチングの仕事を本格化していく中で生活の変化もあり、マラソンを走ろうという気力が沸かないまま気がつけば前回のフルマラソンからは5年半が経つ。 指導するランナーの人たちが目標に向けて頑張る姿を見ているうちに2025年に

          シドニーマラソン① マラソンの準備は難しい

          5:心の旅

          目が覚めると全身の筋肉の張り感を強く感じる。ちょっと起き上がるのがきついが、もう少し寝ていたい気持ちもあったが、すぐ近くの森に飛び出したくなった。 最終日は気温も低くなりひんやりとした風が服と半袖では肌寒さを感じる。 前回走ったトレイルとは反対側の方面を散歩してみることに。 木々に囲まれながらゆっくり歩くとこれまでの経験を振り返り、今後はどんなことができるのだろうかと考えが巡る。 この時、今回の経験について書いてみようと決めた。 旅に出たくなるきっかけは読書から影響を受

          4:成長の実感と喜び

          朝6時に起きると、トムとキムを起こさないように身支度、軽い朝食を済ませ7時前には出発する。 練習場所はバンクーバーの東の方で、バスで1時間ほどと離れた場所だ。 Empire Fieldと呼ばれる運動施設でサッカーコート二つ分の周りをタータンのトラックが囲っている。一般的な400mのトラックとは異なり、長方形の1周580mのコースだ。 9時前に到着すると何人かはウォーミングアップを行っており、また短距離の練習をする人の姿も見受けられる。 軽いジョギングを済ませると時代にク

          4:成長の実感と喜び

          3:目標と散策

          この日は山に囲まれた小さな町スコーミッシュへと向かう。 ここ1年ほど自分にとっての落ち着く場所、リラックスした過ごし方を考えることが多くなった。 昨年の11月にリラックスしようと宮古島へ行ったものの、広がるビーチで過ごすのは求めていたのとは違うようだ。 1人で落ち着く場所と誰かと一緒に落ち着く場所、また過ごし方というのは違うのだろう。 スコーミッシュにはハイキングや登山、クライミングなど多数のコースがあると知り興味を引かれた。 この日はトムの出勤が遅いことから一緒に街の方

          3:目標と散策

          2:ランニングと自己発見

          目が覚めると時計は8時50分。 時差のせいで眠れないだろうなと思っていたが、思った以上に眠ていたようだ。 キッチンに向かうとキムが朝食の準備を、トムは息子のセイガンを保育所へと連れて行くところだ。 少しバタバタとしていたので、邪魔にならないように朝食を済ませる。 UBCのキャンパス内を少し散歩してからレイチェルの家に向かう。 バスで10分ほどと走っても行ける距離だが、迷うといけないので余計なことはしないことに。 予定よりも少し早めにレイチェル家の前に到着。程なくして「H

          2:ランニングと自己発見

          1:再びバンクーバーを訪れて

          「I’ll walk you through the stretches and drills I do before a workout」 声を張って人前で話すことは昔から苦手で、どんな仕事をやりたいのかは全然分からなかったが、どんなことをやりたくないかははっきりしていた。その一つが「人前に立って話すことが多い仕事」具体的には教師など人に何かを教える仕事がまさにそうだった。 人前で話すことは今でも苦手に変わりはないが、ちょっとずつステップを踏むことで自分の進歩を垣間見る

          1:再びバンクーバーを訪れて

          ランニングと状態把握〜無理をしない難しさ

          いつもより少しペースを上げたジョギングをスタート。約20kmの距離を程よい負荷で走る予定だったが、スタートして2kmくらいだろうか、少し胃にムカつきを感じ始める。 吐きそうなほどではないが集中を妨げてくる嫌な感じだ。 ただあんまり良くない状態からスタートして途中から回復してくることも珍しくない。特に早朝ともなれば、動き出しが良くないのはよくあることだ。 「途中からきっと良くなる」 内心で自分を励ましながら歩を進める。 1周約3kmのコースには2箇所、急で短い上り、下り坂があ

          ランニングと状態把握〜無理をしない難しさ

          ランニングクラブ日記〜トラック練習

          今日は2000m+600m×3本を行いました。 600mでしっかりとペースを上げて心肺に負荷をかけるように、まずは2000mでリズムを作ってもらうことを目的にしました。 個人の練習の流れを把握しながらやっているので、メニューの最終決定をするのは当日です。 走力も個人差があるので、距離とペースのどちらを軸にするのかを決めて、仲間と走る、個人の目的に合わせて走るバランスをとっています。 ウォーミングアップではハードルを利用した可動域を広げる動き、ドリルで瞬時に関節を固め地

          ランニングクラブ日記〜トラック練習

          コンディショニングトレーニングの取り組み

          学生、実業団と経験を得て、現在もトレーニングを継続される女性ランナーのコンディショニングをスタートしました。 走っている最中に左脚に力が入りにくくなる症状で長い間悩みを抱えているということです。 コンディショニングを開始するにあたって、これはランニングでも同じですが、まずは相手の現状を把握することから始めます。 本人の主観的な部分、一つ一つの関節の動きのチェックによる客観的な部分を合わせて現在取り組むべき問題点を考えます。 肩から足首までの関節の可動域チェックから入ります

          コンディショニングトレーニングの取り組み

          レースを走る理由と考えること

          「はい、ゼッケン順に並んで」 係員の誘導に従ってスタート地点に並ぶ。少し頭から血流が下がっていくよう感覚で、手のひらはやや汗ばむ。少し胸が膨らんでいるのかと思うくらいの心臓の鼓動。 あと数十秒でスタートを迎える5000mのトラックレース。公式のレースは約3年ぶりとなる。 同じランニングではあるものの、マラソン大会などのロードレースとはまた違うトラックレース独特の緊張感がある。距離が短いこと、また集団が横長でなく縦長となるので自身の目標に合わせた位置取りなども大切となること

          レースを走る理由と考えること

          トレーニングと生活の調和

          「トップ選手がやっているトレーニング」 このような表現を広告に用いられることはよくあります。 一つの何か印象的な練習、食事法とその人の優れたパフォーマンスを一対一の関係で結びつけるように表現することで、「これさえやればいい、ここに秘密がある」という誤った解釈につながることがあります。 トレーニングによる身体の怪我についても同じですが、怪我をした時にフォームの悪さを指摘され改善に取り組む人も少なくありません。 怪我が少ない選手のフォームを切り取って「このような特徴がある

          トレーニングと生活の調和