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【書籍】呑めば、都 居酒屋の東京

マイク・モラスキー著、「呑めば、都 居酒屋の東京」を読んだ。
日本に長く住む、ガイジン目線のトーキョー居酒屋探検記と思ったらさにあらず。はるかに奥が深かった。
「町」「店」「人」を一方的に消費する「観光客」=Touristの域を脱し、出会いの喜びを味わいながら他者にも喜びを与える、れっきとした「旅人」=traveler目指すべきだという。(吉田類と双璧?)

これに沿って考えるなら、自分はTouristとTravelerの中間といったところか。呑んで歩いて立派な書籍に仕上げるという術を持ちあわせていない。(まだまだ修行は足りない)

一方、人それぞれの呑みかたというものがある。何人も連れだって飲みに行くのは疲れたし、一人で好きなものをのんびりつまむのがいい。バイトの中国人店員と、たまにひと言ふたこと何ということもない会話をすることで、ふだんぶっきらぼうな表情が一瞬笑顔になるのを見るのもいい。「小町」だった女将のぼやきを聞くのもいい。無理やり隣の常連と話す必要はない。

一人ではつまらないという人もいるがむしろ満足度は高い。

常連客の中には、ひたすら店員に自慢話をする者もいれば、つるんで騒ぐ者もいる。それらも含めたすべてが店のカラーだ。その雰囲気でもOKでなければ通うことはできない。寛容の心とでもいうべきか。それを押してでも通いたくなる店は本当に気に入った店ということになる。

そして、そういう名店は人には教えないものだ。

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