アライアンス営業の教科書
はじめに
みなさんこんにちは、RELATIONSの佐々木(@chiho_relations)です!
2年前からTwitterを本格的に始めてから、ずーっと憧れていた「営業アドベントカレンダー」今年は主催者側で参加させていただくこととなり、感無量です...!
さて、簡単に私の自己紹介をしますね。
RELATIONS株式会社の佐々木です。
本業では今はアライアンス営業の他に、広報やコンサルタントなどをやっています。副業ではスタートアップのアライアンスの壁打ちや事業開発営業など複数社に関わらせていただいています。
(今まではIT業界でエンタープライズ営業をしていました!)
そして、プライベートでは昨年出産し、1児の母となりました。
今年の9月に復職し、ワーママ1年生として奮闘の毎日です...!
詳しくはこちらの記事をどうぞ!
そして、育児noteも発信してますので、よろしかったらこちらもどうぞ!🙌
さて、前置きはほどほどにして本題に入りますね。
アライアンス営業とは
今回私は自分の得意としている「アライアンス営業」についてお伝えしようと思います。
アライアンス営業という言葉を聞いたことがない、聴き慣れないという方は多いと思います。
そして、パートナー営業や代理店営業とは何が違うの?と思う方もいらっしゃると思います。
私も実は今の会社でアライアンスの立ち上げをするまでは、名前は聞いたことあるけど...といったくらいの感覚でした。
ただ、やってみるととても奥深く気づいたら立ち上げ〜アクティブ化まで重数社関わっていました。(自分でもびっくり)
何が魅力的かというとうと、自分でお客さんと契約するというと1対1の関係のようなイメージなのですが、アライアンス営業はアライアンス先とタッグを組みお客様へ営業活動をしていく。
その活動の中で、私は多くの同志を見つけることができました。
自分ひとりで営業するよりも数倍わくわくしたんですよね。
そして、アライアンス先の営業マンの方にご紹介いただいたお客様に契約いただき、無事支援まで終えた時は3社が良い関係となり『三方良し』を体現しているな〜と実感し、心が震えるような出来事が何度もありました。
なので、そこからアライアンス営業の魅力にはまり、今日まで続けているといった背景があります。
そして、そんなアライアンス営業ですが会社によって担当業務の範囲は様々。でも、私が考える「アライアンス営業」の業務内容をお伝えしますね。
アライアンス営業とは
アライアンス先の選定から調査、提携における条件交渉、契約締結、アクティブ化までを一貫しておこなう営業。
上記と考えています。
そして一般的な営業と大きく違うのは、「自分は売らない、人に売ってもらう」ということ。
なので、徹底的に人がどうしたら気持ちよく動いてくれるか?を考え続け、アクションをし続けます。
なので、自分が営業をするよりも工数はかかります。
(全方位フォローが必要なので)
でも、アライアンス先からご紹介いただいたお客様と成約できたり、無事支援が終わりお客様からも喜んでいただき、併せてアライアンス先の方からも喜んでいただける瞬間は何にも変えがたいものかなと個人的には思っています。
アライアンス アクティブ化までのステップ
私が考える、アライアンス立ち上げ〜アクティブ化までのステップとしては下記があると考えています。
今回このnoteでは上記ステップについて簡単にお伝えできればと思います。
STEP1:アライアンス候補先の選定
まずアライアンスを立ち上げようといった時に重要となるのは、アライアンス候補先の選定です。
ここを間違えると、アライアンス構造は作ったのに案件紹介やその後の取り組みがなぜか促進されない...といったことが起こりかねないので注意してください。
ここ2年間ほどでアライアンススキームの立ち上げと運用を経験してきた中でわかったこととしては、「アライアンススキーム構築の原則」はアライアンス先、見込み顧客(もしくは顧客)、自社の3つの登場人物が「三方良し」の状態となること。
※「三方良し」:買い手よし、売り手よし、世間よしとして基本は使われますが、紹介営業の場合、見込み顧客、アライアンス先、自社にあてはめて話をしますね。(三方よしの意味や言葉が生まれた背景についてはこちらを参照ください。)
自社だけにメリットがある。
アライアンス先だけにメリットがある。
顧客だけにメリットがある。
もしくはどれか2つだけにメリットがある状態だと見込み顧客の紹介は促進されませんし、その状態で進めていくとどこかに歪みが出ることで継続的なアライアンス活動は難しくなります。
では、アライアンススキームをつくることでのそれぞれ3社のメリットを以下に説明します。
自社:アライアンス先の顧客基盤と信用を活用することで、見込み顧客により効率的にアプローチすることができる。
アライアンス先:アライアンス元(図でいうと「自社」)の商材を顧客に提供することで、アライアンス先にないソリューションを提供することができる。また、その見返りとして「紹介料」を受け取ることができる。
見込み顧客(顧客):商材提供元(図でいうと「自社」)の商材を導入することで、メリットがある。
※RELATIONSの場合だと、コスト改善コンサルティングサービス「Less is Plus」を導入することで、間接経費の見直しができより強い財務体質への変革をとげることができるなどがあげられます。
よって、アライアンススキームの立ち上げの際やアライアンス先でのサービス拡大を狙う際には、「このサービスを展開する上での、アライアンス先、見込み顧客へのメリット」をよく考え、誰しも納得するような理由を準備することが早期立ち上げ、早期サービス展開の要となります。
STEP2:アライアンス候補先へのアプローチ
さて、ここまででどういった観点でアライアンス候補先の選定方法や見つけ方といったことがイメージできたかなと思います。
こちらでは、アライアンス候補先へのアプローチ(アポ取り)までをお伝えできればと思います。
アライアンス候補先へのアポ取りですが、新規営業と一緒だと考えてください。
私は、代表電話へのテレアポや展示会での名刺交換、紹介など実施しました。(実は代表電話へのテレアポが成約率高かったです)
自社がアプローチしたいアライアンス候補先に対してどうアプローチしたら、一番提携契約しやすいか、アクティブ化しやすいかを考え、アプローチ経路を設計するべきです。
STEP3:アライアンス候補先との商談
さて、アライアンス候補先と無事アポイントがとれたら商談準備です。
でも商談を準備するまえに、アライアンススキームをつくるうえで必ず考えておいた方がよいこと、準備した方が良いことをお伝えしますね。
ざっと書くとこのあたりが必要です。
基本的には、「アライアンス先と初めて商談する際にどんなことを聞かれるだろう?」「どんな情報があれば自分の商談ゴールを達成することができるか?」「また、商談後に発生するタスクはどんなことがあるだろうか?」と想像し、準備をすすめてください。
・報酬スキームの策定
→どのタイミングでどのくらいの報酬をお支払いするのか?
・アライアンス候補先との商談時利用する資料の作成
→商談、勉強会資料やアライアンス先の営業の方が見込み顧客に提示する1枚紙の資料など
・アライアンス先から見込み顧客を紹介いただく際のフロー設計
→連絡体制や案件状況の報告フローや頻度など
・アライアンス契約書の作成
→一般的には業務委託契約書を利用することが多い
・自社内での各種業務フローの策定
→アライアンス先から見込み顧客を紹介していただいた後の流れや報酬支払時のフローなど
少なくても、「報酬スキームの策定」、「商談時利用する資料の作成」、「アライアンス先から見込み顧客を紹介いただく際のフロー設計」の3つの準備はアライアンス候補先との初めての商談の際には仮の状態でもちろん良いので、考えておくとよいです。
(絶対商談の際にも聞かれますし、次のステップにつながることも想定して準備するといった面もふまえ。)
アライアンス候補先との商談ですが、私は「リレーションズ、Less is Plus(コスト改善コンサルティングサービス)の内容を理解いただき、クライアントに紹介できるイメージを持っていただくこと」をゴールに商談を実施していました。
また、商談準備としては下記のようなことは基本として行っていました。
・商談先の企業調査をしていること
(ホームページやニュースサイトを参照)
※商談時に相手の方にによくご存知ですねと言われるレベルまで調べ上げる。
・商談先の競合情報がわかっていること
・組織図を把握し、提携後の展開にあたってはどの部署にアプローチすればよいのかあたりがついていること
・商談先の企業が支店展開しているエリアの自社の支援実績を把握し、企業名などをお伝えできる状態となっていること
・なぜアライアンスを締結したいのか、ストーリーでつたえることができること
・アライアンスを締結することでのメリットをつたえられること
・アライアンス先の企業が支店展開しているエリアのリレーションズのターゲット企業がリストアップできていること
私は準備しまくるにこしたことはないので、とにかく準備して商談にのぞみました。(そのおかげでを7割くらいは具体的な進め方などの次のステップに商談を進めることができました)
STEP4:アライアンス候補先と座組み、展開方法を整理し、提携契約を締結する
こちらのステップは、実際にアライアンス候補先とどのようにアライアンスを構築していくか?についてです。
このステップでは、この先にある「アクティブ化(顧客紹介が自動でどんどん起こるような状態やともにパートナーとして新たな取り組みを実施しているような状態)」を見据えて、活動する必要があります。
なので、私は一番効率的にその状態を狙える方法は何か?をとにかく考えて実行するようにしていました。
また、このあたりはアライアンス候補先の企業ごとに全く違うので企業ルールや企業特性をふまえ、設計する必要があります。
展開方法にあたっては、アライアンスの窓口の部署だけではなく実際動いてくださる現場サイド(営業部の方など)からの意見も聞くことも大切です。
目の前の商談してくださる人だけの意見ではなく、総合的に情報を判断して方針をきめつつアクションを打っていくような活動が重要となります。
また、競合他社がすでにアライアンス候補先と提携契約を締結していたら、その状況をヒアリングし、自社の展開方法に生かしていくというのも手です。
展開するにあたってどのような特性や課題があるのか?を各ステークホルダーとの商談を通じてキャッチアップし、仮説をたてながらグイグイアライアンス候補先に入り込んでいきましょう!
STEP4:アクティブ化への活動
最後にアクティブ化への活動です。
正直ここが一番醍醐味ですし、難しい部分でもあります。
ただ、「お客様を紹介してください!」といったり「新たな取り組みをしましょう!」といっても、相手は「喜んで!」とはいかないですよね。
(関係性ができていれば別の話ですが)
なので、展開する前に相手が動きやすい動機付けや仕組みを構築しておくことが必要です。
そして、アライアンス先の企業特性やルール、そこに働いている方々の思考・行動特性、評価制度など得られる情報はほぼ全て入手します。
これは、商談内での情報はもちろんですが、その前に自分で調べ尽くせることはすべて調べます。
そういったうえで、アカウントプラン、アクションプランを設計し、日々の活動に起こしていきます。
このあたりはエンタープライズ営業の手法に似ているところがあるかなと思います。
1点のタッチポイントから、新たな部署や人を紹介いただき、アライアンス先の企業内にぐいぐい入っていく。
自然と自社(RELATIONS)の名前がアライアンス先で出る状態を作り上げていく。
そうすると自然とアライアンスの活動は加速していきます。
面白いですよね。
最初は「何この会社...」と思っていたのが、
半年後には同志のように「こういうことやりたいよね!」と話をしていたり、「この会社どうかな?」と連絡をいただけるのはもちろん。
実はプライベートのことやキャリアのことまで相談にのるようになっているんですから。
こういった人との出会いや、出来事に対して、私は「営業って面白いな。ご縁って素敵だな」と思えるんですよね。
そして、ここで陥りがちな問題としては、下記のようなことがあります。
・アライアンス先と提携契約をして定例MTGをしてるから
・サービス勉強会をしたから
・紹介したい、様々な企画を一緒にしたいと言われたから
...と安心して次のステップを期待し、口を開けて待っていてはいけません。
実際に成果に結びついていないなら意味がないからです。
そして、そんな簡単に人は動きません。
そして自社内でももっとプライオリティが高い仕事がある(本業がある)のに、新たな取組に時間を割いている時間ありません。
なので、どうしたら企業、その中の人が動くのか?と組織力学や相手の思考なども汲み取って活動に反映させていく必要があります。
これに関しては、現場に落とし込みの方法や、アライアンスキーマンの探し方、グリップの仕方など様々ありますが、今日は基礎編ということでこのあたりで本noteは終わりにしたいと思います🙌
さいごに
長くなりましたが、現在アライアンス立ち上げ〜アクティブ化までの相談についてご連絡いただくことが増えてきました!
(実際に数社でお仕事させていただいています🙌ありがとうございます!)
ぜひアライアンスについて聞きたいな!佐々木と話してみたいな!と思った方、お気軽にご連絡ください!(Twitter@chiho_relations)
12/25まで営業を愛するメンバーが毎日発信を続けていきますのでお楽しみに🙌!!