VAIOがノジマ傘下になる
株式会社ノジマが、国産PCメーカーであるVAIO株式会社の株式を取得し、ノジマグループとすることが発表された。取得額は、111億円である。
ノジマは、主に関東近郊で家電専門店を中心に、キャリアショップ、インターネット、海外、金融など、幅広く事業を展開し、売上:約7,600億円、営業利益:約300億円の会社である。
対前年同期比では伸びているが、実際には主力の家電専門店はそんなに伸びておらず、ここ数年は買収による成長が主なところである。
一方、VAIOは元々SONYのPCブランドとして1997年に始まったが、事業としては赤字が続き、2014年にSONYからVAIO株式会社として独立、売上:約420億円、営業利益:約16億円の会社である。
VAIOは、元々コンシューマー向けの尖った製品だったが、徐々に法人向けへ力を入れ、2024年5月期は売上2桁成長である。仕事の取引先から聞いた話では、法人向けがやはり伸びているらしい。
この2社が置かれている状況を踏まえると、これからWindows11入替需要を控える中で、法人向けに堅実に売上を伸ばしかつブランドが確立しているVAIOは、昨今のノジマからすると魅力的な買収先であろう。
それでは、VAIOはどうだろうか?
2023年3月にVAIOが発表した経営戦略によると、コンシューマー市場で5%のシェアを目標にしているようである。プレミアムニッチと言うブランドから、WindowsPCの定番を目指し、ボリュームを獲得することで製品コストを下げ、生き残っていくと言う意思表明をしている。
この観点からすると、大手家電量販店ほどではないにせよ、家電専門店が株主になることは、悪いことではない。
具体的なシナジーシナリオはこれからではあるが、双方にメリットのある良い買収ではないかと思う。
これからのシナリオに注目したい。