木に学べ 西岡常一
何度読んでも心にしみる「木に学べ」私は大学を卒業後に宮大工見習いを4年間していた。いずれ郷里の能登島に帰ろうと考えていたことに加え、他人と違う道を歩くことを好む性向も影響していたと思う。神奈川県のとある神社の造営現場でのアルバイトからそのまま社寺専門の工務店に入社と相成った。
アルバイトの時は日当も高かったし仕事も面白かったが、入社後は本格的に弟子のひとりとして棟梁の家に住み込みで働くことになり、華やかな大学生活は一変した。当然仕事はきつかった。夏に屋根の上であまりの暑さに気