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学習欲

 学習欲の最大の利点は、経験を積めば積むほど、更に学習をしようという欲が出てくるところである。学習のテーマは、私が持つ他の資質や経験により決まってくる。重要なのは、学習の「プロセス」であり、学習の成果は「プロセスほど重要ではない」ところだ。

 ここが受験という場において不利になるのだ。受験のテーマの冒頭でも述べているが、私は「学習」によって理解するプロセスが好きなだけで、それをテストされるのが嫌いである。しかし、受験や資格などは、私の最も苦手とする「成果」を問うものである。

 またビジネスにおいても、企業が求めるのは「成果」であって「学習のプロセス」ではない。つまり、学習のプロセスでの理解など、どうでもいいのが企業の評価なのである。あなたが企業に勤めて、自己学習能力の高い人が理想とうたっている求人票は、信じてはいけない。学習しても評価はされない。逆に言えば、学習してなくても成果だけ出している人間が評価されるのが企業という組織なのである。

 私は受験に失敗したが、「ストレングステスト」の結果を見ると、一目瞭然、失敗すべくして失敗したのである。

今思えば合点がいくことがある。私には兄がおり、学力レベルで言えば、私の方が上だったようである。しかし、最終的に兄の方が、圧倒的に私が進学した学校よりもいい学校へ入学している。日本語で言うと「本番に強い」という言葉があるが、「ストレングステスト」の「学習欲」の真逆、学習のプロセスは苦手、成果にコミットする性格と言うことだ。

この学習欲から打ち出される結果は、私の社会人での成果にもつながっている。私はどこへ行っても数字は出せるのだが、その数字は学習のプロセス中に起きたアウトプットの成果に他ならない。つまり、学びがなかった四半期や、年の成績はいまいちなのだ。

ビジネスにおける学習は「知識」レベルではなく「顧客に関しての学び」のプロセスの中の何かが業績に繋がっていたというもの。一年目は、顧客に興味を持ち始める。その中で、「あれを叶えたい」「これを叶えたい」と考えを巡らせる。その叶えた一つ一つが売り上げへとつながってできたのが実績だ。こういう実績は大抵目標値を超える助けをしてくれている。

一方、そのような学習欲が出てきても、アウトプットを阻害される環境というのがビジネスには登場する。そういう環境になると、一気に燃費が悪くなりガス欠を起こす。私には、短期的なプロジェクトをどんどん回していくような環境があっていることになる。

振り返ってみると、私が従事していた食品や飲料業界は、短期プロジェクトではなく、永遠と続く変わらない営業活動であった。そこでガス欠を起こしたのは、必然だったと「ストレングステスト」をしてみて改めて分かった。
私には、ITやテクノロジー業界でのプロジェクトマネージャーについていたら、自分の持ち味を発揮できたに違いないと今は思えるようになった。

そんな自己分析と考察をしていなかった私に残されていた道は、やはり留学が最適だったのだろう。浪人は、浪人をするのが普通だという漠然とした思いが背中を押したのもある。しかし、あの浪人は、非常にもったいない一年となった。

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