街で人に話しかけられまくる人の話13人目。
今までの中で一番読んでほしい回です。
この話をするためにこのマガジンを始めたんだ、
読んでくれ!!
まだ2019年に読むべきnoteがここにあるぜ!!!!!!
ま、2、3年前の話なんですけどね。
その日は好きなバンドのライブに行く日でして、
ライブまでしばらく時間あるし、
一緒にライブ見る友達とも現地合流現地解散だしってことで
どっか入って時間潰すか〜と思ってたちょうどその時。
「すみません、私の発表を聞いてもらえないか?」
つってカタコトアジア系な女性二人組が話しかけてきた訳です。
イヤホンしてめちゃくちゃ早歩きしてたけども、
余裕で捕獲されるわけですね。
「それ何分ぐらいっすか?」
「30分ぐらい…。」
30分だったら店で潰すのと同じぐらいだなというのと、何の勧誘であれ「発表を聞いてくれ。」という誘い文句が斬新なのもあって
(せっかく発表のための準備したって
聞く人間が居ないと発表にならないもんな…)
「聞くだけならいいっすよ!」
って快く引き受けた訳です。
するとこう、小脇に抱えてた40ポケットくらいのクリアファイルをバッと開いて
「あなたは聖書を信じますか?」
あっ想像よりベタなやつ!!!!!!
なんて気持ちのいいストレートなんだよ、
キャッチャーミットにドセンのストレート。
コイツァ面白い試合になりそうだぜ…!つって
こうなりゃ発表を盛り上げていくしかない。
そういう気持ちになるわけですね。
「あ〜。まだ読んで無いんで信じる信じないは考えた事ないですね。」
ってちゃんと返すわけですね。
これが言葉のキャッチボールのモデルだよと、
発表がやりやすいように、そんくらい良いところに返すわけっすよ。
「聖書には全部書いてある!!!!」
いやキャッチボールは!?!!?なんでもうマジもんの圧で試合すんの!?
ゴールまで一緒に走ろうって言ったじゃん。
そっちがその気ならこっちが手を抜くわけにはいかねえな…!!
「へ〜そうなんすか。」
「あの災害もあの災害も全部書いてあった。この絵を知っていますか?」
「これあの〜なんか何でしたっけ。晩御飯?でも外明るいな…お昼ですか?」
「いや時間はいいんですけど。」
「この真ん中の方全然話聞いてもらってないから怒ってるんですか?」
「別にそうではないと思う…。」
「よくありますよね、学校の先生の静かになるまで何分掛かりました。みたいなの、あれって日本特有なんですか?」
「確かにそういう言い回しはわたしの国では無かったけど…そういう事じゃなくて、これ全部聖書に書いてあったんです。」
「へえ〜そりゃすごい事だわ。」
「ネ、すごいでしょ!!!!で、ここからが本題です。」
「おっ唐突に早押しクイズみたいなノリ。」
「このまま行くと地面から火柱が上がって世界が終わります。」
「ええー!!!!いよいよ終わっちゃうか地球!人類!ハァー、それは見る日が楽しみっすね!!!」
「えっそういう事じゃなくて。神はね、みなさんに救われてほしいと思ってる。」
「そうなんですか!?でも火柱上がったあと住むより死ぬ方がマシなんですけど。」
「いや火柱の跡に住まないけど、死んだ後天国に行けるようにってこと。何で住めるそこに?」
「あっそっち、なるほど。」
「皆さんは神の子供なので、救われてほしいと神も思ってるんです。でも、一人一人に神は直接それを伝えられないから、私たちが代わりになって、皆さん一人一人に教えているんです。」
……。
「そうなんですか!?へえ〜神様ですら報連相が上手く出来ないのに
人間が上手くできるわけないですよね、そう思うと元気でるよね!?」
「いや、そういう事じゃないんですけど!!!」
「貴女もねえ、大変ですよね、海外からさあ、来て。その国の言葉をちゃんと話してさ、んで一人ずつ救うってことですよね?もう本当にすごい事ですよそれは。本当に偉いと思うな。すごい。頑張っても貴女みたいに知らん人間に優しくなれねえもん。仕事とか何されてるんですか普段は?」
「え、事務です。一般職?」
「報連相上手く行ってます?仕事で。しかも日本語ですよね?大変でしょ。」
「いやすごく大変!全然伝わらない時もあって、本当に辛い時もいっぱいあります。」
「あーそれで神様が救いになってくれたって事か、信じられるものがある人生って何であれすごく素敵なことっすねえ。」
「そうなんです!だから他の人も救われてほしい。」
「偉え!!偉えよ!!」
「なので目の前のあなたにも今救われてほしいんです。私達の教会がすぐ近くにあって、車で15分くらいなんですけど、そこでパンとぶどう酒を貰って欲しい。」
「いやそれは大丈夫っすわ。」
「えっ!?」
「いや大丈夫です、パンは絶対食わんしぶどう酒も絶対に飲まん。」
「地獄に堕ちるんですよ!?いいんですか!?」
「いや別に良くは無いけど。」
「地獄ってあなた知ってますか!?」
「いや見たことないんで未だ知らないんすけどどの層の地獄ですか?阿鼻地獄?叫喚地獄?大叫喚地獄?」
「いや電子レンジに手を入れてチンしてみてください、それが地獄です!!」
チーン!
「現代の地獄はめちゃくちゃインスタントに体験出来るんだ!!!??」
「じゃあ名前だけでも教えてください!!わたしはリラです!!」
「そうかリラちゃん、知らん人に名前なんか簡単に教えちゃ駄目だぞリラちゃん!!これからは気をつけるんだぞリラちゃん!!」
「うっ、じゃ、じゃあ連絡先だけでも。」
「オイオイ何言ってんだリラちゃん、本当に救いが必要であれば神が会わせてくれるのに、信じてやれないのか神様を。」
「ええ、いやそれは。でもこんなに話聞いたのに!?」
「いや聞くだけって言ってたから聞いたんだけども。」
「そうか、でも残念、あなたにも救われて欲しかった。でも聞いてくれたのがいい人で良かったです。」
「え〜〜そんっな優しいこと言ってくれるのマジでリラちゃんだけだわ、また地獄見たら連絡するね?」
「そういうものじゃないんですけど!!!!」
「まあまあ、じゃ、またね。火柱上がる日まで、元気で頑張って。」
「また会います!!」
「そりゃ楽しみです!」
途中から、あっこいつは何言ったってダメだという顔をしていたもう一人の女の子をよそに、
アツい宗教勧誘をしてくれたリラちゃん、元気にしてますか?
いやー、勧誘が上手くいかない時も、
邪険にされてしまった時も、
あんまり落ち込まないで欲しいね、
どうもまだ君とは再会出来ないようだし、
世界の破滅は遠いわけじゃないですか?
だって神様だって報連相すら上手くできないらしいからな!
このまま君と2度と会わないでいいよう、切に願ってます。
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つうことでね。
いやこの話以上に人に話しかけられて面白かった話は正直無いんですよね。
だからこの話を書くときは最終回かなって思ったわけです。
つうことでね、しばらく面白い話があるまでこのマガジンの更新頻度はかなり下がるかもしれません。
楽しんでもらえて嬉しかったなつって。一旦締め。
笑えましたか、2019年の締めに笑えるノートになりましたか??
ちょっとでも笑ってもらえりゃこれ幸い。
そしてこのニートが外に出て話しかけてもらえるように100円でも投げ銭してくれりゃハッピー。
そんな図々しい気持ちで書いてます。
それは個人の意思に委ねる!そんなわけで皆さん今年はノートを始められてよかった!!
どんな年を過ごしたかはノートを読んでくれたらわかるねって。
宝塚でバズってビビり散らかしたな。