大阪都構想は、間接民主主義マター
今日読んで本当のその通りだなと深く納得する社説。
とはいえ、都構想のようなマターは直接投票すべき案件ではなかったのではないかと思っています。
私自身、維新の主導した大阪の都構想=統治機構改革は賛成です。
理屈で考えれば都構想によって役割分担を整理した組織にした方が意思決定も、より明確化しスピードアップし、予算の使い方も効率的になり、結果として人件費や各種経費の削減にもつながり(=減税)、企業的にいえば資本効率は間違いなく向上し企業価値向上=株価アップ、という政策。
結果として市民サービスに使えるお金が増大してそのお金の使い方が上手になり「市民はハッピー拡大」というストーリーが容易に想像できます。
しかしながら一般的に統治機構改革は地味な専門領域なので、当該市民の大半にはよくわからない。ふだん政治や組織論のことを専門的に考えているわけではありませんし、興味もありません。
むしろ「大阪市がなくなってしまう」的なノスタルジーの感情に引っ張られてしまう傾向の方が強いのではないか。地元愛が強そうな高齢者や南の方の投票結果をみても、この傾向が強いようです。それでも市民の半分の人が賛成しているのは、ノスタルジーに捉われず、本来の趣旨がわかっている人か、これまでの維新政治が評価されているからかもしれません。
したがって都構想のような多数の生活者に分かりにくい政治的専門分野は、専門家に任せるべきで、議会の立法制度の範囲内(間接民主主義)で意思決定すればよかったのではないかと思うのです。
今回は、日経新聞社説の通り直接市民に問うようなマターにしてしまったので、後々市民の間に禍根を残すような結果になってしまいました。
民主主義には直接民主主義と間接民主主義があって、間接民主主義は政治を任せられた専門家が、専門的視点で俯瞰的に判断して意思決定しやすい手法。
わたし自身、都構想は、直接民主主義よりも間接民主主義の方が機能する場合もある、ということを再認識させられた課題でした。
*写真:2016年 秋の大阪城