【CLE】Austin Hedgesと再契約
現地11/6の夕方(日本時間7日早朝)、ESPNのJeff Passan記者から、ガーディアンズがAustin Hedgesと再契約したという速報が入りました。その30分後にはガーディアンズ公式からも発表があり、正式に契約が決まりました。
契約内容は1年400万ドルで、今シーズンと同額です。それ以外の契約内容が分かりませんが、今年と同様にバックアップ捕手としての起用が濃厚ですので、インセンティブ等の細かい契約内容は特にないシンプルなものだと思います。
求められる役割
来年33歳になるベテランキャッチャーのHedgesですが、役割は以下のとおりになります。
クラブハウスのまとめ役
ムードメーカー
Bo Naylor(以下Naylor弟と表記)のバックアップ
野球選手なのに期待することの半分以上がプレー以外の点になっていますが、これには2023年の苦い経験があります。
過去の苦い経験
2020年オフにガーディアンズに加入したHedgesは、2022年オフにサービスタイムが6年を経過したためFAとなりました。当時のチームは捕手の打撃力アップを目的に再契約をしなかったため、2023年は彼なしでのシーズンとなりました。ところが、開幕からJosé Ramírez以外の野手陣が低空飛行を続けます。そのまま特に変わらずトレードデッドラインを迎え、半ば白旗を揚げるようなトレードをしてシーズンが終わってしまいましたが、その原因の一端にムードメーカーの欠如がありました。
チームの大黒柱が押しも押されぬRamírezなのは周知の事実だと思いますが、彼はプレーでチームメイトを引っ張るタイプであり、言葉でチームをまとめるタイプではありません。そしてHedgesのいないチームはRamírez1人に頼るチームとなってしまったため、2023年のガーディアンズには、全く調子が上向く気配がないチームの空気を一変させる人物が誰もいませんでした。
若い選手の多いチームは勢いがついたときの破壊力や将来のポテンシャルが期待できますが、2023年のガーディアンズは、脆く立て直しづらいという悪い面が出てしまった1年と言えます。その反省を踏まえ、オフにレンジャースをFAとなっていたHedgesを再獲得しました。
今年のガーディアンズの成績は皆さんもご存知だと思いますが、選手たちはインタビューで、Hedgesのクラブハウスでの働きに対するリスペクトを度々口にしていました。ムードメーカー役はDavid Fryも一翼を担っていましたが、チームが崩れそうな時はHedgesがまとめ上げていたようです。投手野手を問わず、選手からの信頼は非常に厚いものがありました。
ここまでチームケミストリー的なことのみの説明に終始していましたが、キャッチャーとしては400イニング弱の出番でDRSは+5、FRVも+8と相変わらず素晴らしい守備能力を維持しています。そしてALDSの第2戦では、相手先発がTarik Skubalとあって1点も与えられないなか、8回まで4人の投手を無失点で引っ張るなど、目に見える実績も残しました。打撃については折り紙付きの惨状ですが、ガーディアンズにとってはそれを差し引いてもHedgesを保有する意味があります。
来シーズンのガーディアンズは、Fryが右肘の手術の影響でシーズンを通して守備に就けないことが確定しています。そのため、恐らく来シーズンは2年ぶりに捕手2人体制で迎えることが予想されます。守備だけが覚醒したNaylor弟の打撃が復調し、打撃がからっきしなHedgesにできる限り頼らないのが理想ですが、いざとなったらプレー面での貢献も期待しましょう。
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