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綾部文々
2022年4月17日 00:35
開くのに、ほんの少しばかり"力"の要る密閉されたその空間。入り口の扉を引くと、その子は大抵いつもそこにいてくれる。深い窪みにちょこんと腰を据えて、"すっく"と背筋を伸ばし、2列に整列している。居てくれたら、安心。居てくれないと少し……いえ…ずいぶんと不安。1日に1度は勝手に視界の隅をかすめて来て、そこに居てくれるのが"当然"のような存在。……そう、思い込んでいたのに……。