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意外と住みやすい生活コストのシカゴ
シカゴに関して、想像と異なり意外と住みやすい生活コストだったので参考までに書き記しておく。
私は当時ニュージャージーに住んでいて、総じてバージニア、DC、メリーランド、ニュージャージーで持ち家を探していた時の情報をもとに、ニュージャージーとシカゴの比較で説明しようと思う。
シカゴ郊外のコンドミニアムの平均価格は、おおよそ16万ドルから18万ドルの範囲だった。
例えば、ロジャーズパークでは平均価格が約16万4000ドルだった。
シカゴ郊外の戸建て住宅の平均価格は、地域によって異なるが、約25万ドルから30万ドルの範囲に収まっていた。
具体例として、シカゴのノースウェストサイドの地域では、2010年時点で約31万8000ドルだったが、2012年頃も同程度の価格帯で推移していた。
これらの価格はニュージャージー州のホーボーケンと比較すると、相対的に低い傾向がある。
ホーボーケンではニューヨークシティへのアクセスが良いことから、コンドミニアムの平均価格は35万ドル以上、戸建て住宅は50万ドル以上に達することが多かった。
シカゴ郊外の住宅価格が比較的低い理由としては、多くの住宅が市場に出回っており、需要に対して供給が多いため価格が抑えられており、人口増加が緩やかで、特に郊外では住宅需要が大都市ほど高くない。
一部地域での経済成長の鈍化が住宅価格の上昇を抑制している。
これらの要因により、シカゴ郊外はニュージャージー州のホーボーケンと比べて住みやすいと言える。
特に、住宅費の面で大きな差があり、シカゴ郊外の方がコストパフォーマンスが高いと考えられる。
シカゴはなぜ人口増加が緩やかなのだろうか?
シカゴはかつて工業都市として栄えたが、製造業の衰退により多くの工場が閉鎖され、雇用機会が減少した。
これにより、職を求めて他の都市や州に移住する人が増えた。
経済の多様化が進む一方で、特定の産業に依存していた時代からの移行がスムーズではなく、一部の地域では経済成長が停滞している。
長年にわたり高い犯罪率に悩まされており、特に暴力犯罪やギャングの活動が深刻な問題となっていることにより、安全を求めて郊外や他の都市に移住する人が増えている。
公立学校の質に対する懸念や、一部地域での住宅環境の悪化も、家族連れが郊外や他の地域に移動する理由となっている。郊外にはより良い教育環境や住環境を求める家庭が多い。
アメリカ全体で見ても、都市部から郊外への移住が進んでいる。
これには、広い住居や自然環境を求める人々の増加が背景にある。
シカゴもこのトレンドの一環として、郊外への移住が進んでいる。
シカゴの住宅価格が抑えられているのはありがたいことだが、供給過多はなぜ起きたのだろうか?
2000年代前半にアメリカ全土で発生した住宅バブルの影響で、多くの住宅が建設された。
この期間中、多くの人々が住宅を購入しやすい条件でローンを組むことができ、住宅需要が急増した。
それに伴い、多くの住宅建設プロジェクトが開始され、供給が急速に増加した。
しかし、2008年の金融危機により住宅バブルが崩壊。多くの住宅が売れ残り、ローンを返済できない人々が増え、差し押さえが相次いだ。これにより、既に供給されていた住宅の需要が急激に減少し、供給過多の状態が生まれた
シカゴの経済は製造業からサービス業への移行が進んでいるが、この変化がスムーズではなかった。
製造業の衰退に伴い、多くの工場が閉鎖され、雇用機会が減少。
これにより、シカゴを離れる人々が増え、住宅の需要が減少した一方で、供給はそのままであったため供給過多の状態が生じた。
長年にわたり都市再開発プロジェクトが進められてきた。
これにより、多くの新しい住宅や商業施設が建設された。
しかし、これらのプロジェクトが必ずしも需要に応じたものではなかったため、結果的に供給過多となった。
生活コストがニュージャージーと比較して良心的である反面、ミネソタ同様、冬は極寒の地として有名である。
シカゴの冬は非常に寒く、特に1月が最も寒い月である。
日中の最高気温は摂氏マイナス1度からマイナス4度、夜間の最低気温は摂氏マイナス10度以下になることが多い。
寒波が訪れると、気温はさらに低下し、摂氏マイナス20度以下になることも珍しくない。
シカゴの歴史的最低気温は1985年1月20日のマイナス27度であり、この時の風速を考慮した体感温度はマイナス60度に達した 。
シカゴは「ウィンディシティ」としても知られているが、この呼び名は政治的な話ではなく、冬の冷たい風の強さをも示している。
冬の間、強い北風や西風が吹き荒れ、体感温度(ウィンドチル)は実際の気温よりもはるかに低く感じられる。
ウィンドチル警報が出されることもあり、体感温度が摂氏マイナス30度からマイナス40度になることもある。
このような条件下では、露出した皮膚が数分で凍傷になる危険がある。
シカゴの冬は降雪量も多い。
平均的な年間降雪量は約36インチ(約91センチ)だが、特定の年にはそれを上回ることもある。
シカゴでは除雪作業が日常的に行われ、市民も自宅や店舗の前の雪かきを行う。
降雪に伴う問題として、凍結した道路や歩道があり、これにより交通が麻痺することもある。