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為替(FX)の本質

 ドル円レートは7月に高値を付け、そこから今日までずっと円高方向に進んできました。皆さん、為替で一番重要な要素は何だと思いますか?
その議論をする前に、まず貨幣とは何かから説明していきます。

昔、人々は物々交換をしていました。狩りをして捕まえた動物と漁で捕まえた魚を交換するみたいなイメージです。しかし、この交換には必要な条件が2つありました。そう、お互いがそれを求めなくてはいけないのです!
つまり、魚を求める人と動物を求める人がお互いに出会う必要がありました。そこで、片方だけで良いようにし、取引を円滑に行うために生まれたのが貨幣です。
貨幣の誕生により、人々の取引の量は激増し、遠くにいる人とも取引するようになりました。それにより、物の価値を測る・価値を維持するだけでなく、遠くに持ち運びできる機能が必要になりました。
それが俗に言う貨幣の3機能です。価値尺度、交換・流通手段、価値貯蔵手段、です。そしてそれを満たすものが貨幣として選ばれました。

本題に入ります。今言った3機能の中で、為替レートを決定づける上で一番注目しないといけないのは、価値尺度機能です。
あくまで貨幣は物の価値を測るものです。
そのため、貨幣の量が大きな影響を与えます。
例えば、この世にリンゴ1つと100円を持ったお腹を空かせた人間が3人存在するとします。お互い協力することがなければリンゴの価値はいくらになるでしょか?
そう、答えは100円です。
次に、政府が個人に対して100円ずつお金をばらまいた場合どうなりますか?(コロナの給付金みたいなイメージです)
そう、答えは200円です。勿論、お腹を空かせているので、200円全て使って買いますよね。

以上がよく言われるインフレ率と貨幣の関係です。
物と貨幣は相対関係なので、貨幣の価値が上がると物の価値が下がったと言え、貨幣の価値が下がると物の価値が上がったと言えます。
なので、前の話しに戻りますが、インフレ局面では企業の価値である株価は上昇するのです。(株価も貨幣で価値を図っているため)
もう少し話しますと、反対にリンゴの数が増えるとリンゴの価値は下がります。相対的な関係にあるので、それは当たり前ですよね。

では付け加えて、もう一つ説明します。金利についてです。
現在、貸し出し金利が10%です。その世界で100円を貸すと来年10円帰ってきて110円になります。そうすると、先ほどの例ではリンゴの価値はいくらになるでしょうか?
そうです。答えは110円です。これも当たり前ですよね。

ではそろそろ結論に入りたいと思います。
以上の例のように、為替を決定する一番大事な要素は、インフレ率と金利から導かれる実質金利なのです。(名目金利-インフレ率)
なので、それに影響を与える利下げ、利上げでドル円レートが左右されるのです。




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