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長距離ドライブの営業
ニューヨーク支店の担当エリアは、基本的にはDC、メリーランド、バージニアを除く北東部全般である。
毎週2回のルート営業は、ニュージャージー州、ニューヨーク州のマンハッタンエリアと日本人駐在員の多い北部、コネチカット州を対象としている。
ペンシルバニアは月一回のルートセールス対象であり、ボストンは別の担当者が駐在して対応していた。
ニュージャージーには日系の大規模スーパーが1件あり、専属の営業マンが担当している。
私の最初の担当は、ニュージャージー、コネチカット、ニューヨーク北部と一部ロングアイランドの単店の日系スーパー、そして月一回のペンシルバニアだった。
ペンシルバニアはDC支店が管轄していたが、小売り商品の取り扱いが少ないため、ニューヨーク支店から営業を派遣していた。
ペンシルバニアのお客様は2件あり、1つはピッツバーグで、飛行機で訪問し、レンタカーを借りて1時間弱かけて店舗に到着する。
もう1件はニュージャージーから車で2時間ほどの場所にある日系グロッサリーストアだ。
ピッツバーグは冬季に雪が多く、飛行機が欠航することもよくあった。
毎回日帰り出張のつもりで訪れるが、欠航で宿泊しなければならないことも何度もあった。
ニューヨーク遠方のお客様やコネチカットの訪問も約1時間ほどのドライブだった。
カーナビのある時代でよかったと思う。
カーナビがなければ、確実にお客様のところにたどり着けなかっただろう。
ルートセールスの仕事は、お客様を次々に回り注文を取ることだ。
2007年頃、日本でも小売店の注文はファックスで受けていたが、アメリカのアジア系マーケットでは、営業が1件ずつ回り、店長と棚を一緒に棚を回りながら注文を取るローテクな方法だった。
どのグロッサリーストアも店内は狭く、商品がぎっしり詰まっている。
消費者が買い物をしている中で店長と一緒に棚を回り注文を取るのは、消費者にとっては邪魔でしかなかっただろう。
私自身も、PCが普通に使われている世の中で、手書きで注文し、それを手入力でシステムに入力し、ピッキングシートに沿って倉庫担当がピッキングするというプロセスに疑問を感じた。
人為的ミスが起きる隙が多く、このシステムがいつ現代風に進化するのか疑問だった。