記事一覧
差別はたいてい悪意のない人がする
【書籍紹介】 キム・ジヘ(2021)『差別はたいてい悪意のない人がする』大月書店
この本は、著者の講演会での体験から語られるところから始まり、それをもとに現在の韓国社会で起きている差別の権力関係の構造やそれぞれの問題に対してのアプローチの仕方などについて書かれている本である。さらに、マジョリティ側からは見えづらく、無意識的に持っている特権について韓国の事例を用いて詳しく説明を行っている。そのため、
なぜ批判的になるのか?
鳥井一平 2020 『国家と移民「外国人労働者と日本の未来」』
この本の著書である鳥井さんは特定非営利団体活動法人「移住者と連帯する全国ネット
ワーク」、略して移住連の代表理事である。日本に暮らす移民や海外にルーツをもつ人び
との権利と尊厳の保障を追求し、誰もが安心して自分らしく生きられると同時に、多
様性を豊かさと捉える社会を目指して活動する NGO です。
この本は、外国人労働者がどのように
音楽の危機と新たな可能性
〈岡田暁生 2020年『音楽の危機《第九が歌えなくなった日》』中公新書〉
2020年1月、新型コロナウイルスが世界的に流行し始める。その影響で日本国内では「三密」と「不要不急」とみなされる業種に対して休業要請が出された。パチンコ店や映画館などの他に、ライブハウスや劇場などの「音楽」の分野もその一つとされ、演奏会やライブイベントが軒並み中止となった。これと同時に感染症対策として、「ソーシャルディス
LGBTを読みとくための「ツール」
(紹介書籍) 森山至貴(2017) 『LGBTを読みとく ─クィア・スタディーズ入門』ちくま新書.
「あなたはセクシャルマイノリティに対する偏見がありますか?」こう質問されると、ほとんどの人は、「偏見はありません。」と答えるだろう。しかし、本書の表紙には、「セクシャルマイノリティを見下す心が見え隠れする人がよく使う枕詞は『私はセクシャルマイノリティに対する偏見を持っていませんが……』です。」と