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腰痛治療で犬を飼う

以前見た情報バラエティ番組。
腰痛持ちとしては気になるところでどんな体操か、ストレッチか、はたまた名医の登場かとさんざん前振りの後、「犬を飼うこと」ときた。

そりゃないだろう。

ようは気をそらすことらしい。

バラエティ番組を真面目に見ていた自分がわるいのだが、一理あるような、無いような。普通に腰痛体操やいわゆる名医を勝手に想像するこっちが悪いと言わんばかりの展開だった。

だが待てよ。

子供の頃、「痛いの痛いの、飛んでけー」と母に言われると、なんだかそんな気分になったこともある。以前釣りに出たとき、釣り針を指先に刺してしまってなかなか抜けない同僚に対し、船長が「ちょっとあっち向いてて」と言って0.1秒くらいで針を抜いたことがある。

正確には抜いたのではなく針を思い切り引っ張っただけで当然出血したのだけれど、見ている目の前で起こるのと、船に揺られながら水平線を見ている間に起ったことでは感じる痛さも異なるだろう。かく言う自分も健康診断で採血の時は腕を見ないようにしている。

言い古されてはいるが、大勢の前で話すときに緊張するなら、聴衆を芋だと思え、などともいう。

そうか、どれもみな気をそらすこと、自分をだますことだな。

今も毎朝腰痛で目覚めるのだがその後は寝るまで全く痛くなることはない。そんな「朝だけ腰痛」はもう十数年くらいか。

マンション住まいゆえ、バラエティ番組で見たような腰痛解決方法として犬は飼えないが、カメならいる。だが、カメの世話くらいでは腰もなかなか騙されてはくれない。

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