「心の絶対法則 なぜ『思考』が病気をつくり出すのか?」
本書「心の絶対法則 なぜ『思考』が病気をつくり出すのか?」は、負の感情が人間の心と身体にどのように影響を与え、不幸な環境や病気を生み出すのかを深く掘り下げた一冊です。著者の鋭い洞察力と長年の臨床経験が織り交ぜられた内容は、単なる精神論にとどまらず、実践的な人生転換のヒントを提供しています。
負の感情とその影響
人には「トラウマ・ジレンマ」「支配欲」「反動」「依存」「被害者意識」など、さまざまな負の感情があります。本書では、これらの感情が人間関係や環境に不幸をもたらすだけでなく、肉体的な病気にも影響を与えると説いています。その構造を解き明かすプロセスが、非常に論理的かつ説得力に富んでいます。
特に印象的だったのは、負の感情が「愛」や「癒し」の商売に利用されるという指摘です。現代社会では、愛や癒しを提供すると称するビジネスがあふれていますが、著者はこれらを「依存ビジネスの販促戦略」と断じています。目先の癒しは一時的な効果しかなく、むしろ依存を深める結果になるという主張には、考えさせられるものがありました。
負の感情の転換には向き合いが必要
負の感情を本当に転換するには、その原因を突き止め、向き合うしかないという著者のメッセージは重いものです。本書では、人間の心が「依存」や「自己正当化」をするようにあらかじめセッティングされているとし、それを「心の絶対法則」と呼んでいます。この視点から、自分自身の問題と向き合うことの重要性を説いています。
著者が紹介する17の「心の絶対法則」は、私たちの心の動きのメカニズムを解き明かし、問題の根源に迫るための道しるべとなっています。一見すると難解に思える内容もありますが、具体的な例を通じて理解しやすく説明されています。
新型コロナ騒動への批判
第3部では、新型コロナ騒動時の日本社会における同調圧力や「自粛警察」の横行について、痛烈な批判が展開されています。この部分では、戦時中の日本と現在の社会を比較し、冷静な客観視の重要性を訴えています。特に数字を基にした分析は具体的で説得力があり、感情論に頼らない冷静な視点が光ります。
実践的な内容
本書は単なる理論書ではなく、著者が診療で実際に使用している「内海式精神構造分析法」を紹介しています。この方法論は、自分の内面と向き合い、人生を大胆に転換するための実践的なツールとして役立つ内容です。東洋医学や心理学の観点からもアプローチしており、幅広い視点で問題解決をサポートしています。
感想
本書を読み終えて感じたのは、私たちが普段何気なく抱えている負の感情が、どれだけ深刻に心身に影響を及ぼしているかということです。そして、それを本当に解決するには、目先の癒しや依存に頼るのではなく、自分自身と真正面から向き合う必要があるという著者のメッセージは心に響きました。
また、新型コロナ騒動や日本社会の同調圧力への批判は、過去の出来事を反省する機会を提供してくれます。冷静な視点を持つことで、未来に向けてどのように行動すべきかを考えさせられる内容でした。
まとめ
「心の絶対法則 なぜ『思考』が病気をつくり出すのか?」は、負の感情と向き合い、真の意味で人生を転換するための指南書です。一見厳しい内容にも感じますが、著者の豊富な経験に裏打ちされたメッセージは、多くの気づきを与えてくれるでしょう。依存や自己正当化から脱却し、より良い人生を築きたい方におすすめの一冊です。
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