全文公開 『1000万円の奨学金を背負って社会に出た話をしようか』 その1
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本記事は私の実体験を元にした、ノンフィクションです。
このnoteでは、全文を無料で公開していきます。
最終的には一冊の書籍として出版することを目指します。
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序章 1038万円の重石
第一節 1038万円の重石
1038万円。
これが私が大学時代につくった「借金」の総額です。
皆様はじめまして。私は「みどり」と申します。薬局にて薬剤師として勤めております。山々と田園に囲まれた地でスローライフを送りながら、妻や息子、娘と一緒に暮らしている、ごく平凡なサラリーマンです。
ただ一点、「高額の借金があった」ことを除いては──
お手に取っていただき、ありがとうございます。
本書は「1000万円を超える高額の奨学金を背負って社会に出る」という経験をした私が、その苦悩や苦難、自己に生じた変化、そして自分の両親や子どもたちに対する想いを書き残すものです。
詳しくは次節にて解説しますが、1000万円を超える金額を借りているのは、奨学生のうち0.8%だそうです。
大学生の半数が奨学金を借りているため、大学生全体でいえば0.4%。これはつまり、大学生を250名集めた中で、私の借り入れた金額が最も大きいということです。
大学時代、毎月14万円を積み上げていった私は、しかしその金額を直視しませんでした。見るのが怖かった?──そうではありません。現実味がなかった、が正しいところでしょうか。
隣に座っている友人と私との間にある「壁」は大学時代にはまだ透明で、その壁の分厚さとドス黒さに気が付くのは、社会に出てからのことだったのです。
深夜0時から翌朝8時までアルバイトをして、そのまま講義に出る大学生活。通帳を見て愕然とした社会人一年目のあの日。交際中の彼女にどうしても打ち明けられなかった金額のこと。友人に掛けてもらった思わぬ一言が、人生を切り開くキッカケとなったこと。
この場で愚痴を書くつもりはありません。辛気臭い、あるいは説教臭いことも書きません。ただ淡々と、起こった事実や私の考えていたことを綴っていきます。
なお現在は完済しておりますので、読み手のあなたもどうか気兼ねなく、「こんな人生もあるのだな」と興味を持って読んでいただけたら嬉しいです。
さて本書の端緒を開くに当たり、まずは「奨学金」について、その概要と現状を知っていただきたいと思います。それでは最後まで、どうぞよろしくお願いいたします。
次回
序章 1038万円の重石
第二節 奨学金とは何か
へ続く
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