【詩の翻訳】善き力に/ディートリヒ・ボンヘッファー
善き力に
善き力に誠実に静かに囲まれ、
奇跡のように守られ、慰められて、
そのように僕はこの日々を君たちと過ごしたい、
そして君たちと新たな年へと向かいたい。
暮れゆく年はまだ僕らの心を苦しめそうだ、
重苦しい日々の悪しき重荷がまだ僕らにのしかかる。
ああ、主よ、僕らの追い立てられた魂にお与えください、
安寧を、その安寧のためにあなたは僕らをお造りになったのです。
あなたが僕らに苦しい杯を、苦い
苦悩の杯を、なみなみと満たされた杯をさし出すのならば、
僕らはそれをありがたく、震えることなく
あなたの善き、愛しき手から受け取ります。
しかしあなたが僕らにもう一度喜びを
この世で、あなたの太陽の輝きのもとでお与えになるおつもりなら、
僕らは過ぎ去ったことを忘れません、
そのとき僕らの生は完全にあなたのものなのです。
今日は蝋燭をあたたかく静かに燃え立たせてください、
あなたが僕らの暗闇にもたらした蝋燭を。
できることなら、僕らをもう一度引き合わせてください。
僕らは知っている、あなたの光は夜に輝くと。
静寂が僕らのまわりに広がるときには、
僕らにあの力強い音をお聞かせください、
目につかず僕らのまわりに広がる世界の音を、
あなたの子どもたち皆の高貴な讃歌を。
善き力に奇跡のように守られて、
僕らは安らかに待っている、到来するかもしれないものを。
神は夕に朝に僕らとともにある、
そしてきっと確かに全ての新たな一日に。
Dietrich Bonhoeffer: „Von guten Mächten“, Hrsg. von Ernst Meyer-Hermann[u.a.], Deutsche Gedichte für die Hauptschule, Frankfurt a. M.: Diesterweg,1966, S.34
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