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日本とは何か?

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日本列島における人間の営みについて思想を軸にした書評中心のライティング。
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#記紀神話

横須賀「走水神社」にてオトタチバナを想う

昨日は、天気が良かったのでサイクリングがてら、横須賀「走水神社」に行ってきました。走水神社は、東京湾岸各地の名称の所以ともなったオトタチバナを祀ってある由緒ある神社。 「思想の地形史」の「湾」では 海に面した鳥居をくぐると、山道がまっすぐに延びている。その右側には社務所や、オトタチバナの姿を刻んだ「舵の碑」がある とのように、社殿の石段を登りつつ振り返ると 東京湾に面していて、 神社の裏山まで登ると美しい東京湾の風景が望めます。内房の工業地帯もくっきり。 記紀神話

「読み解き古事記 神話編」 書評

<概要> 古事記上巻を中心に、日本の神々から皇統に至る神話の数々を、丁寧に解説した新書。 <コメント> 古事記の専門家、三浦佑之さんの著作は、1年前に読んだ「古事記神話入門」以来。 最近は、ギリシャ神話と日本の神話をパラレルで勉強しているので、その類似性について一度整理してみたいと思っています。 そして最近感じるのは、神話というのは、全てがフィクションというわけでもなく、過去にあったエピソードを面白おかしく整理して、誰もが楽しめるよう編纂されたもの、つまり今でいえば歴史

「熊野から読み解く記紀神話」 書評

<概要>「すみっこ」という意味の隈の場所「熊野」を題材に、熊野に縁を持つ研究者、小説家、地元の活動家などが持ち寄った熊野にまつわる日本神話・民話の世界を紹介した著作。 <コメント>先日、早稲田大学のオープンカレッジで、池田雅之先生が主催する講座を聴講したきっかけで読ませていただきました。 本書の中でも尾鷲出身の池田先生のほか、熊野市文化財専門委員長の三石学さん、作家の中上紀さん(中上健次の娘)など、熊野にゆかりの深い方々がそれぞれ、自分のテーマを持ち寄って書かれています。