面談前に確認!「部下のキャリア」で迷子になった時、持っておきたい目線とは
こんにちは、上期の追い込みで忙しくなっている方もいらっしゃるのではないでしょうか。
さて、以前、「デキるマネージャーは面談で何を話しているのか?」について書きました。
今日はそのポイントの1つ、本人のキャリアを踏まえた話をしているに関連した内容を書いてみます。
それにしても、部下のキャリアを示すのってめちゃくちゃ難しい!わかっているけどやるのが難しいのですよと、苦労されている管理職の方からの嘆きをいただきました。よりはたらく価値観が多様になり、働くにおいても「自分らしさ」を大切にするようになれば、ますますその難易度は上がりますよね。
「部下の将来を考えて、新しい〇〇な力がつく仕事を提案してみたけれど、良いリアクションを得られなかった…」
「昇格に必要な、△△な役割を担うよう提案したが、全く興味がなさそう…」
ことキャリアに関しては、あちらこちらで上司と部下の思いのすれ違いが起こっているようです。
そもそも、部下自身がキャリアを考えていない、どうなりたいかを持っていない、なんて言うことも往々にしてあるのですよね。その一方で、ビジネス経験が少ない中でキャリアを描くのは至難の業。部下が若ければ特に「キャリアプランがありません」という回答が多くなっても、それはやむを得ない話でもあるのです。
ここで、少し「キャリア」の捉え方について目線を変えてみます。
キャリアは、よくイメージされる出世や転職、また現在までの職務経験やそこで身に就いた能力やスキルのことだけを指すわけではありません。過去からの経験、現在の自身の意欲や考え方・能力、環境面を総合的に見て未来に向けてどんな道筋を描くか…という持続的で継続的なものです。働くことに関連する人生、仕事における生き方とも言えます。
部下自身の仕事における、生き方。…そう考えると、キャリアを考える時のスタート地点は、本人が「どうありたいか」、もう少し言うと本人が嬉しいとか、心地よいとか、前向きな気持ちややる気がわいてくる状態を目指していくことなのかなと、私は思うのです。そして、こうしたありたい姿、プラスの気持ちで過ごしている状態は、仕事においては「自分らしくチャレンジができている状態」だと言えます。
本人が自分で決めてチャレンジするからこそ、成長につながっていくものです。チャレンジから得た経験は結果に関わらず、学びになり、本人の語れるエピソードになります。そして、それらの経験がキャリアの道筋になっていくと言えるのです。これぞ「プランドハプンスタンスセオリー(計画的偶発性理論)※」かもしれませんね。
であるならば、私たちは部下の「ありたい姿や状態」を理解し、それに向けて環境を作る。前向きな気持ちを持ちながらチャレンジできるようにサポートをする。ということも大きな役割なのだと思います。キャリアを描く、キャリアを踏まえる、とは必ずしも明確な仕事や役職役割や身につける考え方・能力で無くてもよいのです。
いかがでしょうか。面談や日常的な会話の中でも、その目線をもって部下の話を聞いてみてください。そして部下のキャリアを一緒に考える、時間をとってみてください。
とは言え、抽象的になりすぎるとお互いにストレスにもなりますので、次回は具体的なフレームの紹介をしてみたいと思います。
それではまた。
※プランドハプンスタンスセオリー(計画的偶発性理論)
クランボルツによって提唱されたキャリア形成に関する理論で、キャリアの8割は予想しない偶発的なことによって決定される。その偶然を計画的に設計し、自分のキャリアを良いものにしていこうという考え方