Ableton Live と Push を買った時の話
こんにちは、グルンハールです。
Ableton の製品レビューとか、学び得た内容というよりかは、買った当時のリアルな話をしようと思います。
Ableton Live
元々音楽を聴くことは大好きです。
2017年の夏が終わりかけた頃、SNS の広告で Ableton Live の存在とセールを偶然知りました。運命的な出会いだったかもしれません。
自分で音楽を作る、という発想は無かったので、とても新鮮でした。
新しい可能性が見えた気がしたのです。
「私にもできるかも」
メモ帳に値段をメモして、数字とにらめっこしながら、自分の貯金とか経済的なバランスとか、頭をポリポリ掻きながら悩みました。
Ableton を知らなかったことにしようとしました。それでも忘れられない。どうしても気になってしまう。
何回も公式サイトでデモンストレーションの動画を観に行って、私にもできるのか、これからも続けられるのか、と考え直したことを覚えています。
趣味のはずなのに、とても真剣でした。
エディションと呼ばれるランクのようなものが3つ分かれており、どうせやるなら、どうせ楽しむなら、とのことで最も多機能でランクが高い Ableton Live Suite に決めました。
誕生日も近づいていたので、自分自身に向けてのプレゼントにしました。
ええい、思い切っちゃえ!と勢いに任せたのです。
Ableton Push
ソフトウェアの他に Ableton Push(正確に言うとPush 2)も一緒に購入しました。いわゆる MIDI コントローラーです。
楽譜が読めなくても64個以上もあるボタンとノブを使いながら打ち込める。直感的に作曲できるとのことで全く詳しくなかった私にはとても魅力的でした。もちろん今でもすばらしいマシンです。
公式サイトで購入したものの、形式的にはドイツからの輸入で、自宅の玄関で関税を払ったことを今でも覚えています。人生初だったのでどきどきしましたが、良い思い出です。
豆腐と水菜
当時の私にはかなり大きい出費でした。経済的なバランスを保つために、何ヶ月かの間、食費を削ることに決めました。
1日3食を2食に減らし、お昼ごはんを多めに食べて(ランチでごはんおかわり無料などを活用し)夜はごはん抜きにしました。
この程度で私は死なないだろう、と。
朝ごはんとお昼ごはんだけ。
夜にお腹が空いても、水を飲んでごまかします。
最初の1〜2週間はなんとか続きましたが、きつかったです。
一方で私の手元には Ableton Live と Push があったのでどこか心が満たされていて、不思議な状態でした。
なんとか続けようとしましたが、空腹の状態で夜ベッドに横になった時にちょっと悲しくなってきて、エキストリームな自分を反省しました。
「白か黒かの状態ではなくて、その間のちょうどいいところにおさまらないか?」と脳内でミーティングを開いた結果、豆腐を食べよう、と決めました。
スーパーに行けばほぼ確実にあります。
絹豆腐のパックが3つセットになっているやつ。税込で100円未満だったかと思います。
そのまま食べるか、醤油をちょっぴりつけて食べました。このまま豆腐生活を続けよう、と。
ところが、豆腐ってやわらかい。口に含んだ後、そこまで噛まなくても飲み込めてしまう。その結果、「食べた感」があまり感じられない。
再び脳内ミーティングを開きます。
豆腐は続けたいけれども、カップ麺とか菓子パンとかにしたくない、なるべく健康的にしたいことが理想でした。
豆腐を買い足すため、スーパーに行きます。
全体を見渡して、ピンときたのが野菜コーナーにあった水菜でした。
水菜の束を買ってきて、洗って、ひとくちサイズに切り刻んで、タッパーウェアに保存するだけ。シンプル。
お腹が空いた時に冷蔵庫から取り出して、そのまま食べる。
ポリポリシャリシャリ。
歯ごたえがあるので、自分の脳みそをだますことができ、栄養を取ることもできます。
豆腐のイソフラボンと、水菜の食物繊維、ビタミン、ミネラル。
私、良いこと考えたじゃん。
こうして数ヶ月〜半年くらい続けられることができました。
さいごに
ある程度時間が経って振り返ってみると、なかなか面白いことをしたなぁと思います。豆腐と水菜を食べながら、Ableton でよくわからない音楽を夢中になって作って楽しんでいました。
時間をかけて経済的な凹みが回復してきたところで「豆腐と水菜」政策を緩和しましたが、今でも Ableton が視界に入ってくる度にちらっと思い出します。
Ableton だけに限らず、ソフトウェアや機材は気軽に買えるものではありません。お腹が空いた日々は続きましたが、自分自身がハッピーになれるのなら思い切るのも良い選択なのです。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
PS
記事の見出し画像は私が描いた絵です。
全部読んだ後に改めてよく見てみると… 気づきますね。
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