見出し画像

活用事例|住民参加をより効果的・効率的に進めたデジタルプラットフォームの活用

株式会社Groove Designsが提供するサービス「my groove」は、自治体や企業などまちづくりに取り組む皆さまが、地域と連携して取り組みを進めやすくするための「地域エンゲージメントプラットフォーム」です。
当社が培ってきた地域まちづくりのノウハウと、デジタルテクノロジーを融合して、行政・市民・企業など各主体が連携してともに取り組む“共創まちづくり”を推進しています。

本記事では、札幌市宮の沢でのmygroove活用プロジェクト「居心地が良く、歩きたくなる宮の沢」において、これまで行ってきたワークショップ等のオフラインの取り組み結果と比べ、デジタルプラットフォームを利用したことで得られた成果をご紹介します。
またプロジェクトを担当した自治体職員様インタビューもお届けします!

💡 地域との連携強化や住民参加の促進方法にお困りですか?全国で30以上のプロジェクトを推進するmy grooveで地域連携を強化しましょう
今すぐ資料をダウンロードする



導入前に札幌市が抱えていた課題は?

札幌市ではこれまでも、公共施設の整備や地域のまちづくり計画の策定などにおいてワークショップを実施していましたが、以下のような課題を抱えていました。

  • 若年層の参加者が少ない

  • 女性の参加者が少ない

  • 継続的な参加者が少ない

ワークショップに代わる市民参加の手段を模索していた中で、my grooveを活用いただきました。

なお、本取り組みは、さっぽろ連携中枢都市圏内12自治体とスタートアップの協働により、地域・行政課題の解決を目指す国内最大級の行政オープンイノベーションプロジェクト「Local Innovation Challenge HOKKAIDO」へ当社が採択いただき、札幌市との実証事業として取り組みました。

「歩きたくなる宮の沢」取り組みの背景

札幌市ではまちづくり方針のひとつとして「誰もが生涯健康で、学び、自分らしく活躍できる社会の実現」を定めており、その一環として、歩きたくなるまち「ウォーカブルシティ」の実現を目指しています。

そのモデル地区である宮の沢は「宮の沢ふれあい公園」、「白い恋人パーク」など、にぎわいや人々の往来の原動力となる地域資源を多く有しています。
本取り組みでは、このような地域の資源・特徴を活かしながら、宮の沢駅周辺の魅力向上に取り組みました。

また、ウォーカブルなまちづくりを進める中で、世界的にも珍しい降雪量の多い大都市であり、11月~4月の約半年という長い間雪が降る札幌市にとって「冬でも居心地よく、歩きたくなるまちづくり」は課題となっています。
今回は冬のウォーカブルにも焦点を当てて、検証活動を行いました。

プロジェクト全体の取り組みの流れ

my grooveの特徴的な3つの活用方法

札幌市での取り組みでは、以下3つの活用方法が特徴となっています。

①ワークショップに向けた事前の意見募集での活用

ワークショップの場で議論をより活性化させるため、ワークショップ開催前にmy groove内で意見募集を実施。具体的には、地域の中で特に利活用を推進したいエリアについて、住民目線での活用ニーズやアイデアを募集しました。

意見募集例。左:選択肢画面 / 右:回答した選択肢・コメント画面

その後ワークショップでも議論が行われ、最終的に両者で得た意見を合算して整理する形で集計を行った結果、
宮の沢近隣在住の方を中心に回答をいただき、 20-40代からの回答が75%を占めていました。

②フィールドワークにおける意見募集での活用

冬の札幌におけるウォーカブルを検証する観点からフィールドワークとしてまち歩きを行いました。

同時に冬も歩きたくなる、歩きやすいまちを実現する上で必要と思われる仕掛け等への意見募集を行い、フィールドワーク参加者はmy groove上へ意見を直接書き込み、リアルタイムで集約を行いました。

なおフィールドワーク参加者を中心としつつも、フィールドワークに参加していない方からも追加の意見をいただき、およそ3日間で203件の回答が寄せられました。同時に今回は意見の集約・可視化・整理をリアルタイムに行うことができたことで、業務効率化と幅広い意見の集約を実現することができました。

意見募集例。左:選択肢画面 / 右:回答した選択肢・コメント画面

③地域のキープレイヤーを巻き込む”インタビュー記事”の公開

地域で様々な魅力的な活動をするキープレイヤーとの連携は、まちについて考え取り組む上で欠かせないことです。

今回mygrooveでは合計3回、キープレイヤーへのインタビューを実施し記事を公開しました。

実際にインタビューを公開後にアクセス数が上昇するタイミングがあり、SNS告知だけでなくインタビュー記事を公開することで、地域コミュニティ内で参加を促すきっかけとなりました。

結果レポート:若年層の参加率&継続的な参加率の向上を実現!

1.若年層の参加率の向上

全ての意見募集を終えた結果、今回の意見募集への参加者の年齢内訳は20~40代が約76%を占めているという結果になりました。

絶対値としても参加率が大きくなっているだけでなく、過去実施したオフラインの場でのイベントで集計したデータと比較しても、若年層の参加率が向上していることがわかりました。

2.一般住民の参加継続率の向上

  • オフラインワークショップへ応募し合計2回参加した人は約14%

  • my grooveで2回意見募集に回答した人は39%

時間的・場所的な制約を受けないデジタルプラットフォームは、継続的な参加や関与に影響せず、継続的に市民参加が行える機会となっていました。
またフィールドワークが終了した日以降にも、デジタルプラットフォーム上では回答が投稿されており、オフラインの場合では実現しなかった継続的な興味関心の表明を認知できる機会となりました。

3.活動への参加意欲が未だ高くない層も参加できる

my groove上では活動への参加意欲を「応援したい」「もっと知りたい」「活動に参加したい」という3パターンで選択をすることができます。
このうち、前者2つの未だ意欲レベルが高くない回答を選択した人について、ワークショップの場への参加率は8%でしたが、my groove上の意見募集への参加率は54%で、多様な関心度の人の意見が集まりました。

「オフラインの場に参加するほどではないが、意見を出すのであれば参加できる」という温度感の意見も反映されており、多様な層や世代の率直な意見交換が可能になったということがわかります。

💡 まちづくり専門家による丁寧なコンサルティングと伴走支援で、計画・ビジョン策定での地域連携を強化。
my grooveについての無料ご相談はこちらから


札幌市自治体職員へインタビュー!my grooveを導入して実際どうだった?

今回インタビューさせていただいた札幌市のお二人

Q1.「my groove」を導入する上で、導入前に期待していたことはありますか?
廣瀬さん:過去にまちづくりワークショップを何度も実施しておりますが、「若年層の参加が少ない」「女性の参加が少ない」「時間・場所の制約から継続的な参加が困難」といった課題がありました。「my groove」を導入することで、多様な属性の方々から継続的に意見をいただくことを期待していました。

阿部さん:対面ワークショップへの参加に対して物理的・心理的にハードルがあることは、これまでの業務経験から感じていたので、「my groove」を活用することで、より多くの地域のみなさんからご意見がいただけるといいなと期待していました。

Q2.今年度「my groove」を使ってみて良かった点を教えてください。
廣瀬さん:導入した効果検証も行っており、特に「若年層の参加」、「継続的な参加」という面での効果は大きかったです。
また、オフラインの場に参加するワークショップと比較して「気軽に参加できる」という特徴もあることから、市の広報誌や公式SNSで広報を強化することで、今までワークショップ等に興味の無かった属性の参加も促せることがわかりました。

阿部さん:単に意見を集めるだけでなく、地域で活躍しているみなさんのインタビュー記事を掲載する広報機能、また実際に現地を歩くフィールドワーク時にはスマホを活用してその場で回答をいただくアンケート回答機能がとても良かった点でした。

Q3.当社(株式会社Groove Designs)と協働してみていかがでしたか?こういう点が良かった、逆にもっとこうなるとより良かった等、取り組んでみた率直な感想をお聞かせください!
廣瀬さん:協働して良かった点は沢山あるのですが1点挙げると、「地域に関わりたいと思っているが、ワークショップ等に参加できていない」層へのアプローチを提案していただいた点があります。
東さんの地方財務への寄稿にあるとおり、市民の関心の度合いとして、認知→興味関心→理解→参加というステップがありますが、札幌市では、これまでワークショップに参加する方のみにアプローチすることに注力しており、参加しない層へのアプローチが出来ていませんでした。
今回の取り組みにおいては、例えば地域で活動する方にインタビューを実施し、「my groove」で紹介することで、新たな関係者の巻き込みなどが出来たと感じました。

阿部さん:特に初期の方向性を決める段階で丁寧な対話を行っていただけた点が非常に助かりました。
事業のゴールはどこにあり、今年度得たい成果は何で、この「my groove」を活用することで何を得たいのか、を明確にすることができました。

Q4.これから市民参加について”こんな形を目指していきたい!”という抱負を教えてください。
廣瀬さん:ハード整備にしてもソフト的な取り組みにしても、受益者となる住民・利用者などの意見をいただき、取り組みに反映していくことは必要だと考えています。より多くの関係者にアプローチするためにも、認知してもらうステップからしっかり実施していきたいです。

阿部さん:市民のみなさんが意見を伝える場を「my groove」などを通じて多様にしていくことはもちろんのこと、特に事業の構想段階から一緒に創っていけるような関係をつくり、市民参加を越えて市民共創と胸を張って言えるような関係性を目指していきたいです。

自治体・企業のみなさまへ

もしこの記事を読んで「my groove」に興味を持っていただけましたら、ぜひ一度オンラインで話してみませんか?

  • 計画・ビジョン策定でワークショップは行っているが、より多様な市民の参加を促す手法について考えたい。

  • 市民・地域と連携して事業を進めていきたいが、どうしたら良いのか分からない。

  • SNSやHPなど既存のチャネルと何が違うのか、どういうところが良いのか知りたい。

など皆さまの課題や気になることに対し、
これまでの30プロジェクト以上での知見を踏まえてお答えしながら、一緒に考えさせていただければと思います!(ご相談は無料です)
お気軽にご相談ください!

一緒に働きたいと思ってくれた方へ

Groove Designsではmy groove展開や地域での市民・地域主体でのまちづくり推進のコンサルティングなど多様な活動に取り組んでいます。

「人とまちの関係性をデザインする」というミッションにピンときた方は、ぜひご応募お待ちしています。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?