本日の読書 #049 「スッタニパータと教条主義」
参考書籍:『お経で読む仏教』釈徹宗
第二章 ブッダが伝えたかったこと『スッタニパータ』 より
スッタニパータと教条主義。
『スッタニパータ』とは仏教における「最古のお経」である。
その中でも第四章は、最も古くに作られたものだとされる。
つまり釈迦の教えを一番フレッシュな状態で書き起こしたものが『スッタニパータ』の第四章であるといえる。
(ちなみに釈迦自身は教えを口伝するのみで文章にしていないため、お経はすべて弟子が文章にしたものだそうだ)
著者によればこの第四章にて「教条主義の危険性」が語られていると。
これは宗教としては結構すごいことなのではないか、と感じた。
「教条主義」を辞書で引くと以下の通り。
簡単に言えば「これが絶対に正しい」という考え方のこと。
これは一神教ではよくあることで、
いわゆる「ゼウスが万物を創った」みたいなやつだ。
だが仏教というものは元来、「仏教こそが正しい」という考え方は持っておらず、真理に優劣を付けないものらしい。
むしろ「仏教の考え方から外れるもの」を積極的に取り入れ、揺れながら、部分的に矛盾しながら、存続していくイメージ。
私は特に仏教徒というわけではないのだが、この考え方はすごく好きだ。
自分自身がこういった考え方で生きてきた自覚もある。
「自分の考えこそが正しい」と固執する姿勢でいると、単純に「楽しめる物事が少なくなる」のが良くないと考えている。
このnoteだってそうだ。
自分の考えと180度異なる記事を読んだとき、
「この記事の内容は間違っている」と思うのか、
「あー、そういう考え方もあるか」と思うのか。
後者のスタンスを保っていた方が、noteの世界観を楽しめる。
なにか一つの考えに凝り固まることなく、柔軟に自分を変化させていく。
大枠としての「自分」は保ちつつも、体系を揺さぶり構造を変えていく柔軟性をもち続けたい。
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