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神よ、ペップ を救いたまえ。
今日のタイトルは、ここ最近のマンチェスターシティの不振ぶりを象徴しているわけではなく、2024年9月に出版された書籍のタイトルである。
ある意味タイムリーなタイトルではあるが、この本に綴られているのは、ペップがマンチェスターシティ監督に就任した2016-2017シーズンから、チャンピオンズリーグを制した2022-2023シーズンの軌跡である。
ペップは、バルセロナ監督を務めた後、充電期間を経てバイエルン監督へ、そして、その後は休みなくマンチェスターシティ監督へ就任している。
ここ数年のインパクトが強いが、そもそもマンチェスターシティは、バルセロナやバイエルンと違い、リーグトップチームではなかった。UAEのアブダビ•ユナイテッド•グループがオーナーで、補強にかけるお金はそれなりにあるが、それだけで勝てるほど、プレミアリーグも甘くない(もちろん、相応のスカッドを整えるにはお金はあるに越したことはないが)。
そこで、白羽の矢が立ったのが、ペップである。ペップ就任前に、バルセロナでともに仕事をしてきたフェラン•ソリアーノやチキ•ベギリスタインがすでにマンチェスターシティで要職に就いていたので、ペップの監督就任も時間の問題だったろうし、オーナーもそこを見越してのソリアーノ、ベギリスタイン採用だったのだろう。
そして、このプロジェクトは、2022-2023シーズンのチャンピオンズリーグ制覇で成功を収めるのだが、そのプロセスを人間臭く描いているのがこの書籍である。特に、人間ペップ•グアルディオラに関する記載は他にはないほどの書きっぷりだ。と言うのも、この本の作者は、バイエルン時代から密着しており(こちら書籍になっている)、外部の人間としては、1番間近でペップを見てきているからである。
マンチェスターシティのクラブとしての成長とともに、ペップの人間や監督としての成熟も描かれた、とても興味深い書籍である(戦術マニアには、物足りないかもしれないが)。
ちなみに、この書籍を読むと、なぜいまマンチェスターシティが苦しんでいるのかが、何となく見えてくる。そして、ペップにとって初めて訪れた現在の苦境も、きっと乗り越えていくんだろうな、と感じられる書籍である。