東大出身の人気塾講師に聞いてみました!【GROWNIQUEインタビュー#1】
はじめに
今回、第一回のインタビューは、筑波大学附属駒場中・高等学校を経て東京大学で学んだ後、お子さまの教育現場に携わり続けている酒井翔太先生にお話を聞きました。
GROWNIQUE 加藤:本日はよろしくお願いします。早速ですが、今のお仕事について教えてください。
酒井:今は私の地元浅草にある塾で講師をしています。小学校三年生から五年生をメインに中高生まで、算数が得意科目ですが、ほぼすべての科目を教えています。
GROWNIQUE 加藤:どんな子どもたちが塾にはいらしてるんですか。
酒井:本当にいろんな子がいます。中学受験を目指していたり、大手予備校のサポートを求めていたり、「とりあえず勉強を」と通い始めてみたり・・・。とりあえずと通い始めたお子さまでも、こちらから中学受験を提案させていただくようなこともあります。
GROWNIQUE 加藤:目的も学年も幅広くて、先生として求められることや心がけることも沢山ありそうですね。
勉強嫌いにならないように
酒井:どの学年でも共通しているのですが、勉強嫌いにならないように指導するというのが一番です。苦手でもやってみたら褒められて楽しいとか、「ほらできたじゃん!」という声掛けで自信がついたとか、ポジティブスパイラルに乗せてあげることが大切なんです。
GROWNIQUE 加藤:褒めて伸ばしてあげることが大事なんですね。
酒井:そうです。褒めることが一番大事です。大手予備校のサポートで通い始めるお子さんの中には、周りとの比較で「自分はダメだ」となってしまっていることも少なくありません。そんなときは、勉強よりも「自分はできる」という自信を取り戻すことが最優先。それから勉強のレベルアップに取り掛かります。
成績が伸びる子どもの共通点
GROWNIQUE 加藤:よく伸びるお子さまに共通することって何かありますか?
酒井:先ほどの、勉強嫌いではないことが大前提で、成績が伸びるお子さまには3つぐらい共通してみられる行動がありますね。
まず、一つ目が、自分で工夫してみること。
出された問題が難しくて、公式をあてはめるだけでは解けないような問題に直面したときに、どういった行動をとるのかはお子さま一人ひとり違います。そんな中で、自分なりの工夫を試行錯誤している生徒はどこかのタイミングでぐっと成績が伸びる印象があります。
二つ目は、類似性を見つけることが上手なこと。
初めて目にしたものでも、あの時のあれと似ているね!と口に出すお子さまは伸びやすいです。大人でも「一般化・抽象化スキル」というのを耳にすることもあると思うのですが、まさにそれです。
三つ目は、少し一つ目の内容と相反するように聞こえるかもしれませんが、言われたことをまずはやってみる素直さがあること。
先人の上手く行ってる方法をまずは真似る、という気持ちがあることも大事なんです。いつまでも我流で悩み続けてしまうとなかなか前に進められず、心が折れてしまう原因にもなります。バランス感覚が必要かもしれませんね。
GROWNIQUE 加藤:3つ目も大人になってから必要なビジネススキルでもよく耳にする内容で、こんなにも共通するのだなと驚きです。
酒井:小学校から高校で習うことは、決して実社会で使うことばかりではありません。でも、どの科目も学ぶ過程は共通部分が多いと思います。ロジックの組み立て力や時間配分を考える計画性、巻き戻しがどこまで効くのかのリスク管理、工程の組み方などの計画性、セルフマネジメント力など、大人になってからでも養いたいと考えることが勉強を通して学べます。好きなことやってるだけでは身につかないことなんですよね。なので、一科目だけでも好きになって、学びのサイクルをまわし、将来に繋がる力を身に着けててほしいと思います。
友達との繋がりも楽しむ上で大切
GROWNIQUE 加藤:酒井さんは名門 筑波大学附属駒場中・高等学校のご出身ですが、子ども時代はどんなお子さんだったんですか。受験勉強や他の習い事はどうされていましたか。
酒井:私は、小学生の頃は本当に「良い子」だったんです 笑 親や先生に褒められることが喜び、頑張れば褒められる、というのが価値観の一つだった気がします。
GROWNIQUE 加藤:受験もそのような気持ちの延長線上にあったのですか?
酒井:中学受験は、そもそも塾が楽しくて好きだったんです。みんな頑張っている雰囲気が好きで。なので、苦だった記憶はありません。加えて、いじめ問題もあって小学校の雰囲気が私はあまり好きではなく、そのまま公立中学にはあがりたくないという気持ちもありました。
GROWNIQUE 加藤:私も中学受験組でしたが、そうでしたね。当時は、金八先生のテーマが「いじめ」になるくらい社会問題でしたよね。
勉強以外はどうされてましたか?
酒井:運動は苦手で、出来ないことを繰り返しやるのが本当に嫌でした。でも、小さい頃から習っていた水泳だけは得意で、学校の代表になったりと、運動ゼロというわけではなかったです。あと、なぜか、いつもサッカーを誘ってくれる運動得意な友達がいたんです。出来る出来ない関係なく、楽しかった記憶があります。
GROWNIQUE 加藤:受験や運動においても、お友達の影響が大切だったんですね。
もう少し運動しておけばよかった受験期
GROWNIQUE 加藤:GROWNIQUEのコンセプトになっている、「運動・睡眠・栄養」について思い出すことはありますか?
酒井:やはり、中学受験のために塾に行き始めてから運動量は減りました。意識してもっと動いた方が良かったなと思っています。
GROWNIQUE 加藤:受験勉強をはじめると、どうしても長時間座りっぱなしになってしまいますよね。休憩時間にしっかりと立ち上がって体を動かすなど、成長期は積極的に意識した方が良いですね。
筑駒というと難関校ですが、勉強のために睡眠時間が削られた、なんてことはありましたか?
酒井:睡眠時間はしっかりとっていました。それでも、受験後の小6のある日、突然授業で寝てしまって。ビックリしました。それを機に、いつも眠くて眠くて…成長期だったんですかね。
GROWNIQUE 加藤:確かに…いつからかは覚えてませんが、とても眠い時期はありましたね。多分そのまま大学生ぐらいまで。からだの成長に必要な睡眠だったんでしょうね。
酒井:そして、食べるのは、小学校の時から人より食べていました。両親の伸長は父が170cmくらい、母は155cmくらいだと思うのですが、私は180までなりました。
GROWNIQUE 加藤:小学生の頃にしっかり寝て、しっかり食べて、運動もしていたのが良かったんでしょうね!韓国では、小学生のうちはとにかく量を食べさせて太らせて、まず体を大きくさせてから、中学生高校生あたりでスラッとさせるなんて聞いたこともあります。
子育て世代の親御さまへのメッセージ
GROWNIQUE 加藤:酒井さんが子どもたちを教えていて考えていることや、幼少期の頃の話などとても面白いお話をありがとうございました。最後に、子育てされている親御さまにメッセージはありますか?
酒井:勉強におけるご両親の負担というのは本当に大変だな、と強く感じております。ご両親のお力だけで頑張り過ぎないで、私たちのような専門家をうまく使って任せてもらえたらと思います。
浅草は下町文化のためか「勉強のことわからないんで、ちょっと、うちの子よろしく」みたいなこともよくあって、私たちの経験を通して可能性を見出してあげることもあります。親御さまよりも少し遠い大人の私たちだからこそ出来ることもあるんです。
そして受験生の保護者の方々にも。とにかく、お子さまが受験に向けて勉強してるだけでえらいんです!結果はどうあれ、一緒に頑張ったな、楽しかったなと受験生活を終えることを目指してほしいです。
自分自身、受験後に生徒たちが挨拶にきてくれることがたくさんあります。「先生と勉強できてよかった」「第一志望には受からなかったけれど、もっとやれることがあったなと思うから、これから通う学校で頑張ります」と言える子はその後も明るい未来を感じます。