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【GT7】コックピットビューの設定値と挙動の変化について
こんにちは、ブラボーです。
突然ですが、皆さんはGT7の挙動の変化についてどれ程把握されていますか?
GT7をやっているとプレイヤー間で意見が分かれる要素として「車両の挙動変化」が挙げられます。後輪駆動車の操作が途轍もなく難しかったのが解消された様に、発売から現在に至るまでアップデートを重ねていく過程で挙動が変化した場面は確かに存在し、公式が公開しているパッチノートにも調整箇所が記載されていたケースが複数回ある事から、紛れも無い事実と断定できます。
ところがプレイヤーの間ではそうした記載がないアップデートにおいても「挙動が変わった」と言われる事があります。所謂「サイレント修正」と呼ばれるものですが、自分はこのサイレント修正の変化に対してとても鈍感で、アップデートが実施される度に「挙動が変わった」という意見が散見される中でも全く違いが分からず、サイレント修正の存在に対してやや懐疑的な目で見ています。
そんな中挙動にまつわる奇妙な話をSNS上で見かけました。それは「コックピットビューの設定値によって挙動が変化する」というものです。俄かに信じ難い話ですが、DR:A+レベルかつ長年プレイしGr.3カテゴリを熟知する実力者の方々が仰っているだけに全くのデタラメとも思えず、今回自分とフレンドを含めた複数人で簡単な調査を実施したので所感をまとめてみます。
◆コックピットビューの設定値による挙動の変化を検証
前述の話を掘り下げると「コックピットビュー以外の視点でも調整効果が得られる」「アンダー/オーバーの各挙動に微調整を加えられる」「特定のコーナーで底付きしてスピンするのを解消できる」との事。
何故単なるPOV(Point of View)の位置調整で車両の挙動に影響を及ぼすのかは後述します。
「検証方法」「変化の傾向」「検証条件」は以下の通りです。
【検証方法】
思い込みを廃する為ドライバー役は自分でコックピットビューの設定値を変更・目視せず、調整役がシェアプレイ機能を使用してドライバー役のコックピットビューの設定値を変更、待機プレイヤーはシェアスクリーンで調整を監督という形式で実施しました。より突き詰めるのであれば、ドライバー役には検証内容を伝えず実施するのがベターかもしれませんね。
【検証の流れ】
①ドライバー役と調整役に分かれる
②ドライバー役は1分程離席
③調整役が設定値変更
④約2~3周走行
⑤走行後調整内容確認
⑥再度②に戻り2~3セット実施
【上下の数値】
+方向 アンダー傾向へ(上昇)
-方向 オーバー傾向へ(下降)
【前後の数値】
+方向 オーバー傾向へ(後退)
-方向 アンダー傾向へ(前進)
【検証車両】
アウディ R8 LMS Evo '19
レーシング・ハード タイヤ
セッティング各種 初期値
エアロパーツ各種 ノーマル
【検証コースと設定】
マルチプレイ ロビー プラクティス
レイク・マジョーレ・サーキット フルコース
時間帯 午後 プリセット天候 S01
イコール・コンディション オン
BoPオン/セッティング可能項目なし
コース外グリップ低下リアル
メインビュー(バンパービュー)で走行
ベストタイム 1'56.8 後半
平均ペース 1'56.9~57.0辺り
◆検証結果と考えられる仮説
結論ですが「挙動やタイムに"ほぼ"変化は無いが、極僅かに感触に影響があるかもしれない...」というものです。ここまで読み進めて頂いたのにあやふやで情報量のスカスカ具合に怒られてしまうかもしれませんが、本当に極僅かに影響があるかも?レベルで、挙動の変化に敏感な人がなんとか察知できるものだと思います。
自分に関しては「変化が分からず、タイムへの影響も確認できなかった」のですが、協力者の反応を見ると僅かに感触の変化があるかもしれないという方と自分と同じく全然分からないという方に分かれる結果になりました。
変化が感じられた方々の感想をまとめると「縁石を踏んだ時の手応え」や「コーナー脱出時の挙動」に違いが感じられた様です。変更内容と照らし合わせるとオーバー寄りの調整で姿勢が乱れ易く、アンダー寄りで安定するとのこと。
ターン11(バンクヘアピン)で底付きしてスピンするという現象はどの数値であっても確認できず、協力者の方もスピンしていませんでした。これはPOV調整よりもコーナー進入時の姿勢やブレーキ及びステアリング操作に因むものではないかと考えられます。
またハイダウンフォース故に安定しているレーシングカーだと変化に気付きにくい可能性があると考え、自分とフレンド1名で車両を市販車の「トヨタ 86 GT Limited '16」に変更、コースを筑波サーキットに変え、数値を変更し周回しましたがやはり挙動の変化は分からず、ラップタイムについてもどの数値であっても0.1秒未満の振れ幅で有意な変化は確認できませんでした。
挙動が変化すると仮定して、そもそも何故コックピットビュー(POV)の設定値を変更すると車両の挙動が変化するのかという話になりますが、ゲーム内で車両に乗るドライバーの体重が設定されている場合、POV設定値調整=ドライバー(目線)の位置調整であると考えられ、事実上シートポジションの調整と同義となり、挙動に影響を与える可能性があります。
リアルのモータースポーツにおいても重量物がパフォーマンスに影響を与える例は枚挙がなく、サクセスウェイトとして重量増が課せられ本来のペースを発揮できず苦戦する場面が見られたり、車両の改良でエンジンの搭載位置をより低く中央に寄せた結果戦闘力が向上するなど、ドライバーという重量物の位置が車両の運動性能に影響を与えても不思議ではありません。
ただゲーム内での視点移動量から見ても前後上下共に±5cm程度の移動量に過ぎず、元々車両中央近辺に座しているドライバーの僅かな位置調整が大きな影響を及ぼすとも考え辛い為、POV調整による挙動の変化は人によっては全く察知できないか、察知できる方からしても軽微な差異に留まっているのではないか?と考えられます。
◆まとめ
まとめると「コックピットビューの視点調整による挙動変化は、可能性自体はあるものの変化量は極々軽微で体感が難しい上、ラップタイムへの影響もほぼ無い」というのが、今回自分が得た調査結果になります。
フィーリングが良いに越した事は無いのですが、より速くなりたいという方はこの設定に固執して調整するよりも、先にコースの習熟に充てた方が有意義ではないか?というのが偽らざる感想です。
人間誰しも近道をしたがるものですが、やはり地道な努力は避けて通れない様です。こればっかりは仕方ないですね...。
今回自分は何にも体感できないというちょっと情けない結論に至りましたが、多くの物理現象が絡み合って成り立つ「自動車の運動」をシミュレートしている以上、様々な事が起こり得るのだと思います。この記事を読んだ皆さんが今後のアップデート等で感じた挙動の変化があれば、是非教えて頂きたいです。
おしまい