最先端を走る整形外科の先生に聞いてみました!【GROWNIQUEインタビュー#2】
はじめに
今回、第ニ回のインタビューは、灘中・高等学校を経て東京大学で学んだ後、整形外科医として活躍中の石倉久年先生にお話を聞きました。
整形外科医の仕事と整形外科医から見た最近の子どもの傾向
GROWNIQUE 加藤:本日はよろしくお願いします。早速ですが、今のお仕事について教えてください。
石倉:整形外科医をしています。整形外科は、骨、筋肉、神経などを扱う科です。腰痛、肩痛、筋肉痛をはじめとした全身の痛み、骨折などの怪我、加齢による関節の変性など、様々な疾患に対応します。
私は中でも、股関節外科医として、股関節が悪くなった患者さんに対する、人工関節手術や骨切り手術を専門にしています。
GROWNIQUE 加藤:今のお仕事で子どもを診ることはありますか。最近の傾向や気になることがあれば教えてください。
石倉:お子さんを診る機会は比較的多いです。主に、発育性股関節形成不全などの幼少期からの骨格異常から、骨折などの怪我まで、様々な患者さんを診ます。
GROWNIQUE 加藤:発育性股関節形成不全などの幼少期からの骨格異常はあまり聞き慣れないのですが、これは遺伝的に起こるのですか。親としてすぐ気づくものなのでしょうか。
石倉:発育性股関節形成不全は、遺伝的な要素が多分にあります。しかしながら、それ以外の要素もあります。現在では、抱っこの仕方やおむつのはかせかたなど指導されることが多いですが、それらもこの発育性股関節形成不全を防ぐのに役立つとされてます。親としてすぐに気づくことが難しいので、生後の検診でチェックするようになっています。
骨がもろい子どもが増えている
加藤:そうなのですね。他に、お子さまの最近の傾向や気になることはありますか。
石倉:整形外科の中でも小児を専門とする先生と話すと、最近骨がもろいお子さんが増えたと聞きます。運動不足や、日傘や日焼け止めなどで過度に日光を避けることで、体の中でビタミンDが作られなくなったことが一因と考えられています。
GROWNIQUE 加藤:なるほど。GROWNIQUEもUVカット成分を配合したアウトドアスプレーを出していてSPF15程度が適切という考え方でいるのですが、やはりSPF50を求める親御さまがいらっしゃるのも事実なんです。日光を避ける「適切」度合いは判断が難しい気がするのですが、基準や考え方があれば教えてください。
石倉:これに関しては、極端じゃなければいいと思います。「日光で皮膚がん」のイメージが強すぎて、また、「日焼けしない=美白」のためか、過度に日光を怖がる親御さんがいらっしゃるようです。
骨の形成が極端に悪い子供で、お母さんによくよく話を聞いたら、日焼けしないように外に出るときは常に日焼け止め+日傘、長袖、など極端な方がいらっしゃるようです。炎天下の日に日焼け止め、などは全然いいと思います。
石倉先生が医師になるまで
GROWNIQUE 加藤:石倉さんは、どのタイミングで医師になろうと思ったのですか。
石倉:医者になろうと決めたのは、東京大学の理Iにいるときですね(笑)それで一旦退学をして、理III(医学部)を再度受験して入学しました。
小・中・高の時は、将来のことを具体的には考えていませんでした。そういう意味では結構行き当たりばったりで、大学にいけばなんとなく決まるだろう、くらいに敷かれたレールの上を乗っていましたね。
栄養に対する意識が高く、野菜摂取やサプリメントも意識していた母
GROWNIQUE 加藤:小学生から高校時代の頃のエピソードで、GROWNIQUEのコンセプトになっている「運動・睡眠・栄養」の軸で何か思い出すことはありますか?
石倉:もともと運動が好きだったこともあり、よく食べ、よく遊び、よく寝る子であったと思います。小学生の時は友達とドッジボールや野球に明け暮れていました。日が暮れて家に帰って怒られた思い出もたくさんあります。
また、母親は栄養に対する意識が高く、特に野菜摂取を意識して料理を作ってくれていました。「出された料理を食べられないなら自分で作りなさい」という厳しい母親だったので、好き嫌いなく育ったように思います。また、ビタミン、DHAやEPAなどのサプリメントも摂取していたことを覚えています。
GROWNIQUE 加藤:今は子供がサプリメントを飲むことも当たり前になってきましたが、先生が子供の時代からそのようにされていたとは、お母様の意識が本当に高かったのですね。
勉強は友達に恵まれて続けられた。運動はストレス発散で。
GROWNIQUE 加藤:石倉先生は灘中学・高校出身でいらっしゃいますが、中学受験をしたのはご家族の方針ですか?勉強は好きでしたか?
石倉:中学受験をしたのは、親と塾の影響が大きかったと思います。そもそも中学受験を見据えて親が塾に入れてくれたのだと思います。あとは塾で良い友達に恵まれました。勉強は好きではなかったですが、友達から良い刺激を受けて、切磋琢磨できた、という感じです。
GROWNIQUE 加藤:お友達の影響は大きいですよね。運動との両立など難しさはありましたか?
石倉:運動と勉強を両立していた、というと聞こえはいいのですが、実際には勉強は仕方なくやりながらも友達に恵まれて続けられた、運動に関してはやらないとストレスがたまるのでやっていた、という感じですね。受験勉強中は、やはり運動の頻度はすごく下がっていたと思います。ただ小学校には基本的には休まず通っていたので、学校の体育はやっていました。
GROWNIQUE 加藤:運動は体の健康を保つためだけでなく、精神面でも支えてくれる部分が大きいですね。
石倉さんが小学~高校時代を振り返って、「運動・睡眠・栄養」の軸でやっておけばよかったと思うことはありますか。
石倉:後悔していることはありませんが、今になって思うと、運動をたくさんやっていて良かったなと思います。体を動かすことでお腹がすくので、出されたものをしっかり食べていて栄養面でも有利に働いたし、疲れてよく睡眠をとることが出来ていたし、社交性も身に付いたのかなと思っています。
石倉先生の子育てに関する考え
GROWNIQUE 加藤:石倉先生はお子さまがいらっしゃいますが、子育てをする中で大切にしていることは何ですか。
石倉:今、小学生の娘が二人います。どうしても勉強を第一でさせたい、と思ってしまいがちなのですが、学校の友達とすぐに遊ぶ約束をして帰ってくるんですよね。公園などで遊ぶことに関しては特に制限はしていません。自分が働き始めて実感していることですが、人柄、協調性など、学歴以上に大切なことがたくさんあると思うからです。
あとは、なるべくコミュニケーションを取ること。週末はよく一緒にお出かけしますし、家にいるときはなるべく勉強も見るようにしています。自分も母親によく勉強を見てもらい、その感謝の気持ちは今も持っています。今は娘に文句を言われながら勉強を見ていますが、いつか大人になった時に、「あ、自分のお父さんはあれだけ勉強を見てくれてたんだな」と思ってくれると信じてやっています。
GROWNIQUE 加藤:石倉さんが子育てをする中で、「運動・睡眠・栄養」の軸で気を配っていることはありますか。
石倉:運動の面では、外でよく遊んで日光に浴びる機会をしっかり設けるようにしています。そうすることで、睡眠にも良い効果が出ていると思います。栄養面では、偏らないように意識しながら、野菜も積極的に摂取するように心掛けています。また、特に成長期に重要なカルシウムやビタミンDを意識して、魚類や乳製品、キノコ類も摂取するようにしています。
保護者の方々へのメッセージ
GROWNIQUE 加藤:たくさんの参考になるお話、ありがとうございます。最後に、子育て中の保護者の方々に何かアドバイスがあればお願いします。
石倉:最近思うのは、肩の力を抜いて、プラス思考で子育てをすることが大切なのかなということです。どうしても子育てに完璧を求めると親自身がストレスを感じたり、子供に完璧を求めると厳しく叱ることが多くなったり…。なかなかうまくいかないことも多いのですが、子供の長所に目を向けて、長い目で子育てができると、良い親子関係も築けるのかなと思います。
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