ホンダと日産の経営統合
本日、ホンダと日産が経営統合の本格的な協議入りを国に報告し、夕方に日産が筆頭株主となる三菱自動車も含めた三社での共同記者会見を開いた。
ホンダ、日産はそれぞれプレスリリースを出して、本日取締役会決議を取るとともに、基本合意書締結し、最終契約締結は2025年6月予定としている。また、三菱自動車はホンダ、日産の統合に参画、関与することによるシナジー享受の可能性を検討する3社間覚書を締結している。
統合が実現すると、売上30兆円/営業利益3兆円を超える世界トップレベルのモビリティーカンパニーを目指すと言う。
ネットニュースなどによると、苦境に喘ぐ日産をホンダが救済する形であるとか、台湾のホンハイが日産買収に向けてルノーと交渉をはじめており、その救済であったとか、いろいろな噂や情報が流れている。
一方で、この統合によるメリットがいくつか挙げられていたが、そのいずれもが規模によるスケールメリットであった。もちろん、統合することのメリットはそこにあるのだが、個人的にはイマイチだなと思っている。
日産はEVシフトしているので、買収の噂があるホンハイとは相性は良いと思われる。ホンダが統合したとしても、EV分野においては日産の方が経験値も技術もあるだろう。そう考えると、ホンダはEV技術を手に入れ、日産は財務的なファイナンスがこの統合の本質であろう。一方、ホンハイはEV事業に注力しており、自動車を造る技術が手に入れば、と目論んでおり、日産が欲しいソフトウェア開発技術、ホンハイが欲しい自動車製造技術と言う統合が実現していたと思われる。
この場合、今後の業界の流れを踏まえると、ホンハイ/日産統合は、EV業界に新しい風を吹かせる可能性が高い上に、自動車会社が本当の意味でモビリティカンパニーとして台頭する可能性が高いように思う。
そう考えると、ホンダ/日産統合による規模の経済はそれなりにインパクトはあるが、ホンハイ/日産統合による業界地図の塗り替えの方が魅力的には見える。