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ゲームを作り手目線でプレイする 〜ライセンス表記とコンテンツ量〜

この記事は「GRIMOIRE アドベントカレンダー2022 ODD」の7つめの記事です

今回の記事はグリモアでエンジニアとして働くYSTTが担当します。
昨年は「グリモアエンジニアのキーボードを調査」と題して悪の組織で働くエンジニアのみなさんの武器について調査報告を記事にしました。

自己紹介

2021年10月入社。エンジニアとしてサーバーサイドとクライアントサイドの両方に関わってきました。
入社して1年があっという間に過ぎ、短い一年でしたがいろんなことがあったなぁと感慨深いです。

この前リリースしたプラットフォーム連携機能では、ライブラリ入れ替えやプラットフォームの設定作業、そして作成する画面やロジックが多くてなかなか大規模な機能になりました。

今のところ順調に動いているようです。良かった!

さて、グリモアではゲームを作るだけではなく、ゲームをプレイすることも仕事のひとつです。
他社のゲームを研究することで、チームに共通言語をつくり自社のゲームに活かすことを目的にしています。

ゲームを作り手目線でプレイしてしまう

ゲームの作り手側になると、ゲームの作り手側の視点や気持ちになってプレイすることが多くなってきます。

このクリエイティブ手が込んでるとか、このUIすごくいいなとか、画面遷移のレスポンスが早くてどういう作りになっているだろうとか、この育成ゲームサイクル気持ちいいなとか。

いろんな視点があると思いますが、今回は自分が良く気にしてしまう

  • ライセンス表記からどんな技術が使われているかついチェックしてしまう

  • 毎月どんなコンテンツがリリースされるかで、チームの規模を想像してしまう

について書いてきます。

ライセンス表記って?

ゲームはいろんな技術を組み合わせて作られています。
その技術の中にはオープンソースのものもあり、オープンソースにはライセンス規約が存在します。その規約の中でよく使われる「MIT ライセンス」では、著作権表示の条項が定められています。

つまり、どんなオープンソースを使って作られたゲームなのか、ゲーム内のどこかで表示しなければならないと定められているのです。

そこで各社のゲームは利用規約の中だったりヘルプの中だったり、「ライセンス」「クレジット」「権利表記」などといった形で使用したオープンソースの著作権表示を行っています。
それをチェックすることで、どんな技術が使われているかが分かる、というわけです。

何が嬉しいか?

採用された技術が分かることで、開発の役にたちます。
ブレイブソード×ブレイズソウル でも「ライセンスについて」の中で『』というライブラリを使っていることを表記しています。
『宴』はビジュアルノベルをUnityで制作するためのツールで、ブレ×ブレでもストーリーに活用しています。

『宴』を使ったストーリー機能

ゲームエンジンがわかる

このように、ゲームがどんなツールを使っているかが分かるとゲームエンジンに何が使われているか特定できます。最近のスマホゲームはUnityかUnreal Engineのどちらかで作られていることが多く、ライセンス表記の中でどちらかの単語が入っていることが多いです。

最近の採用実績だとUnityがほとんどなのですが、Unreal Engineを採用しているのを見つけると、Unityとのグラフィックの違いに着目してプレイします。

通信関連技術がわかる

その他オープンソースが使われやすい部分としては、通信関連技術やアニメーション関連技術が多いです。

通信関連技術では、通信のシリアライズや暗号化にオープンソースを採用することが多く、自社開発するよりもオープンソースやサードパーティライブラリのほうが品質や安定性に優位性があります。

ライセンス表記からそれら技術のトレンドが把握できますし、自社に活かせる技術が発見できるかもしれません。
gRPCなんかが使われていると、ちょっと「おっ」ってなって注目してしまいます。

その他面白いこと

アニメーションのライブラリもクレジットに記載されることが多いです。
キャラクターの立ち絵をぬるぬる動かす技術は何か、Live2D®やSpineあるいは他の技術か分かることもあります。

他に、開発ツールの類も記載されているケースがあり、開発体制に想像が膨らんだり、便利なツールであれば自社に取り込めるかも、と考えられるものもあります。

いずれにしてもいろんなことがライセンス表記から読み取れるので、技術に興味あればぜひのぞいてみましょう。

チームの規模感が推し量れるコンテンツ量

ライセンス表記以外にも、毎月どんなコンテンツがリリースされているかによってチームの規模感が推し量れます。
開発体制は通常、リリース後の運用体制を元につくられます。

イラストが毎月5枚リリースされるなら、毎月5枚生産できる開発体制があるはず。5枚それぞれにアニメーションがあるなら、5体分が作れるアニメーション制作体制もあるはず。
さらに、それぞれ声がついているなら...、と、生産するコンテンツによってどういった人材が関わっているゲームなのか規模感が大体分かります。

さらに、シナリオがフルボイスだったりすると、半年位前から準備始めてそうだな、とか、収録するための費用感だとか、コストやスケジュールにも想像が膨らみます。

最近は開発費用に10億円を超えるタイトルも珍しくなくなりましたが、初期開発だけでなく、毎月のコンテンツ量から運用体制に注目するとチームの規模感が30人なのか50人なのか、はたまた100人なのか、チームの開発体制に想像が膨らむことが多いです。

ちなみにグリモアでは少数精鋭で開発しており、外から見える規模感よりは小さい体制で開発しているのでは?なんて思います。

そして作り手の事情を想像する

ライセンス表記から読み取れる技術、毎月のコンテンツ量、そしてゲーム自体の手触りや品質などから、

  • 作るためにはどういった苦労があったか

  • 開発体制をどうやって作ったか

を考え始めると止まらなくなります。
すごいなと思ったゲームにはご祝儀課金は欠かせません!

開発体制は、「座組」と良く言ったりしますが、座組の善し悪しがゲームの善し悪しにも大いに影響があるので、良いと思ったあのゲームはどんな座組・体制で、どういった技術が使われているのか——中二病を救うために大いに参考にしたいです。

最後に

ここまでお付き合いいただき、本当にありがとうございます!
ということで、グリモアは一緒に【中二病を救う】側になってくれる仲間を大大大募集中です。
少しでもグリモアに興味をお持ちいただけましたら、是非とも下記の採用サイトをご覧ください。

※各社の会社名、製品名、サービス名は各社の商標または登録商標です。

読んでくださりありがとうございま――…… え?さぽーと…?いやいやいや!そんな恐れ多いですよ!でも、サポートいただけると、ゲーム開発が少しだけ楽になるかも…… あ!ごめんなさい、独り言ですっ!えへへへ……