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部下との面談で大切にしたい2つのこと

目標設定をしてから数か月、そろそろ中間面談の季節がやってきました。
日々忙しい管理職の皆さんからは、「憂鬱な季節が来た…!」という声も聞こえてきそうです。

管理職であれば日常業務の1つでもある、部下面談。
目標設定や評価など面談の種類に関係なく、部下との面談が苦手な方は少なくないようです。

ちなみに、面談とは、文字通り「面」…相手に面と向かって、「談」…対話をすること。相手と向き合って情報を共有し、対話を通じてお互いの理解を深めていく時間です。
しかし言うは易し行うは難し。気まずい雰囲気に、気づけば一方的に上司の自分が話していた。何を質問しても、曖昧な答えで掘り下げられない。表面的なやり取りでホンネで話してもらえている気がしない。面談一つをとっても、上司と部下の関係には悩みが付きませんね。

どうすれば、お互いに気持ちが良い面談ができるのでしょうか。

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さて、ここで少し私の話をさせてください。

20代だった頃の話です。当時、私は一人前に仕事ができるようになり、小さいチームも任されていました。そんな私は、いつも怒っていました。当時の上司にです。

怒りの内容はいろいろです。方針がコロコロ変わる、その説明が一方的である。方針を示すのはいいが具体策が無く行き当たりばったりだ。上司は誰を見て仕事をしているんだ。部下の事を考えていない。自分が良ければいいんだ。何なら人として基本的なことが出来ていないし信用ならない。…挙げればキリがないくらいです。たとえ上司が代わっても、大なり小なり怒りの感情を抱きながら過ごすことが1~2年続きました。

しかしそれも、今ではウソのように感じなくなったのです。
それはある上司との出会いが、きっかけでした。

非常に面談が上手い上司でした。彼は、初めて面談をした時、私の話をよく聞いてくれました。そして、序盤で、上司自身の笑い話のような失敗談や、その経験から大切にしている事、そして仕事を超えた自分の将来設計や夢の話をしてくれたのです。


自分語りではなく、私の話をしっかり聴くためにまずは自己紹介として自分の話をしてくれたのです。部下である私のための、上司の自己開示でした。
私が、自分の上司の失敗や人生の話を聞いたのは、その時が初めてだったかもしれません。この上司は折に触れ自分の話をしてくれましたし、それらを通じて上司の人と成りを知ることができました。

そして、一緒に仕事をする中で、私は徐々にあることに気がつきます。
それは、「上司は完璧な存在である」「上司はどんな時も答えを知っている存在である」という前提を、私自身が持っているということです

その頃の私は、上司に対して「私が理想とする上司であること」を期待し、その期待を裏切られて勝手に怒っていたのでした。

振り返れば、その頃、私は部下をマネジメントする立場でもありました。まさに自分自身に対し「上司は部下より優れた存在であらねばならない」と思い込んでいたのです。だからこそ、上司の自分への関わり方により強い不満を感じていたのだと気づきました。

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これはあくまで私の体験談です。しかし、クライアント先の管理職の中にも無意識的に「完璧な上司像」に捉われ、それ故、部下との関係に悩まれている方は少なくないように思います。

不思議と部下は、上司が存在した瞬間に、「上司は完璧で優れた存在である(べき)」と期待するものです。また逆も然りで、上司は自分が上司になった瞬間に「自分は完璧であり、いつも答えを指し示す存在であらねば」というプレッシャーを感じ始めるのです。

しかし、本来は、たまたま上司の「役割」を担っている一人の人間です。
得意もあれば苦手もある。間違いもするし、失敗もする。この当たり前をお互いに理解するところから、上司部下の良好な関係はスタートするのかもしれません。

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部下との面談で、ホンネで話してもらった、部下自身の課題について話し合い解決のための良い面談ができた、と感じるために。

面談のスキルやテクニックを身に着けようとする前に、①上司自身が「完璧な上司であらねば」「部下に弱みは見せられない」という思い込みに気づき、取り除くこと。そして、②一人の人間としての自分を理解してもらうために、上司自身が自己開示をすることが案外大切なのかもしれません。

今日は、部下との面談に際して、まずは管理職の方が自分に問いかけて欲しい2つのことを書きました。

昨今の感染症の流行のように誰もこの先がわからないビジネス環境に加え、年上部下や専門性を持つ部下、育児や介護をしながら働く部下、外国籍の部下など…、部下自身の多様性も広がっています。
こうした状況を踏まえると、一人の上司が常に正解をもち部下を導くのはもはや至難の業であると言えそうです。

ただ、部下は上司のスタンスを敏感に感じ取るものです。部下である自分のために行動しようとしてくれている。それが伝われば、信頼し、ホンネで話をしてくれるのではないでしょうか。



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