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シャツを2年ぶりに変えたこと

4月は新年度ということもあって、僕も新入生・新社会人を気取って、お店のシャツを全て入れ替える。全部で10枚ほど。真新しいシャツで迎える新年度は誠に気持ちが良い。

実は去年も4月に入れ替える予定だったのだが、この騒動が始まった頃で、この先どうなるかまったくわかららない状況下で、そんな気分にもならず、そのままずるずると同じシャツでもう1年過ごしてしまった。

毎日必ず洗濯をするので、1年も経つと随分とくたびれてきて、お客さんにはみっともないことをしてしまったと、深く反省をしている。まあ、それだけ心に余裕がなかったということで勘弁してもらいたい。

うちのユニホームとして採用しているのは、ごく普通の業務用「黒シャツ」で、レストランのウエイターからカフェのスタッフまで幅広く使える、極シンプルなものだ。

「BAR」といえば、印象として挙がるのは、やはりあの真っ白で少し袖の短めのテーラードの形をした、いわゆる「バーコート」かと思う。

僕自身にも、あのスタイルには多少の憧れはあるが、うちの店のように、お酒作りから、煮込み料理、ピッザに、皿洗いまで、なんでも一人でこなさなければならない店では、無理な相談だと諦めている。

第一、あんなまっさらな白い布に袖を通したら、一瞬でトマトソースが飛び散って、赤白の水玉模様に早変わりするのが目に見えている。

(読者の方も参考にしていただきたいが、「BAR」に入って、カウンターの向こうの店員が、真っ白な「バーコート」を着ていたら、それはしっかりと分業がなされている、あるいは煮込みなどの火を通すいわゆる「食事」を提供していない、「正統派のBAR」であると考えて良い。これから本格的に「BAR」を極めたいと思われるなら、是非ともそういう店に積極的にチャレンジされると良いかと思う。)


そんな訳で、当分はこの「黒シャツ」でいくことになるかと思う。


ところで、この「黒シャツ」。実をいうと業務用ユニホームメーカーが出している「一枚1600円」の品物である。(確か店を始めた20年前は「一枚900円代」だったように記憶している。)

以前は僕もちょっと高めのシャツを、毎日アイロンをかけて頑張っていたのだが、ある日この業務用のものに変えたところ、形状記憶だし、丈夫だし、何より安いので大量に買って、どんどん取り替える方が得策と気付いてしまった。

お客さんからしっかりとお金を頂いているのに申し訳ないが、色々試した結果、「安い」からではなく、これが一番「丈夫」で「長持ち」するという結論に達した結果だということは、お見知り置き願いたい。


ちょっといい訳でした。


でも、最近、僕の大好きな映画「マトリックス」で、主人公のネオ(キアヌ・リーブス)が身に纏っていたのは、300円/m の生地のものだったと知った。(映像に莫大な金額を費やしたため、予算がなくなったそうだ)


あんなに格好良く着こなすなんて・・。


要は「立ち振る舞い」なのだと、改めて思った。


いや。開き直った(笑。


そう言われれば、


所詮 BAR もある意味「マトリックス」のように「虚構の世界」なのかも。


ますます開き直っている今日この頃。


神保町へお越しの際は、是非お立ち寄りください。

ようこそ。「偽りの世界へ」。

お待ちしております。


Longing / Makzo
Chillhop Music
2021

(本文の最後に、お店でよくかける音楽を紹介しています。お家でお酒を飲まれる際に是非どうぞ。今度お店に聴きに来てくださいね。)

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