人事評価面談前に確認!フィードバックする際に、まず部下に促すべきたった2つのこと
こんにちは。管理職の皆さんは評価イベントだけではなく、日常的に部下と面談をする機会が多いと思います。その時に、どうしてもフィードバックが上手く伝えられない、相手が真意を受け取ってくれる気がせず憂鬱、なんていうことはありませんか。
実際、ある調査によると、相手の気分を害したり反発される心配からフィードバックを躊躇するという方がなんと85%以上でした。
対人関係は相互関係です。また、仕事の悩みのおよそ9割は人間関係に関することと言われます。お互いに影響を及ぼし合っているという前提に立てば、例えばフィードバックにおいても、よい時間にしたいならば「伝え手/受け手の共同作業」という認識を持つ必要がありますね。
上司部下の一般的な面談などでは指導やアドバイスが含まれることも多く、部下側は受け身になりがちです。そのため、良い場にするためには、上司側の力量や努力が問われやすいと思います。でも、これは大きな間違いです。特に、フィードバックを材料に対話をしていくような機会は、受け手のスタンスやスキルも重要です。
ところで、あなたが誰かから日頃の仕事について、あるいは職場における立ち位置や振る舞いなどについてフィードバックを受けるとしたら、どんな気分になりますか?
「やった!自分がどう思われているのか知りたい!改善できるところを明らかにしたい!」そんな風に思える方は、多くはないでしょう。
前提として確認しておきたいのは、フィードバック、特にネガティブなそれは「嫌なもの」で「抵抗を感じる」のは当たり前。ストレスを感じ避けたくなるのは、人として自然な反応です。
なお、こちらの記事もフィードバックに関して考えを深める参考にしてください。
その上で、どうすれば時にネガティブなフィードバックも受け入れられるようにしていくのか。それには、①避けたい気持ちをコントロールする、そして②成長したい気持ちを大きくする、の2つが必要です。
①避けたい気持ちをコントロールする
ストレスは大なり小なり感じるものだと理解し、その上でフィードバックを受けるための以下のTIPSを実践して、ネガティブな自分自身の反応をコントロールします。
1)心構え
・自分から求める、漠然とではなくポイントを絞って聞く
・内容と人を分けて考える
・課題を「成長余地」と置き換えて聞く
・相手は自分の成長を願ってくれていると考える
2)傾聴する
・反論や言い訳をしたくてもまずは最後まで聴く
・即座に反応せず、内容を理解・分析することに意識を向ける
・どうしても解きたい誤解があれば、最後に伝える
3)受け止める
・まずは、感謝の気持ちを伝える
・役立つ部分が何であったか、自分の言葉で説明する
・受け容れてどう行動するかは自分が判断する(置いておく、でもよい)
・「未来の成長」につなげるのは自分
そして
②成長したい気持ちを大きくする
自分自身の成長意欲で、フィードバックへの抵抗感を克服します。①「避けたい気持ち」はその人の性格や価値観が影響している部分もあり、小さくしていくにも限度があります。そこで意識を向けたいのは、それを上回る成長意欲です。未来の自分の成長につながる、少し長い目線で見れば自分が得をする、そのように考えましょう。
視点の置き所を、成長して実現したい姿に合わせるのです。「現状の足りない部分」ではなく、「未来の理想の姿と比べた時の伸びしろ」とできるかで、前向きに受けとめられる気がしませんか。
だから、自分の成長や将来どうなっていきたいのか?をできる限り、上司部下で一緒に考えておくことが大切になるのですよね。
いかがでしょうか。
上司が部下の成長に責任を持つように、部下は自分自身の成長に責任を持つ。経験上、上司は、部下が思っているよりもずっと、部下のことを考え成長を願っているものだ思います(伝わっていないことも多いのですが…)。その気持ちを伝えるためにも、「フィードバックは共同作業なんだよ」と、面談前に話していただくのもよいかもしれませんね。
またお会いしましょう。
(執筆者:三木)