【詩の翻訳】歌/クルト・ハイニッケ
歌
僕の中に青い空がある
僕は大地を支えている
愛を支えている
僕を
そして幸福を。
太陽は僕の前に跪き
穀物が現れ
永遠の泉が大地の腰の上を流れてゆく。
成れ!
歓声をあげる万象の魂よ!
僕は永遠に生成するものの腕に抱かれた一人の人間
神秘は至福に満ちて開かれ
巨大な青い翼で僕は漂う、太陽に向かって!
遥けさが僕の魂の中へと突き進むとき
甘美な歌が僕の中で響く
僕は感じる
終わりなく
僕がひとりぼっちではないのを。
それほどお前が近くにいるのだ、
兄弟よ
僕らのまわりに弓を向ける遥けさが
僕らの夢を一つにした
神のかんばせが天穹のように僕らの上に広がり
雷鳴を響かせながら僕らの思考の空間が
僕らの友情という同じ祈りの上へと飛び込んだときに。
ひとつの
あこがれは僕らの手の輪だ!
ああ、いくつもの人間の谷の上で微笑もう——
銀と輝いて夢みる
月の魂のように……
Kurt Heynicke: Gesang. In: Gedichte des Expressionismus. Hrsg. von Dietrich Bode. Stuttgart: Philipp Reclam jun. 1991, S.134-135