街で人に話しかけられまくる人の話。3人目
ちょっとしたお出かけでもオシャレをしたい★
この冬、最高に楽しみたいんだもん♪モチ、最高のコーデでお出かけっしょ↑↑
生きていたら、そんな情緒の日も出てきますね。
まあ確かに真冬だけど、真冬だけどもね、平成最後はやっぱアンクルパンツっすよ。
剥き出しのくるぶし、いと寒しンクルパンツ。
正直洗濯終わってたのがこれしかなかったンクルパンツ。
そんな気持ちでね?ご自慢のアンクルパンツで
昼飯を買うべくコンクリートジャングルを闊歩してるとっすよ。
後ろから大声で言われるわけですね
「ちょっとアンタアアアアアアーーーーアアアア!!!!!」
嘘でしょと、外出て2分だぞと。
外に出てきた奴に出来るだけ早く話しかけ選手権開催中か?と
やっぱりイヤホン取って振り向くわけですね。
この世界の人間は自分に外で音楽聴くことを許さねえのか?と思うほどに
イヤホンの存在を無視して話しかけてくるわけです。
AメロBメロ超えたサビも聴きてえよ。
で、まあ振り向いた先にはシルバー世代のレディ、
略してシレディが息せき切ってかけてくるわけですね。
HAHA!やあシレディ!!オイオイどうした?
何か良いニュースでもあったのかい?と
アメリカンに返答する事もなく
無言でハァハア言ってるレディを待つわけですよ。
いやめっちゃハアハア言ってるな。本当に。
どんだけ遠くから話しかけて来てんだ。
24時間テレビならサライが聴こえてくるほどのクライマックス感だよ。
なんでそんな無理してまで話しかけて来てんだ?
と思うような、
もしかしたらすごい困ってるのかもしれない。
と思うような。
で、やっとこっちに来て、
弾んだ息で言うわけですね
「アンタ、ハァ、クッ、く靴下、ハァ…は、履かんのか?」
いやごめんて。
嘘でしょシレディ。
視力マサイ族並みか???
めっちゃ遠くから走ってきてまでわざわざ言うそれ????
若干吐きそうになってるけど大丈夫?
吐きそうなところ申し訳ないけどこっちはもう履いてるから。
申し訳ないけど裸足に革靴、不倫は文化!みたいな精神では生きてないから。
不倫はダメだし靴下も履いてるからね。
「ハハ…いやいや履いてる履いてる」
って何が嬉しくてオシャレ上級者、真冬のアンクルパンツ人間が
おちゃらけた愛想笑い浮かべて
道のど真ん中で靴を脱がなきゃならんのか、と思いつつ
脱いで見せるわけですね。
いや余計寒いわ。
こんなありのままの足首出したらエルサでも少しは寒いわ。
「ハァ、履いてたんか…ハァ……そうか……」
なんで若干がっかりしてんだ!?!!?
えっ何この申し訳なさ、ごめんなんか…
いやよく見たらシレディ尋常じゃなく服着こんでんな…
「えっめっちゃ着こんでるな…」
いや声に出ちゃったよごめん。
「そりゃそうよ!!!!年寄は着こまないとダメ!!!
若くてもアンタもっと着こまないとダメよ!!!」
アップダウンがすげえわ。
唐突に元気を取り戻したシレディ。
こういうキャラRPGの村とかにたまに居るよね。
気を取り直して会話を続けてみるわけですね
「今からどっか行くの?お出かけ?いいね~」
向かう先が駅の方向だったから仕方ないけど、
なんかLineやってる?コピペみたいになったな。
「いやそこのスーパー行くだけよ。」
あら奇遇
「えっ!!!!一緒じゃ~ん!!!こっちも昼飯買いに行くとこ!!!!」
奇遇な事に自分のテンションが想像以上に上がったのか
やたらハイに返答してしまった。
こっちの情緒も大概不安定なのか????
「あっ…えっ、そう、まあとりあえずもっとちゃんと着込みな!!!頑張りな!!!」
想像の100倍もう会話終えたがってるじゃねえかよ!!!!!
話しかけてきたじゃねえかよ!!!!
思ったより慣れ慣れしかったんだろうなあと思いながら
「ウッ、オウ!!!ありがとう!!!!」
と言い残して大股で歩き出すンクルパンツ。
その背中にはただただ、真冬の哀愁と少しの温もりが漂っていた。
今回の画像はこの前食ったうどんの盆で寂しく落ちてたネギ。
こういう気持ちになった出来事だったってね…。
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